・1997 北インド(デリー、バラナシ、アグラ、タイ)17日間
この記録は、書き方も文体も今までと全く違います。
過去参加してたMLに投稿したものをまとめたです。
おかしな書き方も目立ちますが、ご容赦ください。
この旅行記はページ数が多いのでメニューをつけました。 1."到着"、2."鉄道"、 3."国内線飛行機"、4."バラナシ観光1" 5."バラナシ観光2"、 6."バラナシ観光3"、 7,"その他いろいろ、アグラ" |
5 「Varanasi 観光2」
ビスケットの朝食を食べICのCTOへ。Clarksからは徒歩5分ほど。朝10時にやっと開いた事務所に入り予約の再々確認。CRSの画面を見るとアクロスバンコクの山内さんがしっかり再確認を入れてくれたことが分かる。
空港へ行くバスの時間を確認するためツーリストオフィスへ。飛行機の出発時間に会わせて1日数本。一人Rs25。出発はツーリストオフィス前。でも、ここまでスーツケース(今回は安全のためこれだったんです^^;)を運ぶのは面倒だな。ついでにサールナートまでのリクシャの相場を確認する。片道Rs40。
帰りはサールナートにたむろしているリクシャを拾うしかないが,
どうしてもRs100になってしまうのだそうだ。帰りのバスの時間と乗り場も教えてもらう。最終は「多分」7時頃で一人Rs5。大変混むのでスリなどに気を付けた方が良い、そうだ。もうすぐ出発するバスツアーもあったが、一人Rs100で現地滞在2時間では短すぎる。
ツーリストオフィスを出ると、客待ちのオートリクシャがいる。こちらを見るが声をかけては来ない。試しに「サールナートまで幾らだ」と訊くとRs100との返事。冗談ではない。そのまま通り過ぎようとすると「ちょっと待て」と声をかけてくる。振り向くと親父がやってきて、正面から顔を見据えて話し始める。
親父 「聞きなさい。私は今大変困っている。ガス代のRs100を払わなくてはならないが、
金がないのだ。往復でRs100で行こう。どうだ?」
私 「いや、我々はサールナートでゆっくりしたいのだ」
親父 「2時間くらいは待っている」
私 「残念だが、少なくとも4時間はいるだろう。じゃね」
その場を過ぎようとすると、
「分かった。4時間だろうと5時間だろうと構わない。私は眠って待っている。だから乗ってくれないか」。よく見ると人の良さそうな顔をしている。インドで訳の分からない理屈で説得しようとする奴は多いが、素直に頼むのは潔い。採用を決定する。
親父は道々観光案内をしながらリクシャを進める。
「これは果物市場だ。ここで買うと街の半額以下だ」
「これは猿の神様の寺だ。そう、ハヌマンだ。」
「ここはラジオ局の鉄塔だ」
ありがたいけれど、そのたびに後ろを見るのはやめてくれ。
ツーリストバンガローの前で降ろしてもらう。急に思いついて親父にRs100を渡す。
「今11時少し前だ。我々は最低3時間はここにいる。貴方はこの場所に2時に戻ってきて欲しい。我々は遅くなるかも知れない。が、4時までは待っていて欲しい。2時まではどこに行っても構わない。他の客を取って稼いで来ても良い」
親父はRs100札を額につけ「この場所で帰りを待っている」と言う。何となく信用できるような気がした。親父が行き、ツーリストバンガローで食事を
しながら「あの親父戻ってくるかな?」など雑談。メニューは野菜スープ、
チーズサンドイッチ、焼きそば、紅茶。あまりおいしくない。Rs100強。どうでもいいけれど、このレストラン寒いぞ。外の方が暖かい。
食事を終え散歩開始。Mulagandha Kuti Vihar、動物園、公園、ビルマ寺人も少なくのんびりしている。大変気持ちがよい。鳥やプレーリードッグ、
ウサギくらいしか居ないが、子どもたちは動物園に大喜び。その辺の草を
