旅のリアルタイムメモ イスタンブールでぼったくりハマムを素通りした件
毎日イスタンブールの街を歩いている。今日で5日目だ。
日中は30度を超える気温だけれど、湿度が低いのであまり暑苦しくはない。日陰でちょっと休めばすぐに歩き始めることができる。イスタンブールは地中海性気候と海洋性気候、更には大陸性気候が交錯している特殊な地域で、夏はそこそこ蒸し暑いと思っていたのだが、そうでもないな。若い頃は代謝も激しい上にエアコンもないドミに泊まったりしていたから、暑く感じたんだろうか。とにかく「夏のお散歩日和」が続いていて気持ちいい。
街を歩いているとこんな店があった。
おお、確かここは無料の市内地図にも描いてあったハマムだな。"Historical Hamam" とかなんとか、とにかく他の観光ポイントと同じウェイトで描かれていたやつだ。どれどれ、と受付をのぞく。
「あの、おいくらですか?」
「マッサージなしの入場だけなら20ユーロです」
あのなぁ、いくら歴史のある建物だからと言って、たかだかハマムに20ユーロはないだろ!
最後にハマムに入ったのは一昨年のダマスカスだ。あそこだって15世紀の、しかも未だに古くさいいい味を出しているハマムなのにも関わらず、垢すりだかマッサージだかよく分からないいい加減なサービスを受けても3ドルしなかった。いくらイスタンブールの物価が高いからと言って20ユーロ/25ドルはない。このハマムは直ちに「観光客向けぼったくり施設」と認定された。中はこんな感じらしい。
じゃぁ観光客ぼったくり施設じゃないハマムはあるのかというと、これがある。ちょっと観光客の少ないエリアにもハマムはあって、垢すりなしだと15トルコリラ(6ユーロ)前後で使えるらしい。ゼイレク・ジャミー近くの妙に肉屋と肉料理屋が集まっているエリアでは、ジャミーへの道を尋ねた私に「ここではハマムを作りなおしているんだよ」と聞いてもいないことを一方的に教わったりしたものだ。そんなにうれしいんかい。
(実はここが観光ハマムか街ハマムか、どうしても思い出せない)
古いハマムの雰囲気は悪くないけれど、風呂的満足感は正直あまり感じない。日本のスーパー銭湯的感覚で言えば、「今ひとつ効きの悪いスチームサウナの中でみみっちぃ蛇口の前で体を擦る」あたりが正解だろう。のんびり体を擦ってロビーで1-2時間寛げば疲れた体が元気になるのも事実だが、私なんてかえって「あーぁ、やっぱりお湯に浸かりたいなぁ」的欲求が沸いてしまう。浴槽ってかpoolがある場所もあると聞いたことがあるけれど、私は当たったことがない。本当にあるのかな?オプションか何かじゃないのかな?
マッサージも、ハマムでは「やらないよりはまし」程度しか経験したことがない。イスタンブールでは人の集まる場所にマッサージチェアが置いてあることがあり、これが3分1トルコリラとイスタンブールにしては結構安い。私はこれで十分だ。
それでも500mlのミネラルウォーター2本分の値段であって、個人的には「すごく安い」訳ではないけれど。