失意の内に書く道北旅行記後編、(2011.10 スカイマークの成田便で道北1泊2日 7)
和寒まで来れば旭川半分に到着したようなものだ。
旭川で半日何をするかというと、今回は博物館を廻る。今回の道北旅行のテーマは「開拓と歴史」だ。私は開拓と歴史についてなにがしかの記録や遺構を見たかった。旭川界隈の観光地といえば大雪山と旭山動物園、そして美瑛・富良野がメジャーだが、今日の午後は市内の博物館巡りを楽しむのだ。
まずは北鎮記念館。
http://bit.ly/rcFloO
北鎮記念館は陸上自衛隊旭川駐屯地内にあり、2007年に今の施設がオープンした。それまでは遠軽駐屯地にあった馬小屋を持ってきて使っていたらしい。ここでは屯田兵や旧陸軍第7師団、陸上自衛隊第2師団など開拓時代からの北海道の防衛の記録や資料を見ることができる。中には戦前軍事機密だった資料(第七師団関係記録)もあり、それは市の指定有形文化財になっている。
http://bit.ly/uFcdqs
http://bit.ly/uFcdqs
入場料は無料とお安く、ここを見逃す手はない。駐屯地の中にあるのも良い。北鎮資料館見学のついでに駐屯地も散歩して、できたら売店で記念品を買ったり食堂で食事をするのもおもしろそうだ。良い社会科見学になる。わくわくしながら車を市内北側にある陸上自衛隊第2師団に走らせる。
第2師団の正門は国道40号線沿いにあった。ゲートで「北鎮資料館を見に来ました」と言うと、ゲートでチェックをしていた隊員が少し困ったような顔をして…
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和寒まで来れば旭川半分に到着したようなものだ。
旭川で半日何をするかというと、今回は博物館を廻る。今回の道北旅行のテーマは「開拓と歴史」だ。私は開拓と歴史についてなにがしかの記録や遺構を見たかった。旭川界隈の観光地といえば大雪山と旭山動物園、そして美瑛・富良野がメジャーだが、今日の午後は市内の博物館巡りを楽しむのだ。
まずは北鎮記念館。
http://bit.ly/rcFloO
北鎮記念館は陸上自衛隊旭川駐屯地内にあり、2007年に今の施設がオープンした。それまでは遠軽駐屯地にあった馬小屋を持ってきて使っていたらしい。ここでは屯田兵や旧陸軍第7師団、陸上自衛隊第2師団など開拓時代からの北海道の防衛の記録や資料を見ることができる。中には戦前軍事機密だった資料(第七師団関係記録)もあり、それは市の指定有形文化財になっている。
http://bit.ly/uFcdqs
http://bit.ly/uFcdqs
入場料は無料とお安く、ここを見逃す手はない。駐屯地の中にあるのも良い。北鎮資料館見学のついでに駐屯地も散歩して、できたら売店で記念品を買ったり食堂で食事をするのもおもしろそうだ。良い社会科見学になる。わくわくしながら車を市内北側にある陸上自衛隊第2師団に走らせる。
第2師団の正門は国道40号線沿いにあった。ゲートで「北鎮資料館を見に来ました」と言うと、ゲートでチェックをしていた隊員が少し困ったような顔をして言う。「北鎮記念館はここからは行けないのですが…」
車をゲート横の駐車場に停めてiPadを起動する。なるほど、北鎮記念館は駐屯地の敷地といっても南西の角にあり、新規オープンの時に敷地を切り分けたようだ。国道沿いに「北鎮記念館」の表示を何回か見たが、素直にそれに従って行けばよかった、ということか。「駐屯地敷地内」という言葉ばかり頭にあって失敗してしまった。と、ここで隊員が車にやってきて、今度は気の毒そうに言った。
「ごめんなさい、今日北鎮記念館、お休みみたいですよ」
そうですか、お休みですか。自衛隊の敷地にある施設だからと月曜にやってきたんだけれど、お休みですか。そりゃそうだよなぁ。わざわざアクセスしやすい場所に新規オープンして、たくさんの人に来てもらおうとした施設だ。休みの人が多い日曜に休館じゃ、いかにもお役所だよなぁ。月曜日がお休みかぁ。(ノД`)
気持ちを切り替えて、旭川兵村記念館に向かう。
名寄方面からなら、ルート的にはこちらを先にした方が効率が良かった。ただ自分の中での見学優先順位としては北鎮記念館の方が上だったため、あえて遠回りをしたのだ。休館日の資料館にのこのこ行ってしまったのは私の事前調査不足だ。ここはきもちを切り替えて、兵村記念館を見学しよう。
http://bit.ly/sqevcs
ここは旭川神社の境内にある。どうして神社の境内に屯田兵の資料館があるのかというと、明治25年に旭川に入植した屯田兵が翌年建立したのがこの神社だからだ。ちなみに旭川神社のサイトには「なぜ 東旭川に旭川神社が?」というページがあり、「本当の旭川はここなんだからね!」と言っている。正直旅行者に取っては東旭川も旭川も似たような場所なのだが、明治期のことだし、開拓をした当事者たちには結構大切な問題だったのだろう。
と、車のお祓いを横目で見つつ資料館に入ると、なんだか雰囲気が怪しい。展示室のドアが閉められているし明かりすらついていない。受付には人がいたので声をかけてみる。
「ごめんなさい、ここは先週から冬期休館なんですよ」
おおおおっ! 旭川博物館、2連敗!
