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国内旅行

2017バニラで行く函館24時間9 市電に乗って五稜郭に行き、函館市北洋資料館をじっくり見る

2017/07/05

摩周丸をスルーし、函館駅をのぞくと、ミシュランに関する案内があった。

 

ネットに様々な情報が飛び交う今、ミシュランガイドは情報元と言うより権威付け的な意味合いが大きくなった。そんな権威の象徴であるミシュランが都市やそこの飲食店をとりあげると、その街や店は舞い上がる傾向がある。特にその傾向は地方に強く、北海道も例外ではない。私はミシュランガイドに掲載されたとたんに、接客の質ががくんと落ちた北海道の店を複数軒知っている。舞い上がって勘違いをしているのだ。

函館が観光的に魅力的な街であることは否定しない。しかし、その全てが素晴らしく入場料が内容に見合う訳ではないことは何度も書いた。もしあの入場料がミシュランなどの「権威」に裏付けられたものならば、むしろ害悪ではないかとすら思う。

そして私は、ミシュランガイドで二つ星、つまり「寄り道する価値がある」五稜郭まで市電に乗る。

 

16.函館の市電に乗る。

とても楽しい。でも1913年に開業したこの市電はミシュランには載っていない。函館駅から20分、230円のアトラクション、楽しいのになぁ…

 

17.五稜郭を散歩する。

五稜郭は江戸時代末期に作られた稜堡式の城郭だ。星形要塞とも言われるこの城郭は、15世紀のイタリアから始まった。その全貌を見るには五稜郭タワーに登る必要があり、ミシュランで星を受けたのは「五稜郭跡」と「五稜郭タワーからの眺望」の二つであり、別モノだ。

 

入場料は900円。五稜郭の全貌をまだ見たことがない人は登ってみるべきだろう。

時代と共に豪華になる下の建物を眺めつつ、公園に入る。公園の入場は無料だ。

 

五稜郭は美しい公園だ。全貌が頭にあれば、自分が今何を見ているかも分かる。内部には2010年にオープンした箱館奉行所なる施設もあるのだが、

復元施設の割りには500円と地味に納得のいかない入場料を取るというので、ここもスルーする。

どうも今回の私は入場料にただ事ではなく敏感になっているようだ。ベイエリアの少額連続徴収スタイルが気に入らなくて、こうなってしまったのかもしれない。大金はもっと嫌だけど。

 

18.北洋資料館をじっくりと見る

北洋資料館は函館市にいくつかある「管理指定者制度」を導入した施設で、函館の重要な産業であった北洋漁業についての資料展示を行っている。

国内にも漁業に関する博物館/資料館はいくつかあるけれど、「北洋漁業」に焦点を絞ったものは多分ここだけだ。ここは五稜郭公園南のときわ通を挟んだ反対側、函館市芸術ホールと同じ建物に、というよりロビーの一画にある。

 

なぜ北洋漁業が函館の重要な産業だったのかというと、「あけぼの印」で有名だった旧ニチロ(現マルハニチロ)が、1914年日魯漁業株式会社として函館で創業したからだ。

この日魯漁業株式会社を創業したのが堤清六と平塚常次郎の二人であり、館内の展示は彼らの足跡から始まる。1910年、二人は当初カムチャツカのウスクで初めての鮭缶を製造したが、サケマス漁が盛んになったことを受け、1914年函館に会社を立ち上げた。

一般に現代では「日露」と表記する日本とロシア両国を表す言葉が「日魯」なのは時代だ。一説によると「魯」の文字には「愚か、鈍い、考えが足りない」といった意味あいもあるというロシア政府の抗議により「露」に変わって行ったともいわれる。中国には魯王朝なんて時代もあったはずだけれど、昔から良くない意味だったのか?

更に太陽マークの「あけぼの印」が英語名で ”Day Break Brand” と直球ど真ん中なのも、微笑ましい。館内の展示品はいろいろあるけれど、ニチロが提供したものも少なくないのだろう。

 

館内の展示はやや雑多でもあるが、なかなか興味深い。ここには博識なボランティアさんもいらっしゃって、見学者を案内してくださる。この話がまた興味深い。多少雑然とした必ずしも全てが詳細でない解説文を、このボランティアさんが補完してくれる印象だ。

例えばこのパスポートはサケマス漁に従事した方のものなのだが、姓名の上に「移民」のスタンプが押してある。公文書上、彼らは日本国から移民し、操業が終わると日本に戻っていたらしい。

北洋漁業には日露の歴史、特にポーツマス条約とシベリア出兵時期の「自衛出漁」等なかなかややこしい背景があり、一筋縄で語るのは難しいのだ。このパスポートの発行は1914年(大正3年)、ポーツマス条約の9年後、自衛出漁が行われた大正9-11年の6年前になる。館内で「自衛出漁」の文字を見ることはなかった(か私が見落とした)のだが、この「移民」のスタンプを教えてくださったのがボランティアさんだ。

 

館内には、蟹工船の模型もある。

ボランティアさんは、ロシア領内での土地賃貸料の高騰など蟹工船が作られるまでの事情、船団の操業システム、そして工船内部のシステムなどについても詳しく教えてくれる。蟹工船の模型が見られるのはここ北洋資料館と北海道博物館、あとは地味なことこの上ない同じ函館の北大水産資料館くらいでだろう。

 

更に、北洋漁業を体験するシミュレーターもあったりする。映像とモーターによる揺れを組み合わせた科学万博スタイルのシミュレーターなのだが、わずか3分なのにこれがたいそう酔う。私は絶対に漁船のりにはなれない。

 

展示はサケマスの生態、漁法から、函館の歴史に至る。規模の割には少し幅広すぎな傾向もあるが、ボランティアさんの話を伺いながら見て回ると、2時間くらいあっという間だ。私が函館一番興味深かった博物館はここだった。

 

これだけ興味深く、他所では見られない函館ならではの資料館、入場料はなんと100円だ。

めちゃくちゃ小金に汚くなっている私には大変に納得がいく。いや、安すぎだとすら思う。しかも車で来館した場合、本来400円の2時間までの駐車料が無料になる。ありがたくて涙が出る。ここに車をとめて、五稜郭公園と北洋資料館を2時間で回るという手もあるのだな。

ちなみにこの日楽しんだ500円のイカ刺し丼、ガタゴト走る市電、そしてここ北洋資料館はどれもミシュランには取り上げられていない。一番ぱっとしなかった「五稜郭跡」は二つ星なんだけどねぇ。
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