世界、大人の社会科見学!

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国内旅行2

2011熊本1泊2日、ラーメンと産業遺産の旅11「筑後川昇開橋」

 
大牟田石炭産業博物館を見学したあと、私には二つの選択肢があった。公開はされていないが三井三池炭鉱宮原坑跡を見学するか、福岡県大川市と佐賀県佐賀市に跨る筑後川昇開橋に向かうかだ。

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公開されていないとはいえ、囚人労働の痕跡を残す宮原坑も見ておきたい。しかし筑後川昇開橋が「昇開」する時間は1時間に1回、最終時刻が夕方5時頃だったはずだ。地図で見る限り大牟田と佐賀県境はそれほど離れてはいないが、見知らぬ土地で移動時間が読み切れない。宮原坑跡は見たいが昇開の最終時刻に遅れると、また明日出直すことになってしまう。

さてどうしたものだろうと迷っていたら、大牟田石炭産業博物館からさほど走らないうちに「有明沿岸道路」なる標識が見えた。自動車専用道路だ。

レンタカーのナビには何も表示されないところから、そこそこ新しい道路のようだ。これに乗ってしまえば有明海東側を効率的に北上できるような気がする。方向的には大川市に向かうはずだ。3秒ほど迷ってえいやと乗り込む。


大きな地図で見る

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おおお、快適だ。しかもどうやら一般道のバイパス扱いのようで料金は無料。無料はとても安い。まだ工事中で全線開業はしておらず、時折一般道に降りることになるがそれでも速い。なんだかんだで1時間もかからず大川市に到着してしまった。こんなに早く着くなら宮原坑跡を…、いやいや、この種の欲は得てして旅行を失敗させる。これでいいのだ。

筑後川昇開橋は通称で、正式には「筑後若津橋梁」と呼ばれたこの橋は、廃線となった国鉄佐賀線の鉄橋で、橋の一部が垂直に昇降し、大きな船舶の通行を可能にしていた。この種の橋としては現存する最古のもの…

---------------(全文はここから)

大牟田石炭産業博物館を見学したあと、私には二つの選択肢があった。公開はされていないが三井三池炭鉱宮原坑跡を見学するか、福岡県大川市と佐賀県佐賀市に跨る筑後川昇開橋に向かうかだ。

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公開されていないとはいえ、囚人労働の痕跡を残す宮原坑も見ておきたい。しかし筑後川昇開橋が「昇開」する時間は1時間に1回、最終時刻が夕方5時頃だったはずだ。地図で見る限り大牟田と佐賀県境はそれほど離れてはいないが、見知らぬ土地で移動時間が読み切れない。宮原坑跡は見たいが昇開の最終時刻に遅れると、また明日出直すことになってしまう。

さてどうしたものだろうと迷っていたら、大牟田石炭産業博物館からさほど走らないうちに「有明沿岸道路」なる標識が見えた。自動車専用道路だ。

レンタカーのナビには何も表示されないところから、そこそこ新しい道路のようだ。これに乗ってしまえば有明海東側を効率的に北上できるような気がする。方向的には大川市に向かうはずだ。3秒ほど迷ってえいやと乗り込む。


大きな地図で見る

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おおお、快適だ。しかもどうやら一般道のバイパス扱いのようで料金は無料。無料はとても安い。まだ工事中で全線開業はしておらず、時折一般道に降りることになるがそれでも速い。なんだかんだで1時間もかからず大川市に到着してしまった。こんなに早く着くなら宮原坑跡を…、いやいや、この種の欲は得てして旅行を失敗させる。これでいいのだ。

筑後川昇開橋は通称で、正式には「筑後若津橋梁」と呼ばれたこの橋は、廃線となった国鉄佐賀線の鉄橋で、橋の一部が垂直に昇降し、大きな船舶の通行を可能にしていた。この種の橋としては現存する最古のものだ。以下例によって日本語版wikipediaより引用してみる。