わざわざ失意の北鎮記念館から逆戻りしてきたのに、再度の敗北で力が抜ける。が、窓口の女性は優しかった。「本来なら閉館なのだが、今日は雑務でまだしばらくここにいるから、良かったら展示室を開けますからごらんになって下さい」と言ってくれた。あ、ありがとうございますっ! (ノД`)
http://bit.ly/sqevcs
屯田兵は明治7年から明治37年までの間、北海道の警備と開拓にあたった。制度開始当初は士族しか志願できなかったが、やがて平民でも志願できるようになった。屯田兵例則が布告された翌年には、札幌郊外の琴似に最初の兵村(屯田兵の開拓村)入植が始まり、最後の入植は明治32年となった。この頃には北海道も仁濃いが増え、徴兵制で軍を維持することが可能になっていたらしい。旭川兵村記念館には、数多くの屯田兵に関する資料の他、屯田兵第三中隊の記録や、軍都であった旭川の歴史を知ることができる展示もあり、フロアの規模以上に見応えがある。
兵村博物館の方に再度お礼を言い、旭川市博物館に向かう。ここは第2/4月曜日が休みだ。さすがに大馬鹿物の私も出発前に開館を確認する。この日は第5月曜だったので開館しているはずだが、今の私には4と5を正しく数える自信がない。
「はい、今日は開いてますよ。駐車場は隣の大雪アリーナの裏にありますから、そこを使って下さいね」電話をした博物館の職員は親切だった。
旭川市博物館も、平成20年11月にリニューアルオープンをした。 同じ敷地には大雪クリスタルホールがあり、そのロビー横が博物館になっている。道の駅旭川もすぐそばだ。
http://bit.ly/eHSsBC
旭川市博物館は、北方民族関連の資料が大変充実している。リニューアル後初めての訪問になったが、ゆったりした展示スペースを獲得して、大変見やすく体験的な展示方法を実現していた。チセの復元程度はもう当たり前という感じだし、各展示コーナーにはちゃんとレジュメも置いてある。子ども向けには2ページのマンガを作り、展示のポイントを分かりやすく説明している。開いててよかった、だ。
http://bit.ly/eHSsBC
スカイマークの成田行き夕方便は、17:50に旭川を出発する。
旭川市博物館から空港までは車で約30分。空港でチェックインだけ済ませておこうと立ち寄ってみたが、旭川空港の場合、2時間前にならないと自動チェックイン機も使えなかった。まぁいいや、と空港から南に10キロ程度走った美瑛まで行き、丘陵エリアを少しドライブしてから、展望台で日没を眺める。
http://bit.ly/cI7xZY
「いかにも北海道」という眺めだが、実はこういう風景は北海道のあちこちで見ることができるのに、殊更美瑛や富良野は「風景」をベースにした観光で成功している。これには富田ファームやラベンダー畑の存在も大きいのだろうけれど、旭川空港から10kmという地の利もあるんだろうなぁ。そういえば成田から旭川空港に到着したスカイマークの就航便は、空港へのアプローチ時、ちょっとサービス多めに美瑛/富良野の丘陵地帯上空を飛んでいた気がしないでもない。
レンタカーを返す前に、国道237号線沿いの美瑛のスーパーで、お土産を買う。私の北海道土産は基本的にスーパーで購入だ。今回HDDクラッシュのためWebのキャプチャしか画像を使えなくなってしまったが、これはちゃんと写真があるぞ。
このベル・ジンギスカンのたれは今の時代はネット通販で容易に手に入るが、私は北海道に行くたび買ってしまう。送料がかからないからだが、それ以上に、いつ刷り込まれたのか、このタレは私にとって北海道の味なのだ。ついでに鮮魚コーナーで地元のおばさんが作ったらしいニシンの飯鮨を買う。これは首都圏ではなかなか手に入らない。ホンコン焼きそばもあれば箱買いなのだが、このスーパーには売っていなかった。残念。
さて、今回の道北ドライブ。かかった費用は往復航空券代の9800円とあしたの城ドミ1泊2食の4900円、あとはレンタカー代6300円とガソリン代、合計でおおよそ2万円強だった。レンタカーなしで旭川周辺だけならもっと安く済んだが、三毛別羆事件現地やサロベツ、音威子府や旭川郊外/美瑛を回ったことを考えれば高くはないと思う。というより、北海道の旅行はレンタカーなしじゃ楽しみきれない。
物価が高い分国内旅行は割高ではあるけれど、旅費の中で大きな部分を占める交通費が、スカイマークのみならずジェットスタージャパンやエアアジアジャパンの搭乗で、ますます安くなっていきそうだ。だとしたら、日頃の仕事でたまったストレスの解消に、1泊2日の道北旅行などは、なかなか悪くない選択肢だという気がする。少なくとも今回の道北ドライブは、私にとってとても楽しいものになった。
あとは写真さえ飛ばさなかったらなぁ、である。