マイレッジプラス10000マイル GW国内線祭り11 2014年にオープンした浦上キリシタン資料館を覗いてみた件
2016/08/22
ニュースでオープンを知っても、日程が合わずなかなか行けない場所がある。私には、2014年5月にオープンした浦上キリシタン資料館がそうだった。長崎県に来ることはあっても、長崎市内中心部まで来る機会がなかなかなかったのだ。市内は混むし、駐車場も高いからねぇ。
この資料館は、浦上出身のカトリック信者の方が所有するマンションの1階を提供し、カトリック長崎司教区の全面協力のもとオープンした。長崎におけるキリスト教弾圧の歴史を知らない若い世代が増えていることに危惧を抱いたオーナーさんが、「禁制と弾圧を生き抜いた信徒の歴史」と「原爆の被害」をテーマに資料提供を呼びかけ、オープンさせたらしい。浦上では信徒12000人のうち8000人が原爆被害で亡くなっている。爆心地に近いのだから被害も大きかったのだ。
内部にはパネル展示が多く、潜伏キリシタン (カトリック的には土着秘教の「隠れキリシタン」はキリスト教ではない) の活動や、弾圧についてていねいに説明がされている。項目的には長崎地区のキリスト教徒の歴史として基本に近い情報でもあるが、全ての事件について詳しく知っている人は多くないだろう。ちなみに「浦上崩れ」の「崩れ」とは「検挙されること」という意味で、1790年の浦上一番崩れから1867年の浦上四番崩れまで、4度にわたって発生した。特に浦上四番崩れでは被害者が大きく、大規模な拷問や処罰が行われ、浦上村の全員が流罪となり村民3394人が20の藩に送られた。江戸時代の話ではない。明治に入ってからの話だ。
バスチャンの暦と予言についても解説がある。カトリックの司祭サンジワンが師だったと言われるバスチャンは、カトリック的にも認められる存在なのだな。
切支丹懸賞訴人の高札。切支丹を密航した場合、信徒で銀100枚、司祭クラスだと銀500枚を与える、という趣旨が書かれている。パネル展示が多いこの資料館では、なかなか興味深い資料だ。
ポーランドなどで使われていた祭服。100年程前のものなのだそうだ。
地元、浦上地区にあった秘密教会についても解説されている。
こうなると、秘密教会と隠れキリシタンの違い、特に禁教令が解かれた後の行き場の違いについて、いろいろな想いが胸をよぎる。幕末、長崎にカトリック教徒がいることが分ったとき、バチカンは大喜びしたと言われている。また、バチカンは隠れキリシタンは「古いキリスト教徒であり、キリスト教徒とみなさない理由はない」とも言っている。意外と寛容なのだな。考えようによっては、隠れキリシタンの信仰は生活に浸透し、再度接触したカトリックを受け入れないほどの深い信仰となった、とも言える。隠れキリシタンに興味が沸いたのなら、平戸市生月町の島の館の展示が日本で一番充実している、と思う。
(平戸市生月町、島の館に展示されている納戸神の復元、撮影は2014年)
浦上キリシタン資料館は、決して大きな資料館ではないが、長崎や浦上のキリシタンの歴史を熱心に解説している。資料館横には1-2台分の駐車場もあり「訪問者の方もぜひお使いください」とおっしゃってくれた。原爆資料館や平和公園を訪問したときに立ち寄るのも悪くない。入場料などは一切かからない。
余談になるが、長崎に安く宿泊するのなら、カトリックセンター長崎が絶対にお勧めだ。
浦上天主堂横という立地で、駐車場も無料で、ユースホステルスタイルの2段ベッドなら1852円、和室なら一人で泊まっても3056円、2人で泊まれば一人当たり2315円、3人なら2130円、4人なら2038円で泊まることができる。部屋は豪華ではないが清潔で快適だ。
近くにはスーパーがあって夕飯を買ってきて部屋で食べることもできるし、朝にサービスされる「モーニングコーヒー」にはクロワッサンが1個ついてくる。予約の場合は宿に直接申し込むと2段ベッドでも1泊3900円と倍になってしまうので、絶対に予約サイトを利用した方が良い。ここは私の長崎宿泊の隠し宿だ。
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