2015 台湾桃園ベースの旅13 景美人権文化園区5・監獄棟のクリーニング工場と食堂
景美人権文化園区は政治犯を収容した「看守所」であり、中国語のニュアンスとしてはこれは日本語の「拘置所」に近い。中国語で刑務所は一般に「監獄」と書く。拘置所であるならば基本未決囚を収容する施設であって、日本なら懲役的としての作業はさせないのだが、そこは台湾、ここでは収容者に作業もさせていて、作業場は監獄棟の「仁愛楼」内部にあった。クリーニング工場だ。
看守所内の洗濯物を洗う洗濯場、ではない。ドライクリーニングの機械があるクリーニング工場だ。内部の洗濯物も洗ったのかもしれないが、さすがに収容者の衣服をドライクリーニングにかけることはない。ちなみにこれがまだ残されているクリーニングマシンだ。
(ちゃんと有機溶剤も残されている)
そしてこちらが食堂。
中華文化圏だなぁと思わせるのは、日本などの刑務所とは違い、看守所(だか監獄だか)の中でも食事は複数でとるスタイルになっていて、4~8人毎のテーブルに3品から4品の料理が並んでいることだ。更には中国人の食事を締めるスープもちゃんとあったりして文化の違いを思い知らされる。
日本の刑務所では食事に7種の等級があり主食の量も違うが、これではそこまでのコントロールはできないと思う。しかしおかずの多いテーブルはあり「加菜卓」と呼ばれた。内容もこちらの方が動物性蛋白質が多そうだ。刑務所では食事が最大の楽しみだというし、この違いは大きいよな。
ちなみにこちらは雑居房に展示してあった食事だ。朝食か夕食かのどっちかなのだろう。
中国文化圏では冷たいご飯は致命的に酷い仕打ちとなる。最近では台湾のみならず大陸中国でもコンビニでおにぎりが売られているご時世だが、基本特殊な形態ではない伝統的な食事である限り、冷たいご飯を出すということはまずあり得ない。中国人にしてみれば冷たいご飯を食べさせられると言うことは「体に悪い食事をさせられる」ことと同義であり、犯罪者扱いを受けると言うことだ。あ、ここは政府にとっては「犯罪者」を収容する場所か。ご飯、暖かかったのかなぁ…。