2012黒海西側を行く27 イスタンブール、ゼイレク・モスク地区のヴァレンス水道橋と肉屋街
さて、先に紹介した「地下宮殿」ことバシリカ・シスタンの大水槽にどうやって水を引いたかというと、そこは東ローマ人が大変立派な水道を引いている。中でもベヤズット地区にはヴァレンス水道橋というそれは立派な水道橋も残っていたりする。地下宮殿から西に3キロ程の場所だ。
ヴァレンス水道橋はるコンスタンティノポリスを建設したコンスタンティヌス1世の時代に着工され、378年に完成した。このあたりには4世紀とかその頃の遺跡があたりまえのようにある。1500年以上前の水道橋、近くでじろじろと見てやろうじゃないか。
1600年以上の時を超えてしっかり残っているのもすごいけれど、そこが市民の憩いの場になっていることもすごい。ちなみにこの水道橋はオスマン帝国時代まで使われていて、最後の補修は1679年だったのだそうだ。
ちなみに上に書いたベヤズット地区という言い方は日本の有名ガイドブックにあったもので、世界遺産の「イスタンブル歴史地区」的には、「ゼイレク・モスク地区」となるらしい。もちろんその呼称の由来は、世界遺産であるところのゼイレクモスク(ゼイレック・ジャーミー)があることによる。ここはキリスト教の修道院がモスクに転用されたという、いかにもオスマントルコ的歴史をもつモスクなのだが、
鋭意補修中だった。ゼイレク地区の目玉が補修とはついてないけれど、木造部分なんかほぼ廃墟と化してるから、仕方ないよなぁ。
同じ世界遺産「イスタンブル歴史地区」でも、「遺跡公園地区」に比べて地味な感じの否めない「ゼイレク・モスク地区」だが、観光の中心地ではないため、生活感が強く漂う。ゼイレク・モスク(ゼイレック/ジャーミー)から水道橋に向かう途中には、なぜか肉屋が集中している地区がある。
どうしてこのエリアに肉屋が多いのか、聞いてくるのを忘れてしまったが、観光客が少なく生活感が漂っていて、なかなかよい。レストランも何軒かあってそれなりに繁盛していたから、きっと旨いんだろう。知っていたらここで食事をしたのになぁ、とちょっとだけ後悔した。ゼイレク・モスク地区にはランチを兼ねて行くのも悪くないと思う。