2012ミャンマー27 インレー湖・ガーペー僧院の猫たちは必ずしもジャンプをしなかった件
「あなた犬派、それとも猫派」という言葉を聞くことがある。。
似たような言い回しはよく見かける。
「あなたはコーヒー派、それとも紅茶派?」、曰く「あなたはご飯派、それともパン派」、曰く、「あなたは字幕派、それとも吹き替え派」、曰く「あなたはアンパンマン派、それともバイキンマン派(これ本当にあった)」…
もう、おまえらいいかげんにしろと思う。
白か黒か的思考が既に愚かである上に、その選択肢を手前勝手に用意してそのどちらかを選べなど言語道断である。だいたい私は森の中で「テンテンドンドンテンドンドン」などど訳のわからないことを叫びながら定期的にバイキンマンに襲われるテンドンマン派だ。もう、この種の発想は出来の悪い雑誌か女の子を騙くらかそうとしている青年に任せておけばいいのであって、まともな人間なら話題に出すことも恥ずかしいし、私は誰がなんと言っても猫派だ。
と、昔書いたバイクブログの記事を一部引用したのは、インレー湖ボートツアーの最終ポイントガーペー僧院 (Nga Phe Kyaung monastery)は、「猫がジャンプする寺」ということで知られているからだ。
ガーペー僧院は約250年前に建立された水上寺院だ。チーク材で作られたこの寺院は歴史はそれほど古くはないが風情があり、寺院としても立派なのだが、旅行者は「猫がジャンプする寺」としてしか認識していない気がする。ツアーの案内にも "Jumping Cat Temple" とあったくらいだ。わざわざ高い航空券を買ってまでみんなそんなに猫のジャンプが見たいのか、と思わないでもないが、私も見たいと思ったのだから大きなことは言え…
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「あなた犬派、それとも猫派」という言葉を聞くことがある。。
似たような言い回しはよく見かける。
「あなたはコーヒー派、それとも紅茶派?」、曰く「あなたはご飯派、それともパン派」、曰く、「あなたは字幕派、それとも吹き替え派」、曰く「あなたはアンパンマン派、それともバイキンマン派(これ本当にあった)」…
もう、おまえらいいかげんにしろと思う。
白か黒か的思考が既に愚かである上に、その選択肢を手前勝手に用意してそのどちらかを選べなど言語道断である。だいたい私は森の中で「テンテンドンドンテンドンドン」などど訳のわからないことを叫びながら定期的にバイキンマンに襲われるテンドンマン派だ。もう、この種の発想は出来の悪い雑誌か女の子を騙くらかそうとしている青年に任せておけばいいのであって、まともな人間なら話題に出すことも恥ずかしいし、私は誰がなんと言っても猫派だ。
と、昔書いたバイクブログの記事を一部引用したのは、インレー湖ボートツアーの最終ポイントガーペー僧院 (Nga Phe Kyaung monastery)は、「猫がジャンプする寺」ということで知られているからだ。
ガーペー僧院は約250年前に建立された水上寺院だ。チーク材で作られたこの寺院は歴史はそれほど古くはないが風情があり、寺院としても立派なのだが、旅行者は「猫がジャンプする寺」としてしか認識していない気がする。ツアーの案内にも "Jumping Cat Temple" とあったくらいだ。わざわざ高い航空券を買ってまでみんなそんなに猫のジャンプが見たいのか、と思わないでもないが、私も見たいと思ったのだから大きなことは言えない。
そもそもどうしてガーペー僧院の猫がジャンプするのかというと、修行中退屈していた僧が餌で釣りつつ猫にジャンプを仕込んだから、ということなのだが、修行中にそんなことをしていていいのか、あるいはそんな暮らしを修行と呼べるのか、若干疑問は残る。疑問を残したまま船はガーペー僧院に着く。
石造りの寺院を多く見てきたミャンマー、木造の寺院はとても落ち着いた印象を受ける。外からオレンジ色の光が差し込んできて、なかなかいい感じだ。やっぱり私は、寺院は木造が好きだ。
猫たちのおかげなのか、同じインレー湖にファウンドーウーパゴダ(Phaung Daw Oo Pagod)という、御利益的には勝ち目のない寺院があるのにも関わらず、それなりに現地の人もいる。現地の人が来るお寺、ということで「土産物屋だか生活必需品屋だか今ひとつ分からない小商店群」もあったりする。木造の水上寺院の割には、結構店あるじゃないか、である。
お、いらっしゃったぞ!
寺院の中には10匹少しの猫がいる。この猫のみなさんがにゃぁにゃぁ言いながらジャンプの芸をするなら、それは確かに見物だ。近くには猫と特に親しそうな僧がいたので、質問してみた。
「この猫たちがジャンプするのですか?」
「いいえ、今日はもうしません」
宿を出る前、「ジャンピングキャットテンプルと言っても、猫はいつでもジャンプするわけではない」、「寒い日なんか一日中何もしないのも普通」、「てか最近あんまり飛ばないよね」といった話は聞いていた。前日に寺に行った日本人の女の子からは「飛ぶどころか、もう、ろくに歩きもしないんですよ!」とも聞いていたのだ。僧の話によると、「観光客が多いときに忙しくなくて猫にその気があれば」飛ぶのだそうだ。あてにならない話だ。まぁタイミングが良ければこんな光景が見られるらしい。
なーんか、微妙だ。
日没近いこの時間、猫たちは食事をとっていた。そりゃ輪なんかに向かって飛んでいる場合じゃないよな。
ガーペー寺院では、猫よりも夕陽の方が印象的だった。寺院はインレー湖の東岸にあるので、対岸に沈む夕日が美しい。古びた木造建築の寺院がオレンジ色に染まる姿もよかったし、寺院の窓から見えた夕陽はなんだか少し懐かしい色の夕陽だった。