世界、大人の社会科見学!

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国内旅行2

1泊2500円,内湯も食事もない温泉宿「客舎」

青森に温湯温泉(温湯温泉)という場所がある。

ここには以前から関心があった。
もちろん温泉も歴史が深く地元に密着したものだが、それ以上にこの温泉に残る「客舎」という形態の宿に興味があったのだ。

客舎では食事を提供しない。全て宿泊者が自炊する。
温湯温泉は昔からの湯治場であり、湯治宿で自炊は珍しくないが、ここの客舎には内湯がない。温泉を取り囲むように客舎が並び、「食事は自炊で、お湯は共同浴場で」というスタイルなのだ。日本の温泉地昔ほとんど全てが江戸時代まではこのスタイルだったらしい。宿の内湯が登場するのは、、あの草津でさえ明治期を待たなければならない。

ともあれ客舎には食事も風呂もない。
そしてもちろん、その分宿泊料金が安い。日本にはまだ僅かにこういう形態の温泉地が残っているらしいが、私にとってこの内湯のない温泉宿は、温湯温泉が初めての体験だった。

温湯温泉に実際に到着してみると、「いったい観光客がどれだけ来るのか?」と思わせるような場所で大変期待通りだ。

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この温湯温泉は400年の歴史を持つ100%源泉掛け流しの温泉だ。
共同浴場は鶴の湯という。
なかなか立派な建物だが、観光客を呼ぶために必須と言われる露天風呂もない。湯船は1個所だけだ。ちなみに入浴料金は180円。家で風呂を沸かすより安上がりらしく地元の人が入れ替わりやってくる。

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この鶴の湯を取り囲むのが温泉客舎だ。狭い温泉街なのでどの宿からも1分以内に鶴の湯に着く。

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どの客舎に泊まってもそれほど値段に違いはないらしいが、私は盛萬客舎という宿に声をかけてみた。空室あり。というより、ほとんど空室のように思う。

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1泊2500円。
入浴券2枚がついてくる。食事は出ないが、冷蔵庫や台所、食器は自由に使って良いとのこと。布団を持ち込むなどすればもっと安くなるらしいが、私には十分な値段だ。玄関横の10畳間があてがわれ、女将さんがそこにお茶のセットやテレビを運んできてくれる。ちなみに2500円は私ひとり一部屋で泊まった宿泊費だ。

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なんだかとてもいい。

明治・大正の建物であるためどうしても老朽化してはいるが、きちんと掃除がされていて不潔感はない。むしろこういう環境を好む人は「風情がある」と感じるかもしれない。

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お祭りのせいかのか、温泉街に食事のできる環境はなかった。
温泉街を出てトンネルを抜けた場所にコンビニがあったが、品揃えが今ひとつなので黒石の街まで走りスーパーでお総菜を買う。なぜか街で食事を済ませる気がしない。あの部屋でお総菜を食べたい。

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この湯治宿は本物だ。
少なくとも観光客が押しかけるような宿ではないし、間違ってもツアーなどに使われることはないだろう。ここに泊まるのは個人旅行者の特権だ。青森に泊まる人で交通手段を持つ人には、鼻息荒くお勧めしたい。と同時に、この魅力的な温泉客舎が客不足で宿をたたんでしまわないように心から願っている。

青森に泊まるなら、あと30分足を伸ばして温湯の温泉客舎できまりだ。

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