2012黒海西側を行く23 あまりにも詰めの甘い、ブカレスト空港鉄道
ブカレストでネットを眺めていて、もうすぐラマダンが開けることを知った。
イスラム文化圏でラマダン明けの大祭をレバランといい、極めて重要な年中行事だ。当初はルーマニアの後ブルガリアに少し立ち寄ってからトルコに入る予定だったのだが、イスタンブールでレバランを迎えるのもいいな、という気がしてきた。ブルガリアは地味な落ち着いた東欧の小国家で、そういう雰囲気は今回ウクライナ、モルドバ、そしてルーマニアで十分に味わった。正直ブルガリアでは市場ででかいフォアグラを買って焼く、くらいの計画しかなかったこともある。ブルガリアはヨーロッパ第2のフォアグラ生産国で、市場で買えばパリ辺りに比べれば破格の値段で買えるのだが、私は殊更フォアグラ好きではない。
じゃぁいっそのことブカレストから出るイスタンブール行きの直通列車に乗ってしまえと思ったところ、TAROMルーマニア航空が列車とほとんど変わらない値段で航空券を売っていることを知ってしまった。もういいや、このチケット買っちゃえ!、である。
ブカレスト市内ノード駅からメインの空港であるアンリコアンダ国際空港までは約16km、40分から60分に1本のバスに乗っていくのが基本らしい。
しかしノード駅に "Airport Express" の文字があったのを、私は覚えていた。バスより少しだけお高いようれけれど、せっかく駅至近のホテルに泊まっているのにこれに乗らない手もない気がする。試しに駅に出発時間を尋ねてみたところ、あと10分程で出発するらしい。もういいや、この列車乗っちゃえ!である。
この「空港急行」は、ノード駅から空港駅までノンストップでブカレスト北部の郊外を走る。列車は2両編成と短いのに、がらがらだ。乗客は全部で20人もいない。ものすごく人気のない列車のようだ。 よく見ると窓ガラスにはあちこちにヒビが入っている。いたずらされることが多いためなのか、寒暖差の激しい気温のせいなのか、私にはわからない。
まぁ、速度こそ遅いがノンストップだし、居住性はそれなりに良いし、これで35分で空港駅までつくなら、この列車を使うことはありだ。
空港駅到着。
あの、空港ないんですけど。
まぁ、他の乗客が焦る様子を見せないので、ここに送迎バスが来るのだろうと考えたが、それはおおよそ正解だった。
正確に書けば、「IDすら持たないおっさんが運転するただのワゴン車」だったけれど。しかも「もうこの車は満員だから次を待て、すぐ戻ってくるから」とも言われたけれど。おま、仮にも列車の乗客を運搬しようって言うのにワゴン車、しかも1台での運用かい!!
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