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小三通 - 中国/台湾・金門島

小三通 - 香港/中国/台湾,陸海路の旅37 「アモイの画期的な新交通システム、BRTで空港と市内を行き来できた件」

 今更小三通の旅行記に追記をするのもなんなのだが、アクセスログを見ると、中国・アモイと台湾・金門島を結ぶこのルートに関心がある人は少なくないらしく、関連の記事へのアクセスも少なくない。タグクラウドも「アモイ」の文字が一番大きくなっているくらいだし。

さっきPCのファイルを整理していたら、なくしてしまったと思っていた旅先の写真がたくさん出てきた。その中に、記事にしようと思いつつ画像がないため断念していたアモイのBRTのものがあったので、せっかくだから紹介してみる。

アモイ鉄道駅の前に、こんな駅、というか、施設がある。

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日本人の感覚でいえば、これはもう間違いなくモノレールの駅なのだが、残念ながらこれがモノレールではない。BRTと呼ばれるアモイの新交通システムだ。これは別に中国名物ではない。世界30カ国以上で採用されている比較的歴史の浅い交通システムだ。私は知らなかったのだが、日本にも名古屋にあるらしい。まぁひとつここは、アモイのそれに乗ってみようではないか。どうやらこの辛気くさい建物が切符売り場兼改札の…

 

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 今更小三通の旅行記に追記をするのもなんなのだが、アクセスログを見ると、中国・アモイと台湾・金門島を結ぶこのルートに関心がある人は少なくないらしく、関連の記事へのアクセスも少なくない。タグクラウドも「アモイ」の文字が一番大きくなっているくらいだし。

さっきPCのファイルを整理していたら、なくしてしまったと思っていた旅先の写真がたくさん出てきた。その中に、記事にしようと思いつつ画像がないため断念していたアモイのBRTのものがあったので、せっかくだから紹介してみる。

アモイ鉄道駅の前に、こんな駅、というか、施設がある。

amoi ximen BRT 01.gif

日本人の感覚でいえば、これはもう間違いなくモノレールの駅なのだが、残念ながらこれがモノレールではない。BRTと呼ばれるアモイの新交通システムだ。これは別に中国名物ではない。世界30カ国以上で採用されている比較的歴史の浅い交通システムだ。私は知らなかったのだが、日本にも名古屋にあるらしい。まぁひとつここは、アモイのそれに乗ってみようではないか。どうやらこの辛気くさい建物が切符売り場兼改札のようだ。

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運賃は距離に比例する。従って中国語で行き先を言うか、あらかじめ書いておく必要がある。運賃は初乗りが0.5元。駅前から空港(の敷地)まで行くのには10元はしなかった記憶がある。行き先を告げて運賃を支払うと、プラスチックのトークンが手渡される。キエフの地下鉄ほどじゃないけれど安っぽい感じだが、中にはチップが仕込んであるので、なめてはいけない。中国はiPhoneをアセンブルしている国だぞ。

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改札では、トークンを上のパネルに近づける。日本のSUICAみたいな要領だ。行き先によって運賃が大きく違うのだから、全線均一運賃の乗り物のようにここでトークンを回収することはない。改札を通った後も、トークンはちゃんとなくさないようにしなければ、だ。

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改札を通った後は、階段やらエスカレータやらでプラットホームに登る。

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そしてプラットホームにやってきたのが、これ。

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そう、バスだ。

"BRT" とは "Bus Rapid Transit" の省略であり、アモイのBRTは中国初のBRTとして2008年に開業した。

BRTの定義は「地下鉄等に相当する大量輸送型の都市軌道系交通(ラピッド・トランジット)を軌道ではなくバスを用いて実現した輸送システム」であって、単に専用軌道を走るバス、ってだけじゃだめらしい。日本にもいくつかBRTを名乗る路線があるが、狭義においてBRTと呼べるのは、名古屋のゆとりーとライン基幹2号系統だけのようだ。いろいろ面倒なんだな、である。

BRTの "RAPID" は「快速」くらいの意味合いだが、「信号や他の交通手段に阻害されることなく大量輸送でどんどん走っちゃうんだぞ」的ニュアンスもある。そう考えると、旧鹿島鉄道跡地とか気仙沼とかがRAPIDを名乗るのは、ちょっと厳しい気がしないでもない。もともとそんなに渋滞が激しくないことはもとより、「大量」輸送してないじゃん、だからだ。

アモイのBRTは結構本数が多い。この時間帯は通勤ラッシュなどではなかったのだが、それでも1-2分に1台はバスがやってくる。もっとも駅前(火车站)にはBRTの3路線全てのバスが停車するので、行き先はきちんと確認する必要がある。

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このアモイのBRT、乗ってみると大変に快適であることが分かる。なにしろ専用高架道路をBRTのバスだけが走るので、全く渋滞がないし振動も少ない。揺れない、渋滞のないバスがこんなに快適だとは思わなかったぞ、である。

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まぁ車内を振り返れば、ただのバスなんですけど。

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前方の車窓から専用道路を眺めてると、「この道路、BRTのバスだけで独占利用してしまっていいのだろうか?」と思うくらいがらがらで、なんだか申し訳ないような気持ちにすらなってくる。

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ちょっと考えると、このBRTはなかなか優れたシステムだということがわかる。なにしろ建造費が安い。高架とはいえ片側1車線の高速道路を作るのと同じ手間で良いのだから、地下鉄やモノレールに比べてかなり安上がりだ。それに万一廃止することになっても、この道路はそのまま高速道路として活用できる。地下鉄じゃそうは行かない。それに、いざと言うときには、軍用車や幹部の車を特権的に走らせることもできるしな。

などと感心しているうちに、BRTは空港への乗り換え駅に着いた。ポケットにしまい込んでいたトークンを改札に通して外に出る。

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BRTを降りてそこが空港なら最高なのだが、残念なことにBRTは空港に直結していない。BRT駅の真下にある「具后站」バス停から "L19" のバスに乗り換える必要がある。このL19バスはBRT駅と空港ターミナルを結ぶ連絡バスのようなもので運賃も0.5元と安い。でも、乗り換えがなければなぁ、なんだが。

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バスは5分もしないで空港ターミナルに着く。

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旅行者にとって「空港から、公共の交通機関で、渋滞などに苦しめられるずに都心に出られる」メリットは大きい。私はアモイの駅前にある安いビジネスホテルに泊まっていたので、このメリットは大きかった。鉄道アモイ駅前から空港まで30分程度しかかかっていないのではなかっただろうか。ちなみにルートはこんな感じだ。

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アモイの空港からは、空港リムジンバスと自称するワゴン車6元で市内まで連れて行ってくれるが、アモイは渋滞の激しい街だ。多少の乗り換えが面倒でも、BRTを利用した方が絶対快適で手っ取り早い気がする。


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