世界、大人の社会科見学!

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国内旅行2

2011熊本1泊2日、ラーメンと産業遺産の旅6 「万田坑3 第2縦坑巻揚機室」

縦坑を昇降するケージ(エレベーター)は2台、つるべ状に吊られていた。

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25人の体重と重いケージを吊り上げたのは太さ41ミリのワイヤーと巻揚機だ。巻揚機は縦坑の上ではなく、坑道口横に建てられた巻揚機室内にある。重い巻揚機を坑道口上部に据え置く技術は、当時はなかったのだろう。

そしてこの巻揚機室と第二竪坑の櫓が、今万田坑の顔となっている。万田坑はその一般公開にあたり、1億4000万円をかけてこれらの建造物の補強工事を行った。この種の遺構は崩壊事故が一番怖い。入場料400円も安全に万田坑跡を見るための費用分担だと考えれば、大変に納得がいく。

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第2縦坑入坑口をしげしげと見た後、第2縦坑の巻揚機室内に突入する。

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ここには万田坑ファンクラブやスタッフの休憩所もあって、何か分からないことや困ったことがあったらここに来ると良い。もっとも場内のあちこちにスタッフはいるので、人がいなくて困ることはないとは思…


 

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縦坑を昇降するケージ(エレベーター)は2台、つるべ状に吊られていた。

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25人の体重と重いケージを吊り上げたのは太さ41ミリのワイヤーと巻揚機だ。巻揚機は縦坑の上ではなく、坑道口横に建てられた巻揚機室内にある。重い巻揚機を坑道口上部に据え置く技術は、当時はなかったのだろう。

そしてこの巻揚機室と第二竪坑の櫓が、今万田坑の顔となっている。万田坑はその一般公開にあたり、1億4000万円をかけてこれらの建造物の補強工事を行った。この種の遺構は崩壊事故が一番怖い。入場料400円も安全に万田坑跡を見るための費用分担だと考えれば、大変に納得がいく。

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第2縦坑入坑口をしげしげと見た後、第2縦坑の巻揚機室内に突入する。

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ここには万田坑ファンクラブやスタッフの休憩所もあって、何か分からないことや困ったことがあったらここに来ると良い。もっとも場内のあちこちにスタッフはいるので、人がいなくて困ることはないとは思うが。

入り口にヘルメットがある。

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半年ほど前、私は台湾・金門島の翟山坑道で、見学者の中ででただ一人、工事関係者用と思われるヘルメットを被ってうれしそうに坑道内を歩き回った。この悪夢が脳裏をよぎるが、ここでは観光客もヘルメットを被らなくてはならない。階段などの幅が狭い上いろいろな機械が置いてあるので、移動時に頭を打つ可能性が本気で高いのだ。

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300hp人車巻揚機。「届出認可速度270m/min」。をい、1分で坑道最下部につくのかよ!

一応戦後高度成長期に建てられた東京タワーですら、地上150mの一般展望台までのエレベーターは1分かけて昇っていた。それが改修が終わり45秒に短縮されたのが2007年。21世紀の東京タワーですら150mに1分かけたのに、ここ万田坑のケージはそのほぼ倍の速度で昇降していたらしい。

その運転席。

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いろいろと細かな規定が掲示されている。2台で50人を秒速270メートルで昇降させる運転手なのだから、これはもう当然だ。しかも運転席からは坑道入口の様子は見えない。信号所とのやりとりだけでこの深い穴に降りるケージを操作するのだ。ちなみに運転席からの視野はこんな感じだ。

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基本巻揚機とワイヤーしか見えませんから。

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ちなににこの巻揚機のハンドブレーキは、どうも木製だったっぽい。消耗も速かっただろうが、これがどの程度減るかで運転手の技量も分かっただろうとも思う。

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命の綱の信号機。

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まぁ実際には電話機もつながっているのだが、最も迅速に状況を伝えるのがこの信号機だ。じろじろ物欲しそうに眺めていたら、スタッフの方が音を出してくれた。うれしいじゃありませんか。

どう見ても平成9年まで現役だったという気はしないが、メンテナンスのためにわざわざ新しい昇降機を作ることもできなかったのだろう。正直「一度乗ってみたなったなぁ」と思う。部外者など絶対載せなかっただろうけれど。

そして驚くべきことに、巻揚機による昇降機の運転は、万田坑に電気がやってくる以前から行われていたらしいのだ。

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