むしってきてはウサギに食べさせている。これが始まると長くなるので大人はベンチで休憩。
考古学博物館。入場料Rs1(だったかな?) 子ども無料。カメラチャージRs2。
ビデオと鞄はチケット売場に預けなければならない。ちょっと不安だが、
まぁ仕方がない。ロッカーは無料。鍵を受け取り博物館へ。
ここの売りはアショカ王の石柱にあったライオンの像。これはインドの国章となっていて、コインやお札にその絵が書いてある。そのコインを取 出して頼みもしないのに解説を始める奴がいる。そんなこと知ってるよ。「自分たちのペースで見学したいんだ」というとあっさり引き下がったが、 こいつら最後にはチップをねだるのだそうだ。博物館で話した日本人が そう言っていた。博物館の中でそれはないと思うぞ。
1時半頃博物館を出ると、誰かが手を振っている。さっき分かれたリクシャの親父だ。「博物館に寄ると思っていた」と言う。偉いぞ親父(^^) ここからは車に乗れと言うので、リクシャで観光再開。「どこに行く」と聞かれ肝心のストゥーパをまだ見ていないことに気づく。親父はストゥーパ 前に車を止め、「ここで待っている。ジャン寺(?)にはきれいな絵があるから それも見てきた方がよい」と言う。
Dhamekh Stupa。これは立派。周辺にはいかにも「遺跡です」といった煉瓦の台座が山ほどある。妻は「お釈迦様はどこで最初の説法をしたの」と私に訊ねるが、そんなこと知らないわい。とりあえず看板のある重要そうな場所
を見て回る。
すると東洋人の団体客がやってきた。脂ぎった性格の悪そうな坊主に引き連れられた韓国からの団体さん。この坊主土産物売りの子どもを「ちょろ」と大声で追い払う。ぼーずなんだから他に言いようあるだろうに。この団体、壊され台座しか残っていない方のストゥーパの周りを、なにやら念仏(?)を唱えつつぐるぐる回り始めた。感極まったのか、涙目のおばさんもいるぞ。
韓国の海外旅行自粛は、100%徹底されているわけではないのだね。
やがて期待の日本人団体客が登場。さりげなく近寄りガイドの説明を聞く。説明によると、壊された方のストゥーパにある小さな金色の突起、これが 「お釈迦様が初めて説法をした場所」らしい。おーい、そんなこと、どこの看板にも書いていなかったぞ でも妻は「そうだったの」と言う顔を している。ひょっとしたらそうなのかもしれない。まぁいいや。 遺跡を出たところに「鹿野苑ギフトショップ(日本語)」。
次に日本寺に連れていってもらう。これはいかにも日本風の寺。ブダガヤの日本寺のように大きくはない。なんというか、町の小さなお寺、といった 風情。お手洗いを借りる。
妻と子がトイレに行っている間、リクシャ親父と雑談。
私 「帰って来ないかもと知れないと思っていた」
リ 「それは出来ない」
私 「まだ時間がある。あとRs100払うから、どこかに連れていってくれ」
リ 「サル寺を見たいか? あとヒンディー大学はどうだ」
私 「お願いする。Rs100で構わないか?」
リ 「金なら要らない。金は明日でも稼げる。今日はあんたらにつき合う」
私 「そうは行かない。Rs100でいいな」
日本寺を出発してサル寺へ。どこにあるのか全然知らなかったが、ヒンディー大学のやや北にあった。サールナートがバラナシの北9km、 ヒンディー大学はバラナシの南7km。おーい、遠いじゃないか。 道も混んできてサールナートからサル寺まで1時間近くかかる。
後から「歩き方」を見たところ、どうやらこの寺 Duruga Templeだった ようだ。「中には入れない」と書いてあったけれど、我々は入れたぞ。 が靴を預けて歩いたら、靴下がどろどろになってしまった。 中ではご婦人の団体が、なにやら歌を合唱している。お猿はそれほど 多くない。いきなりお清めをされそうになる。
