典型的アメリカ西海岸家族旅行5 ラスベガス→グランドキャニオン→ロサンゼルの1253kmを1日で走り抜いた件
ラスベガスからグランドキャニオンまでは、93/I40/63を通って約440km、直線距離でも300kmはある。車での日帰り観光も可能だけれど、往復で8時間、現地で2時間観光するとしても10時間はかかる。どうしても時間を節約したい観光客はシーニック航空などのツアーを使うのが定番だ。
しかしこのツアーは結構高価で、一番安い HIGHLIGHT AIR TOUR で $199、現地で日本語ガイドのつく送迎つきツアーだと$300を軽く超えてしまう。シーニック航空はバスツアーも主催しているけれど、これだって1人 $145。結局素直にレンタカーを使うのが一番安上がりなのだ。
しかも我が家の場合、日程が1週間しかない上に、仕事の都合で1人早く帰国する長女をロサンゼルスの空港まで送り届ける必要もある。ここはグランドキャニオンを見てからラスベガスに戻り1泊、などと悠長に時間を使ってはいられない。と言うわけで、「まずはグランドキャニオンを観光し、その後は気力がなくなるまでがんばってロサンゼルスに戻り、力尽きた街の宿で泊まる」という素晴らしいプランが採用された。体力が続けばロサンゼルスに戻ることだってできる。1200km以上あるけど。
脳内では「朝6時頃宿を出れば午前中にグランドキャニオンに到着」などと考えていたのだが、昨夜の夜更かしがたたって出発が遅くなり、途中の休憩をなどをはさんだ結果、グランドキャニオン到着は午後2時を過ぎた。結構お先真っ暗な時間帯である。気を取り直し、サウスリムのビジターセンターと、近くのマーサーポイントへに向かう。
世界に美しい光景はたくさんあるけれど、見た瞬間に息をのむような場所はものすごく多くはない。個人の趣味で言わせてもらえば、「べたべたの観光地である」グランドキャニオンは、その迫力では世界トップクラスの光景だ。雨期のウユニもレンソイス・マラニャンセスもすごいけれど、グランドキャニオンだって全然負けていないと思うぞ。しかも家族連れでかなり簡単にアクセスできるなんて、素晴らしいじゃないか。写真じゃその迫力が全然伝わらないが残念だけど。
ビジターセンターを見学していくつかのポイントからグランドキャニオンを眺めていたら、あっという間に2時間が過ぎた。油断も隙もあったもんじゃない。ちょっとお腹が空いたので、ヤバパイロッジのカフェテリアで遅めのランチ。もう午後3時近いんだけどね。
ここは典型的なアメリカのカフェテリアで、観光地の割には決して値段は高くはないが、味は、まぁ、その、なんだ、だ。以前ヤバパイロッジで年越しをしたときには、夕飯もここで食べるしかなく、結構残念だった記憶もある。グランベリージュースでパイを食べている娘には、「いいかい、これがアメリカのごはんなんだよ」と人生を生きるための大切な知識を伝えておく。
1月のグランドキャニオンの日没は5:30頃だ。これからロサンゼルスまでの811kmを運転する身には、真っ暗になるまでここにいるのはかなりきつい。暗い山道はそれだけで時間を取ってしまうからだ。とはいえ、あっさりとこの絶景を離れるのももったいなく、オレンジ色の光が谷を染め始める時間までを屋内展望台もあるルックアウトスタジオで過ごす。
絶景だよなぁ。私は海の景色より山の景色の方が好きなのだと思う。こどもたちもそれなりに満足げな顔をしていて安心する。ちょっとがんばって走ってきてよかった。しかし、本当のがんばりはこれからだ。
17:15分グランドキャニオン発、24:00ロサンゼルス/ガーデナ着。
結構飛ばしてろくに休憩も取らないで、なんとかガーデナにたどり着つくことができたが、正直この年で1日に1200km以上の移動は、さすがにきつい。125ccのバイクで柏から青森までを下道で走ったときよりきつい。
ラスベガス→グランドキャニオン→ロサンゼルスの移動は、「事情がある場合やろうと思えばできるけれど、かなりきついのでそうそうお勧めできない」というあたりが的確な気がする。じゃぁラスベガスに帰れば楽かというと、これも900km弱の道のりで走る時間は3時間の違いなので、となると「日程がないのならがんばってロサンゼルスに帰っちゃえ!」というのも、あながち的外れじゃない気がしないでもない。
そのためには前日よく寝て、必ず安全運転で、だな。