小三通 - 香港/中国/台湾,陸海路の旅29 「『福建土楼1日遊』の運営は結構いいかげんで、承啓楼への道は一部極端によろしくなかった件」
土楼と何の関係もないのに「土楼風味」を名乗る菓子工場から、更にバスは走る。
一応舗装路は続くが明らかに道幅は狭くなり、峠とまでは言わないけれど「山間部」くらいは言って良い道だ。これは推測なのだが、下の地図に「平和県」とあるエリアに菓子工場があったのではないだろうか。道路の変化を分かりやすく書けば「国道14号線からマザー牧場に入ってしばらくした感じ」というところだ。千葉県以外の人ごめん。
より大きな地図で アモイから承啓楼へ を表示
車窓には集落と畑や丘陵が広がる。のどかな風景と言って良いがさほど絶景というわけでもなく、なんとなく外を眺めていたその時、
お?
これ間違いなく土楼じゃん。
こんなところどうでも良いとばかりにバスは通過するが、土色で円形、どこに出しても恥ずかしくない立派な福建土楼だ。気をつけて見ていると、農村の中にぽつぽつ土楼が隠れている。これなんかもそうじゃないか?
円形に限らなければ、他にも土楼のように見える建物はいっぱいある。と言うより、このあたりでの少し古い建物は壁材に土を使うのがデフォ、といった感すらある。土楼に増築をしたものもあり、それが複雑に絡み合うとこうなる…
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土楼と何の関係もないのに「土楼風味」を名乗る菓子工場から、更にバスは走る。
一応舗装路は続くが明らかに道幅は狭くなり、峠とまでは言わないけれど「山間部」くらいは言って良い道だ。これは推測なのだが、下の地図に「平和県」とあるエリアに菓子工場があったのではないだろうか。道路の変化を分かりやすく書けば「国道14号線からマザー牧場に入ってしばらくした感じ」というところだ。千葉県以外の人ごめん。
より大きな地図で アモイから承啓楼へ を表示
車窓には集落と畑や丘陵が広がる。のどかな風景と言って良いがさほど絶景というわけでもなく、なんとなく外を眺めていたその時、
お?
これ間違いなく土楼じゃん。
こんなところどうでも良いとばかりにバスは通過するが、土色で円形、どこに出しても恥ずかしくない立派な福建土楼だ。気をつけて見ていると、農村の中にぽつぽつ土楼が隠れている。これなんかもそうじゃないか?
円形に限らなければ、他にも土楼のように見える建物はいっぱいある。と言うより、このあたりでの少し古い建物は壁材に土を使うのがデフォ、といった感すらある。土楼に増築をしたものもあり、それが複雑に絡み合うとこうなる。
でたらめな感じがとても良い。
菓子工場から1時間強走っただろうか、こんな建物が見えた。
「福建土楼○」(○は判読不能)
多少車もあるし人もいるが賑わっているという感じではない。っていうか大きな部分は出来ているが絶賛工事中で、現場臭がリアルタイムで漂う。バスターミナルなのか何かの展示施設なのか未だに謎だ。が、この建物の前でバスが1度とまり、僅かの客がバスを降りた。
実はここに来る前、私はバスのスタッフがクリアファイルに入った2枚の写真を見せられ「どちらかを選べ」と尋ねられていた。
ひとつはよく見る「土楼之王」こと承啓楼で、もう一つは永定土楼民俗文化村。
え、選んでいいの??
パンフレットには「永定客家土楼閣民族文化村」とあり、見学できる土楼は「土楼王子」こと振成楼、何のことだか分からないが「府第式」の四角い土楼である福裕楼、最小で小型の如升楼、あとはこれも意味不明だが「布送拉宮式」の土楼群のはずだ。承啓楼なんてどこにも書いていない。
他のパンフレットでは、永定南靖エリアのどの土楼に行くかを "A,B,C,D" などのコースで選べたりもしたが、私の買った158元のパンフレットにはそういう記述はなかった。あくまで永定客家土楼閣民族文化村に行くツアーのはずだった。
しかし「文化村と承啓楼どっちに行く?」と尋ねられた。
このバスに乗っている人間はどちらかを選択できるということだ。これはきっとこのバスにいろいろなツアーに申し込んだ人間が乗り合わせているからに違いない。いい加減な話だが選択肢が増えることはありがたい。そうかぁ、選べるのか。そりゃ困った。
民族文化村に行く気まんまんだった私は不意を突かれた形になったが、15秒ほど考えると、だらしない性格の私の場合「どうせ土楼など4つめあたりからどうでも良くなり真面目に見学しないであろう」ことが予想されたので、「土楼之王」こと承啓楼を選んでみた。だって土楼之王子より土楼之王の方が立派そうじゃん。
こんないいかげんなことで入場料などに問題は発生しないのかと心配したが、今調べてみたら承啓楼のある高北土楼群と民族文化村の入場料は同額だった。さすが中国、いい加減なようでいて金に関してはしっかりしている。
バスの乗客もほとんどが承啓楼を選んでいるようで、降りる客は10人に満たない。
バスは謎の建物の前に30秒ほどとまっただけで、また走り始めた。
あまり良い道ではないなぁ。
っていうか、酷い道なんですけど。
写真の右側は工事中らしく置き石があり通ることができない。となると必然的に茶色がかった左側を通ることになるのだが、どんな神業を使っても大型バスがすれ違うことが不可能だ。あの坂の向こうがどうなっているかわからないまま突入するバスに「いいのか、本当にいいのか?」と思う。バスもこの道にあまり自信がないらしく、時速5キロ程でそろそろと進む。ちょっと跳ねたらデフを擦ること間違いない。大型バスのデフがどこにあるのかは知らないけれど。
「最近永定土楼群への道路状態が良くなり、アクセスが大変に良くなった」みたいな話をどこかで聞いたが、大変に納得できる。今観光バスが使っている道ですらこんな状態なのだから、少し前まではさぞかし酷い道なのだろう。っていうか、多分今走っている道こそが「道路状態が良くなる」前の道なのだ。
ここ、大型バスで走って良い道じゃないと思う。
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