「筑後川昇開橋は、国鉄佐賀線の鉄道橋梁として建設され、1935年(昭和10年)竣工、同年5月25日に開業した。舟運との共存のため、橋の一部が可動式となっている可動橋には旋回橋、跳開橋(跳ね橋)、昇開橋などがあるが、本橋は橋桁の一部が垂直方向に上下する昇開橋として日本に現存する最古のものである。橋の全長は507.2メートル、可動部分の長さは24.2メートル、昇降差は23メートルである。本橋の設計施行に中心的役割を果たしたのは、鉄道技師の釘宮磐(鉄道省熊本建設事務所長)であった。昇開橋の仕組みそのものは、坂本種芳が考えた。竣工当時は「東洋一の可動式鉄橋」と呼ばれた。また、この筑後川昇開橋の構造を解説するために精巧な模型が交通博物館(閉館)及び鉄道博物館(埼玉県さいたま市)で展示されている。ちなみに、昇開橋の精巧模型は1937年にフランス・パリで行われたパリ万博に出展されたものである。
建設するにあたっては、位置的に筑後川の河口付近で、有明海の潮の干満の影響も直に受ける地理的条件があり、しかも、付近には港もあり、建設当時は船が主要交通機関であったため、大型船の往来も激しかった。通常の橋だと干満の影響で船が通れなくなってしまう可能性があったため、中央部の橋が稼動して船が通れる構造になった。」

http://bit.ly/h36J4z

筑後川昇開橋を目指すには、昇開橋温泉という施設を目標にするとわかりやすい。細い道が多い昇開橋界隈だが何カ所かに温泉への案内看板があるし、温泉のある大川市側には「とるぱ」と称する県営の無料駐車場もある。(温泉の駐車場とは別なので注意が必要。また佐賀市側にも駐車場があるらしいのだが確認はしていない。)

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県営駐車場から昇開橋に向かう。向かうと言ってもものの数十秒だ。

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国鉄佐賀線が走っていた頃、ここには筑後若津という駅があった。昇開橋の大川市側にはその跡地に駅のモニュメントがあるが、こんな洒落た駅舎ではなかったはずだ。

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福岡県大川市から筑後川昇開橋に入る。

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橋とは言ってもここは自転車も通ることはできない。1987年の佐賀線廃線後当時の建設省から撤去勧告がなされたものを地元の有志が存続活動を行い、1996年に遊歩道として復活させたものなので、歩行者しか通行できない。

上の写真にあるように、通行できる時間も朝の9時から夕方の5時に限られ、しかも1時間に30分間は昇降部が上がっていて対岸まで行くこともできない。上昇開始時刻が朝9時から午後4時までの各35分、降下時刻が毎正時。これを見逃す手はない。多少時間に余裕があったのにもかかわらず私が筑後川昇開橋に向かったのには、こういう理由があったのだ。

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橋の入り口にあった予定表では、この昇降部分が次に上昇するのはあと数十分後だが、ここはひとつそれまでこのあたりをじろじろ見ておきたい。と、写真を撮っていたら、係員が佐賀側から歩いてくる人たちに声をかけた。

「おーい、そろそろ橋を上げますよ~!」

え?

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予定時刻はまだまだなのに、本当に橋が上がってしまった。

「いやね、向こう側の駐車場にバスが停まったのが見えたからね、待ってたのよ」

係員の方は極めて大らかだ。どうも団体さんが来たから、という理由で橋を上げて見せてくれたらしい。本来なら30分間は上がりっぱなしのはずの橋は、上部に留まることもなくまた降りてきた。

驚いて質問をしてみる。

「予定時間以外に橋が昇降することもあるんですか?」

「いえね、ここ上げっぱなしだと人通れないし、こどもやお年寄りなんかそんなに長く待ってられないし、それに休日は見に来る人も多いから、結構上げ下げしてるんですよ」

筑後川昇開橋は、結構緩かった。

国鉄時代の昇開橋は重要な施設だった。国の発展に鉄道が大きく寄与した日本では、こういう鉄橋も必要だったのだろう。跳ね上げ式に比べ、機構的にも安定していたんだろうなぁ、とも思う。橋の昇降を操作する機械室前には、現役時代の写真が展示されていた。

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どうやら休日は頻繁に昇降するらしいことを知ったので、もう少し粘ってみる。と、10分そこそこでまた橋が上がり始めた。

なんかいい。現役でかつ日常的に昇降する可動橋なんて、日本に他にはないのではないだろうか。

こんなに頻繁に昇降するのなら全景も動画で撮影してやろうと、土手に向かう。川から見た筑後川昇開橋は、信号機が設置してあったり昇降の度にサイレンをならしたりと、なかなか堂々として見える。

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多分日本で唯一の現役可動橋である筑後川昇開橋。訪問するなら絶対に休日だ。でもここのことだから、もしかしたら平日でも「お願い、橋を動かして」と頼めば、むげには断らないような気もする。こどもやお年寄りを待たせたくなくて上げ下げしちゃう橋だもん。

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