次にヒンディー大学へ。キャンパスが広い。千葉大の西千葉キャンパスより広い。 生産工学研究所を会わせてもかなわないな。車は学内のVishwanath Templeへ。サル寺とは違い床もきれいだが、既に我々の靴下は汚れて しまっているのでどうでも良い。靴を預けて中を散歩。少し疲れてきた。 入口の売店で娘がお買い物。友達へのお土産と、腕輪を数組買う。安い物は 一組(2個)Rs5から。Rs10の物を4組買っていた。同じ物にしないとけんかに なるかもしれないのだそうだ。小学校2年生の気配り(^^)
暗くなってきたので、ホテル近くまで戻ってもらうことにする。帰りも道が混んでいて、30分以上かかってしまう。親父にはRs100のほかRs50を渡して しまう。こんなことすると「後から来た旅行者が迷惑する」とか言う奴が必ずいるんだよなぁ。でも渡したかったんだから仕方がない ガイドもしっかりしてくれたし、 その場その場でリクシャを拾えばそれ以上のお金がかかるのだから。 親父さんはしばらくお金を見つめ、少ししてから受け取り、お金を額に当てていた。
昨日と同じSuraya Hotelのレストランで食事。例によって同じ様なメニュー。いろいろなカレーを食べるのだが、名前をまじめに覚えようとしないし、 なにしろ味の微妙な違いまで記憶できないのだ。同時に食べればさすがに分かるんだけれど,,,とにかく、まだインド料理がおいしい。いいことだ(^^)
Hotel Indiaの前、教会裏に謎のBazarが出ていたので、そこに行くことにする。Suryaの前にたむろしてたオートリクシャーにRs10と持ちかける。 Rs20の返事。高いと思うが他にリクシャはいない。外はもう真っ暗だ。仕方なしに言い値で乗る。
数百メートル離れた所で車体から異音。リクシャは暗がりに止まる。暗がりには別のリキシャが止まっている。「ギアが壊れた。ここからはこいつの車で行け。俺にRs5,こいつにRs15を渡せ。」しかしあいにくRs5の持ち合わせがない。奥の車の運転手に向かって「Rs5
持っているか?」と声をかけると、財布から出して壊れた車の運転手に
渡している。
「ありがとう。あとでRs20渡すから安心してね」というと暗がりから聞き覚えのある声。
"You don't pay any more. Because I'm a same man!"
なんと例の親父さん! みんなで大笑い。こんなこともあるんだねぇ(^^)笑いながら親父さんの肩を抱き、教会裏のBazarに行ってもらう。車代は 親父さんのおごり。
Bazarは入場料5Rs。子どもはただなのに4枚切符を買ってしまう。中にはディーゼルエンジンの小ぶりな観覧車。やはりディーセルエンジンの なんて言えばいいんだろう、くるくる回る乗り物。食べ物、生活雑貨、博打、高級ポンプ、など各種出店が100軒も出ていたかなぁ,,。観覧車に 乗ろうと思ったけれど、ここのはやたらとスピードが速く、人が乗っている ゴンドラすら斜めに傾いて回っている。) 子どもも「怖いから乗りたくない」。結局乗り物には何も乗らない。といっても二つしかなかったけれど。
博打(ルーレット状のもの)を見物していると、小さな女の子が手を差し出して来た。おもらいさんだ。初めのうちは手を出すだけだったが、
しらんふりしていると私の左足にしがみつくという大業に出た。大抵のことには慣れた子どもたちも怯えたような顔で見ている。これでは歩けない。私の負けだと1ルピー渡す。すると今度は仲間が数人やってきた。
小銭はもうない。仕方ないので飲みかけの水を渡し、小さい声で「ちょろ」。この言葉はあまり言いたくなかったなぁ。しかしやっと開放される。
知人へのお土産にマサラを買う。一箱Rs6。おまけの小袋つき。リクシャでホテルへ。やっぱりRs20だった。