世界、大人の社会科見学!

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国内旅行2

南九州近・現代史の痕跡を辿る1泊2日の旅 7<Br>水俣病情報センター。昭和30年台の食生活が少しだけうらやましかった件、そして毛髪の水銀濃度を測定してもらったこと、更には妊婦は特に魚介類に注意をしなきゃ、という話

 
水俣病資料館と水俣病情報センターは廊下でつながっている。

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資料館は水俣市立で水俣病の歴史と被害について主眼を置いているのに対し、情報センターは環境省の国立水俣病総合研究センター付属施設であり、水俣病を軸に環境と水銀と人体の関係を中心に展示・解説を行っていると言って良い。

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水俣病が広まった理由の一つには昭和30年台の食生活もある。

日本人は魚をよく食べるが、展示によると「水俣湾周辺では新鮮な魚がいつでも手に入ったので、食事の前に1ないし2尾取ってきては刺身にし、皿に山盛りにして食卓に出していました」とある。

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解説にはこの写真より「もう少し多く食べていた」とある。水俣病の被害を考えなければ、ある意味贅沢な食生活にも思え…


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水俣病資料館と水俣病情報センターは廊下でつながっている。

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資料館は水俣市立で水俣病の歴史と被害について主眼を置いているのに対し、情報センターは環境省の国立水俣病総合研究センター付属施設であり、水俣病を軸に環境と水銀と人体の関係を中心に展示・解説を行っていると言って良い。

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水俣病が広まった理由の一つには昭和30年台の食生活もある。

日本人は魚をよく食べるが、展示によると「水俣湾周辺では新鮮な魚がいつでも手に入ったので、食事の前に1ないし2尾取ってきては刺身にし、皿に山盛りにして食卓に出していました」とある。

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解説にはこの写真より「もう少し多く食べていた」とある。水俣病の被害を考えなければ、ある意味贅沢な食生活にも思える。

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「自分の畑で取れた野菜、それに家の前で採った魚介類」の食事。
とてもおいしそうだ。

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情報センターには世界の水銀汚染についての展示もある。

これはブラジル政府によって作られた「アマゾン側流域の金採掘現場で働く労働者に水銀汚染の恐ろしさを説明するための冊子」。アマゾンでは18世紀頃から金の採掘が行われているが、志学館大学の富樫貞夫教授の報告によれば、「目の限り広がる赤茶けた丘陵がすべて鉱区で、採掘といってもパワーシャベルで露天掘りするだけだ。それを選鉱所に運び、粉砕したあと大量の水を使って選鉱する。最後は水銀を 使ってアマルガムを作り、バーナーで水銀を蒸発せると金が得られる。金の純度を高めるため、水銀を飛ばす作業は二度行っているようだ。」とのこと。怖いじゃないか。
http://www.hf.rim.or.jp/~dai-h/minamata/MINABG2.html

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館内を見学していると、こんな掲示を見つけた。

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「あなたの毛髪の水銀量を測ってみませんか?」

「毛髪の水銀値を知りたい方のために毛髪の水銀量を測定しております。<無料>

現代でも「たくさんの魚介類を食べる人とほとんど食べない人では、毛髪水銀濃度は全く違う」のだそうだ。厚生労働省は「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」という報告とそのパンフレットを作成している。(最新版は今年の6月に更新された)。報告書にはこうある。

<妊婦の方々へ>
近年、魚介類を通じた水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされています。この胎児への影響は、例えば音を聞いた場合の反応が 1/1,000 秒以下のレベルで遅れるようになるようなもので、あるとしても将来の社会生活に支障があるような重篤なものではありません。妊娠している方又は妊娠している可能性のある方(以下「妊婦」という。)は、次の事項に注意しつつ、魚介類を摂食するよう心がけてください。
わが国における食品を通じた平均の水銀摂取量は、食品安全委員会が公表した妊婦を対象とした耐容量の6割程度であって、一般に胎児への影響が懸念されるような状況ではありません。魚介類は健やかな妊娠と出産に重要である栄養等のバランスのよい食事に欠かせないものです。本注意事項は、妊婦の方々に水銀濃度が高い魚介類を食べないように要請するものではありません。また、本注意事項は胎児の保護を第一に、食品安全委員会の評価を踏まえ、魚介類の調査結果等からの試算を基に作成しました。水銀濃度が高い魚介類を偏って多量に食べることは避けて、水銀摂取量を減らすことで魚食のメリットを活かすこととの両立を期待します。

クリックしてindex-a.pdfにアクセス

更にはこんなポスターもあった。

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ここでの水銀濃度測定は、国立水俣病総合研究センターが日本人の毛髪水銀濃度のローデータを収集するために行っている事業であり、研究機関としてはローデータが得られる、個人としては毛髪の水銀濃度を知ることができるという、両者にとってメリットのある企画だ。人気のない館内の人気のない事務室に声をかけてみたところ、すぐに対応してくれた。ここで測定をしない手はない。

こんな機会でもない限り、毛髪の水銀濃度など一生分からないぞ。

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小さな会議室に案内され、申し込み用紙に必要事項を記入する。

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受付の方は結構手慣れた感じで私の髪を切る

案内には「信頼性のある値を得るため、生え際約3センチの部分を10本いただきます」とあったが、耳の後ろから聞こえてくるジョキジョキ音は、なんだかもっと刈り取られているようにも聞こえる。あの、そろそろ貴重な気がし始めている髪なので、節約して切って下さいね。あ、そういう想いがあるからそう聞こえるのか。

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帰宅して約10日後、手元に測定結果が送られてきた。

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測定結果、3.37PPM。

日本人の平均値が男性2.25PPM、女性1.6PPMなので少し高めだ。魚介類好きだからなぁ。

WHOによる「成人で神経症状の出ない最大値(1990)」が50PPM、厚生省による「胎児影響の出ない母親の毛髪の最大値(2005)」が11PPM「成人による摂取許容量(1973)」が5PPM「胎児影響を考慮した母親の許容摂取量(2005)」が2.8PPM

万一私のお腹の中に赤ちゃんがいた場合には、多少のリスクが発生しているのかもしれない。

日本人はその食生活から水銀蓄積レベルが高めだ。

送られてきた資料には、「日本人1万人を対象とした調査(2000-2004)で」「日本人の9割が」「男性:0.8-7.2PPM、女性:0.5-3.9PPM」とあった。

ソースによっては「妊婦の毛髪水銀濃度が2.2PPMを超える場合要注意」「10-20PPMの場合胎児に悪影響を及ぼすリスクが高い」とも言われている。
http://ehp.niehs.nih.gov/members/1995/Suppl-6/gibert-full.html 等

妊娠を望む人、妊娠の可能性がある人は、お酒やたばこだけではなく、魚介類の摂取量に多少神経質になって良い。

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