世界、大人の社会科見学!

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2012黒海西側を行く2 アエロフロート/SU263便の機内食と、フライトキャンセルと、トランジットホテル

2018/02/09

アエロフロートは毎日成田とモスクワの間を飛んでいる。曜日によって便名は違うが、基本成田に昼頃到着してその2時間半後にはモスクワに帰っていく。割高な成田の空港利用料を最低限に抑えることができる飛び方だ。更にはクルーも成田のホテルではなく、富里にあるアエロフロートの寮に泊まるらしい。費用削減やる気満々で大変によろしい。

その昔、BAeのVC-10の設計図を盗み出して作ったとも言われるIL-62で飛んでいた頃は、ヨーロッパへの安くて快適ではないフライトして知られていた。他社がワイドボディの機材を飛ばす中、映画もないナローボディの機材で10時間以上拘束されるのだから、その評判は仕方がなかった。しかしアエロフロートもボーイングやエアバスの機材を使うようになり、成田線にはA330が飛ぶようになって久しい。私の乗ったSU263便ももちろんA330だった。

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全ての座席にVODのビデオシステムがある。メニューは英語とロシア語だけだが、日本語の映画も1-2本入っている。メニューをしっかり見ないとなかなか見つけられないけれど。

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機内食だってエコノミーとして全く問題のない水準だ。出発後と到着前にフルミールが、そしてアイスクリームのリフレッシュメントもいただける。ビールが有料なのは少し残念だけれど、赤白のワインは食事の際に無料でいただける。「ワインは食事のうちだから無料」というこの発想は、ヨーロッパだなぁ。

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アエロフロート、快適じゃないか!!

だいたい昔のあんまりよろしくない評判は旧ソ連時代の話であって、アエロフロートだってどんどん進化している。昔は機内が自由席だったり同じYでも後方の席のピッチが妙に狭かったり機内食のパンが異常に固かったりといろいろあったけれど、SU263便のサービス水準は他国のレガシーと比較しても遜色はない。安くて速くて、良い航空会社だ。

ウクライナのキエフに向かう乗りつぎ便までは多少時間があるので、モスクワ・シェレメーチエヴォ国際空港のプライオリティパスを使える4つのラウンジのうち、ターミナルFにあるアンバーラウンジに入ってみる。

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モスクワのトランジット、快適じゃないか!!!

旧ソ連邦も崩壊しロシアが生まれ、冷戦が終結し市場経済が花開いた。もうアエロフロートは昔のアエロフロートじゃないのだ。ターミナルは横長で多少使いにくいけれどそれなりに近代的で明るいし、昔の薄暗いモスクワ空港とは大違いだ。私はキエフ行きのゲートに向かう。

係員「キエフ行きはキャンセルされました。トランジットカウンターへどうぞ」

あらら。まぁそういうこともあるか。どんな航空会社だってフライト時刻の変更やキャンセルはある。ここまでが順調だったので少し残念だけれど仕方がない。私は素直にトランジットカウンターに向かった。

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私「あの、キエフ行きの乗客なのですが…」

SU「分かりました。ここでお待ち下さい」

多少素っ気ない対応だ。せめてどうしてフライトがキャンセルされたか、くらい教えてくれても良いのではないかと思う。まぁスタッフは忙しそうなので、指示に従い椅子で待つ

-----

(1時間後)

私「あの、キエフ行きの乗客なのですが…」

SU「はい。ここでお待ち下さい」

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(2時間後)

私「あの、キエフ行きの乗客なのですが…」

SU「はい。ここでお待ち下さい」

私「いや、もう2時間待ってて…」

SU「ここでお待ち下さい」

-----

(3時間後)

私「あの、いつ頃まで待てば良いのでしょう…?」

SU「ここでお待ち下さい」

普通こういう場合には、状況を説明して乗客の理解を得たり、多少申し訳なさそうな言葉を発して不便に同情してみせたりするものだが、地上係員は気持ちよいほど「ここで待て」としか言わない。まるで、他の余計なことを言うと上司に叱責されるかのようだ。ついには、まだ質問をしている私から係員は視線をそらし、背を向けた。

この、だめ航空会社がっ!!!

結局私たちキエフ行きの乗客がトランジットカウンターを離れることができたのは、トランジットカウンター前で4-5時間は待たされた後だった。キエフ行きの飛行機に乗るはずだった私たち10数名の乗客は、裏口のような事務所に連行されそこで更に2時間は程待たされ、悪名名高いモスクワのトランジットホテルに連行された。ゲート横に到着したバスは、私たちがロシアに入国していないことを証明するかのように、ドアとドアの間を20cmも離さない。こういうことだけはしっかりしていやがる。乗客にあてがわれたのは空港前のノボテルだった。

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係員「部屋はツインなので、二人ずつ使っていただきます」

そうですか、あなたの会社は見ず知らずの他人を密室に閉じ込めて、そこでバスを使ったり眠ったりしろと言いますか。

監禁トランジットに使われる部屋は、それなりに清潔ではあるが、ノボテルにしてはやや狭めでどこかくすんだ印象だ。私は、見ず知らずのどなたかとご一緒に、この部屋でバスを使いベッドで眠った。

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係員は朝の3時にロビーに集合と言っていた。時間はもう午前1時過ぎ、正味2時間も眠ることができない。モスクワに到着したのが夕方の5時頃だったから、このみみっちぃ部屋に到着するまで8時間近く待たされたことになる。8時間待ってやっと2時間の仮眠を与えられたわけだ。

フライトがキャンセルされた理由はおおよそ見当がつく。乗客がここに泊まっている10数人しかいなかったから、ゼニカネの都合でキャンセルされたのだろう。トランジットエリアとゲート付近で7時間近く待たされた理由もおおよそ見当がつく。他の便で到着する乗客を全て待って、トランジットの事務手続きとバスの手配を1回で済ませるためだろう。

フライトにトラブルはつきものだ。キャンセルだってよくあることだし、遅延など日常茶飯事だ。しかし、そのトラブルに対する対応で、そのキャリアのサービス水準が明確となる。2時間しか眠れないホテルを用意しただけまだマシな対応だったのかもしれないが、長時間ろくな説明もなしでただ待たされるのはあまり愉快ではなかった。対応は簡単だ。ただきちんと状況と見込みを説明すれば良い。それすらできないのは、職員の怠慢かあるいは職員すら事情がよく分かってないかのどちらかで、多分後者だ。

このあたりがアエロフロートの限界、なのだな。

約束の3時に間に合うようにロビーに行こうとしたら、モスクワトランジットホテル名物の出入り禁止係員に制止された。

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私たちがどんなに事情を説明しても全く聞く耳を持たない。聞く耳を持たないことと最低限の会話しかしない姿勢は、トランジットカウンターの係員と大変によく似ている。 もう半分呆れていたらやがて電話が入り、「集合時間が4時になった」とのことだった。をい、俺たちは約束の時間に来るために2時間の睡眠で耐えたんだぞ?

このだめ航空会社がっ!!!

 


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