典型的アメリカ西海岸家族旅行9 ロサンゼルスで街遊びをした件
遊園地のチケット代で破産しそうになった家族旅行者は、街遊びを試みる。まずはお土産の購入だ。
私はこの「お土産」という習慣が大嫌いで、旅行に行ってもまず買ってくることはない。買い物で貴重な時間とお金を消耗するし手荷物は増えるしで、そうまでして何かを買っていかなければいけないとは思えないのだ。しかし家族全員が同じ考えかというと必ずしもそうではないし、各人がそれぞれの事情を抱えている。というわけで、宿近くのターゲットに乗り込む。
ターゲットは売り上げ高全米5位のターゲットコーポレーションが運営するディスカウントチェーン店で、10万平米規模の売り場面積であることを基本としている。家電から衣服、食料品まで一通りのものが揃うので便利だ。ナッツやチョコ、Tシャツなんかより、ここで生活感のあるものを買った方がよほど気の利いたお土産になる……、気もする。ナッツもチョコもTシャツも売ってますけど。
日系スーパーも楽しい。
パシフィックガーデンホテルの裏にもあったマルカイはカリフォルニアに7店舗を持つ日系スーパーだが、多分ウェストアーテシアとサウスウェスタンの角にある店が規模が一番大きい。安くて手軽でおいしい食事にありつきにくいアメリカだけれど、ここならお弁当も買えるし、面白い店に巡り会えたりもする。
富山ブラックのラーメンいろはは、昨年9月までの期間限定出店の予定だったのだが、評判がよろしかったようで年末まで始業を延長し、次には正月明けまでと延長し、結局現在も営業している。富山に行ったことのない子どもたちは、ロサンゼルスで初めて富山ブラックを食べた。
ダウンタウンに車を走らせる。
フリーウェイを降りてリトル東京に向かうときにサンペドロストリートに入り込んでしまい、車の鍵を再確認する。最近は治安が良くなってきているという話も聞くけれど、全米日系人博物館の南側、特に4th st から 7th st の間は明らかに漂う空気が違う。 こどもたちからは「映画みたいだ」という大変興味深い発言も聞かれた。まぁ車内にいて明るい時間だからいいようなものの、徒歩で通るのは絶対嫌だぞ、お父さんは。
で、その全米日系人博物館。
(館内は撮影禁止)
1999年にオープンした新館には、強制収容所のバラックが復元されていて、この日には子ども時代を収容所で過ごした男性が解説のボランティアをやっていた。収容所の中にいても多少の仕事があったり外に働きに行ける人もいて、その賃金でJCペニーなど4つの大手小売店の通販を利用できたのだそうだ。さすが通販大国だと、妙なことに関心してしまう。一階には日系人のアートが多く展示されていて、娘たちは興味深そうに眺めていた。
博物館見学のついでに、リトル東京ものぞいておく。
昔はここにほぼ隣接するようにヤオハンプラザという3階建てのショッピングモールがあり、ヤオハン(その後ミツワ)や旭屋書店、JTBなんかが入っていてそれなりの賑わいがあった。ヤオハンの掲示板には「日本行き片道航空券200ドルで売ります」のような張り紙が多くあったっけなぁ。あ、今年は某所でこんな広告を見つけたけどね。
ダイマルホテルも健在のようだ。私は泊まったことがないけれど。ここに泊まる人はまず車なんか使わないだろうから駐車場の問題はないのだろうけれど、リノベーションしたとは言え、バスルーム共同で$40もする。こういうところに泊まる人が、460番バスでディズニーランドに行ったりするのだろうか。
二人いて車があれば、パシフィックガーデンホテルやガーデナテラスインに泊まれる値段だけれど、1人だとこういう選択肢もありえるのかもしれない。一応個室だし。でも、私が100%節約モードでロサンゼルスに着いたとしたら、空港送迎無料でWifi無料で2食無料で$19.99のBackpackers Paradise Hostelだろうな。泊まったことはないけれど、サイトを見る限り、なんだかものすごそうで楽しそうだ。少なくとも、絶対話のタネにはなる。
夕日を見ようと、車をベニスビーチに走らせる。
渋滞につかまり、暗闇の中ビーチに着く。 明るいうちは賑やかなベニスだが、暗くなってからは「ぱっとしない料理を立派な値段で提供するおしゃれなレストランでの食事」がメインイベントのエリアと化す。
運転するからワインも飲めないし、うちはここでいいや。