2017バニラで行く函館24時間11 函館少年刑務所から無理矢理 ”コーヒールームきくち” に立ち寄り、空港で108円パスタを食べる
2017/10/29
函館少年刑務所から函館空港に向かうには、タクシー以外だと、所南側の海沿いを走る漁火通りに出て、「競輪場前」バス停からバスに乗るのことになる。
ここからは、15-40分間隔で走る函館帝産の空港シャトルバスと同じく空港に向かう函館バス96系統の両方が停車する。Webチェックインは済ませてはいるけれど、15:20発の成田行きに乗るには、常識的に遅くとも60分前には空港に着いておきたい。函館空港はその施設規模のわりにB777やB767も飛ぶので、運が悪いと保安検査に時間がかかるのだ。
逆算すれば、競輪場前14:08分発で空港着14:20ののシャトルバス、市バスなら13:32分発の市バス96系統に乗ることになる。函館バスは96系統空港行きは1日5便しか走っていない上、シャトルバスとは違い団地の中をうねうね走ったりもするので所要時間がやや長く、空港到着は13:55だ。
ただ、私には函館にまだ少し心残りがあった。24時間でこれだけ活動すれば十分ではあるけれど、一部の人には函館の聖地とも言えるこの場所が、函館少年刑務所と函館空港の間にあるのだ。その名はコーヒールームきくちと言う。
21.コーヒールームきくちでソフトクリームを食べる。
普通の人が見れば、函館郊外のただの喫茶店に過ぎないこの店は、あの水曜どうでしょうの名企画「対決列島」の初戦、ソフトクリーム対決の舞台となった、少数の特殊な嗜好の人には極めて有名な場所なのだ。私はまだここのソフトクリームを食べたことがない。
この店は今ひとつロケーションが悪い。市電の場合終点の湯の川駅から10分程歩くことになるし、空港行きのシャトルバスはここを通らない。唯一、市バスの96系統だけが店の目の前にある「根崎競技場」バス停を通るが、先に書いたように、便数は僅か1日5本だ。私は当初函館空港から約30分歩くことをも可能性として想定していた。
しかし、函館少年刑務所、競輪場通りからだと、ここで8分の乗り継ぎで空港に向かうルートがあった。
・函館バス、6系統、日吉営業所前行き。
競輪場前13:23発。→ 根崎競技場下車、13:33。
・函館バス、96系統、函館空港行き。
根崎競技場13:41発、→ 函館空港着、13:55。
僅か1日5本のバスが起こす、8分間の奇跡!
時刻表通りにバスが走ったとして乗り継ぎ6分。バス停は店の目の前にあるので、8分あればソフトクリーム一つくらいは食べることができる。勝負は可能だ。
よおし、定刻にやってきた6系統に乗車!
根崎競技場、ほぼ定刻着。
ダッシュできくちへ。ソフトクリームは歩道脇の窓口で買える。
焦りすぎて、ソフトクリームを落としかけ、あわててかじる.ジェラード系のお味だ。
ソフトクリームを食べつつ、魔神とミスターが待っていた川沿いの緑地に歩く。
これがいったい何のことなのか、どういう意義があるか分からない人は、そのままで良い。きっと、まともで充実した人生を送っているのだと思う。函館バスの乗り継ぎできくちに行けると大喜びした人は、少し人生を見直しても良いかもしれない。
私が少し前「どうでしょう農園」の2017年の様子をこっそりアップしたとき、特定の一部の方々から熱いメッセージをいただいたが、そういう方々も、それなりの反省をして良いと思う。反省できない人は、窓口に貼られた写真を眺めてニヤニヤしていれば良い。私はそうした。
(ちなみにご質問の多かったどうでしょう農園の場所はここ。函館本線JRほしみ駅から歩いて行ける。番組では国道337号線を札幌方面から西に行き、手稲山口交差点を星見3-8方向に左折してアクセスしている。この道路は歩道などの状況が変化しているので、DVDをコマ送りして場所を確認する際には注意したい)
ちなみに、6系統と96系統のこの函館バスは一日乗車券も使えるし、更にはどちらも函館駅前が始発なので、別に競輪場前からの出発でなくとも、この「乗り継ぎ6分きくち経由空港行き」は可能だ。要は、バス停「根崎競技場」に13:30頃までに到着すれば良い。
きくちのソフトクリームは、かつて「函館といえばランキング」の10位になったこともあるらしい。藩士って時々すごい。
22.函館空港でも108円パスタを食べ、ラウンジで休憩する。
定刻よりほんの少し遅くやってきた96系統のバスに乗り、函館空港に向かう。
昼食が、せかされるように食べた寿司9貫とソフトクリームだけだったこともあり、多少お腹が空いているのだが、正直、函館空港にはあまり魅力的な飲食店がない。素直に書いてしまえば、商品がいまいちか価格設定がお高めかのどっちかだ。何か軽くお腹にいれたいなぁ、と歩いていたところ、こんなものを見つけた。
こ、これはっ!店名こそ「コンビニ・カペラ」とあるけれど、これはあの、「命のセコマブランド」の100円パスタではないかっ!よく分からないラーメンが900円のこの場所で、セイコーマート仕様の100円パスタは、私にとっては蜘蛛の糸だ。店員さんも親切で、ちゃんとレンジで温めて割り箸までつけて下さった。私、函館空港で人の情けを知りました。天気もいいし、飛行機を眺めながらいただきましょう!
昔はね、空港って「コストの数割は場所代」みたいな店しかなかったんだよ。最近でこそ、街の人気店や生活価格そのままの店が増えてきたけれど、「テンションの上がっている旅行者にやや割高な商品を提供しても良い場所」だと思っている店舗も少なくなかったんだよ。分かりやすく言えばぼったくり、だ。
それが今じゃ、名店のおいしい食事がいただけたり、空港従業員も通う安くておいしい店もできたり、そしてここじゃ108円パスタだよ。21世紀になり、LCCが飛び、時が流れ人も世も変わる。ふむ。
楽しいおやつのあとは、ラウンジで出発待ちなのだが、ここは写真を取り忘れてしまった。函館空港のラウンジは例の「無料自動販売機」スタイルで、窓もないしあまり居心地の良い場所じゃない。コーヒーを1杯いただいたらもう用はないけれど、他に居場所もないしなぁ、とメールチェックだけを済ませる。あ、コンセントは便利、は便利かな。ここ、カードがないと1000円だか1030円だかがかかるらしいのだが、108円でパスタを温めてくれた、コンビニ・カメラのお姉さんはどう思うだろう。
23.帰宅
バニラエアJW954便は、定刻の出発となった。
函館はさほど大きな街ではない。また、空港から市街地へのアクセスも悪くないので、身軽に動ける。1日1便、滞在24時間でもそれなりに楽しめるのが函館という街なんだな、というのが今回の印象だ。以前バイクでやって来たときも、郊外にはあまり足を伸ばさなかった記憶もあるし、駐車場代もそれなりにかかるし、レンタカーなしでも十分観光を楽しめるのが、函館のメリットでもある、とも思う。北海道でレンタカーなしでもあまり困らない空港って、そう多くない。
LCCの安いチケットで24時間函館を楽しむのは、悪くない気分転換お出かけだ。