南九州近・現代史の痕跡を辿る1泊2日の旅 9<br>ホテル・旅館ランキング全国2位の民宿真美港に泊まってみたが「なるほどこれは人気になるわい」と納得した件、あ、せっかくなので何かと話題の阿久根市役所も見てきたぞ
海軍航空隊出水基地跡を見て、この日の観光は終了。
と思ったのだが、ここから宿に向かう途中に何かと話題の阿久根市がある。別に市長さんに会えるわけではないがなんとなく素通りするのはもったいない気がした。出水市から宿のある薩摩川内まで、ナビは「山側の道が近いぞぉ!」と訴えるのだが、敢えて少しだけ遠回りになる阿久根市役所経由の国道3号線を選んでみた。海沿いの道も気持ちよさそうだし。
阿久根市役所。
ここで起きているいざこざについて、100%正真正銘通りすがりの私が意見できるようなことはなにもないが、敢えて書けば「自分の住んでいる街で同じようなことがあったらやっぱり嫌だ」くらいだ。
ロビーでも覗けないかと入り口に向かう。日曜の夕方5時もとうに過ぎた時間、さすがに鍵がかかっている。なんだぁと帰ろうとしたら入り口横に習字の作品が並んでいるのに気が付いた。
阿久根市役所に限ったことではないのだろうが、こどもにこういうものを書かせるのって、気持ち悪い…
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海軍航空隊出水基地跡を見て、この日の観光は終了。
と思ったのだが、ここから宿に向かう途中に何かと話題の阿久根市がある。別に市長さんに会えるわけではないがなんとなく素通りするのはもったいない気がした。出水市から宿のある薩摩川内まで、ナビは「山側の道が近いぞぉ!」と訴えるのだが、敢えて少しだけ遠回りになる阿久根市役所経由の国道3号線を選んでみた。海沿いの道も気持ちよさそうだし。
阿久根市役所。
ここで起きているいざこざについて、100%正真正銘通りすがりの私が意見するようなことはなにもないが、敢えて書けば「自分の住んでいる街で同じようなことがあったらやっぱり嫌だ」くらいだ。
ロビーでも覗けないかと入り口に向かう。
日曜の夕方5時もとうに過ぎた時間、さすがに鍵がかかっている。なんだぁと帰ろうとしたら入り口横に習字の作品が並んでいるのに気が付いた。
阿久根市役所に限ったことではないのだろうが、こどもにこういうものを書かせるのって、気持ち悪い。
市役所近くにあった5階建てのビジネスホテル。
シングル4725円、和室をひとりで使っても4725円、サウナ付き大浴場ありでネット接続無料と結構悪くないのところなのだが、ホテル名のフォントに多少の違和感を覚えないでもない。
そういえばここに来る途中出水市にはこんな宿があった。国道3号線沿いだ。
日本には旅館とかホテルなど便利な言葉もあるのに、敢えて「宿泊センター」と名乗っているのがなんとも個性的だ。看板を見る限り内部にはビジネスホテルと宿泊センターのふたつが同居しているようで、ホテル内部の画像は発見できたが宿泊センターのそれはどうしても見つからなかった。海沿いで景色も良さそうだし、1泊2800円なら機会があればぜひ泊まってみたいとも思う。
国道3号線は鹿児島県の西海岸を走る。日が暮れてきた。
夜7時前、薩摩川内市民宿真美港到着。
この宿はすごい。
2階建てで全17室民宿なのに、宿泊客の評価によるホテル・旅館ランキングで、全国のホテルや旅館・民宿の全ての中で全国2位になっている。実はここに泊まることも今回の旅行の大きな目的の一つだったのだ。
今回私に与えられた部屋。
ちなみにテレビの右側にあるのはLANコネクタ、壁に掛けられているのはLANケーブルだったりする。
お風呂をいただき食堂へ。
これ、私ひとり分の夕飯ですから。
これ、私ひとり分の芋焼酎ですから。
料理もお酒も大変においしい。
まず鯖の刺身がおいしい。身が引き締まっていて味も深い。
酢など使わずにそのままの刺身。関鯖に似た味わいだ。おいしさに感動していたら、ご主人がやってきてご自分の刺身を半分わけてくれた。この鯖はこのやたらと人の良いご主人が海で捕ってきた物なのだ。
鍋の具材は、アラ(クエ)、黒鯛、牡蠣、野菜、うどん。
ご主人、いいことを教えてあげます。
これ私の住んでいるあたりでは一人前っていいませんから。
ご指導に従いまずは黒鯛の頭を鍋に投入し、しかる後アラや黒鯛を適宜投入して食べる。おいしい。貧しい食生活しか知らない私は、アラの鍋をこの年にして産まれて初めて食べた。世の中おいしい物がいっぱいあるんだなぁ。ちなみにアラは相撲の九州場所開催期間中は値段が跳ね上がるのだそうだ。
この民宿真美港、ひとりで泊まっても1泊2食で5000円しかも正統派芋焼酎飲み放題だ。
誰もが思うことだろうが、私もご主人に尋ねた。
「この料金で本当にいいんですか?」
「だってこの魚みんな俺が捕ってきたのだし、米も作ってるし、この焼酎(本当に旨いのだこれ)高いもんじゃないし、鍋の具材の容器100円均一のだし。」
商売ってそういうもんじゃないと思う。
真美港の夕飯はその日によって違う。一番多いのは黒豚の蒸し鍋なのだそうだが、宿の口コミを見るとこれも評判が高い。とにかく宿泊客を満足させようと食事を用意してくれていることがよく分かる。
またご自分の刺身を半分分けてくれたことでも(どんな理由だ)わかるが、ご主人の人柄がとても良い。更にはご家族の人柄もご主人に負けず劣らず良い。
ご主人は米と魚をおいしそうに食べて飲んでいると、本当にうれしそうな顔で笑う。よほど飢えて見えたのだろう、奥様はお手製のおでんを追加で持ってきて下さった。(いやお腹は十分満たされているのです。)
更にはこの宿のおばあさまなのだろうか、私が季節にそぐわない短パンとTシャツに軽い上着で歩いていたら「寝間着ないのかい?」と心配してくださった。あれは絶対「ない」と答えたら何か貸してくれた。
ごはんはおいしいし、ご家族の人柄も良いし、申し訳ないくらい安い。
ランキング全国2位も納得だ。
ふくらんだお腹にとどめを刺す形で締めの雑炊。
ひとり旅なのに、なぜか宴会をしてしまった薩摩川内の夜だった。
翌朝の朝食。
ごはん、みそ汁、焼き魚、卵焼き、漬け物。
更には「よかったらどうぞ」とカウンターの料理も勧められる。
この宿は500円のバイキングランチもやっている。これは多分準備しかけの料理なのだろうと思うのだが、遠慮なくいただいてしまう。ランチの人気メニューは魚アラ煮なのだそうだ。きっとおいしいんだろうなぁ。
鹿児島市内に泊まるのも良いが、車で1時間走った場所には人柄の良いご家族と破壊的に料理がおいしい宿がある。しかもひとりで泊まっても1泊2食5000円だ。民宿・真美港、鹿児島に行って泊まらなきゃもったいない。
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