世界、大人の社会科見学!

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フィリピン

2015 マニラ社会科見学5 Smokey Tours のスラムツアーに参加し、トンドの"Aroma Temporary Housing"をじっくりと見学した件

 
今回の初フィリピン旅行で一番楽しみにしていたのが、このツアーに参加することだった。

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Smokey Tours
マニラで「スモーキー」となれば、多くの人が「マウンテン」という言葉を連想するだろう。マニラ・トンド地区にあるゴミ集積所でありスラム街であったスモーキーマウンテンはかつてフィリピンの貧困を象徴する場所だった。ゴミが自然発火して煙を上げていたため "Smokey" と呼ばれていたが、貧困の象徴として有名になりすぎたため1994年にはゴミの集積が禁止され、翌1995年には住民が強制退去させられている。えっと、この時代の動画は…、あったあった。

スモーキーツアーズでは、スモーキーマウンテン周辺のスラムを訪問する「スラムツアーを行っている。インドやブラジルなどでも最近ぽつぽつみかける「社会派ツアー」あるいは「貧困ツアー」のマニラ版と考えて良い。ただしスモーキーマウンテン自体は多少緑化された単なる丘にしか見えなくなっているし2014年に政府によって閉鎖されたため、ツアーのメインは周辺スラムの見学、ということになる。このツアーに参加することは、私にとって今回のフィリピン旅行のメインイベントだった。車内が、というより切符を買う列がただ事ではなく混んでいたMRTを乗りつぎ、ミーティングポイントである Line1の Tayuman 駅前のJolibeeに向かうと、ガイドのテスが待っていてくれた。

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このスラムツアーには厳格なカメラポリシーがある。曰く、"CAMERAS POLICY: Please note that we have a strict NO CAMERA policy on this tour. We try to be as less intrusive as possible and at the same time to minimize any discomfort our tours can cause to the locals. Please understand this and respect our policy." なのだが、テスに「あなたの写真を撮ってもいい?」と尋ねると大丈夫だとのこと。じゃぁ「じゃ、もうここからは写真を撮れないという場所に来たら教えてね」と確認し、ツアーに参加する他の5人と一緒にジープニーに乗り込む。

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ジープニーはTayuman駅から海のある東側に走りトンド地区に入る。川はゴミがいっぱい浮いているがこの程度なら東南アジアの他の国でも見ないではない光景だ。さほど危険な印象は受けない。ジープニーは5分も走らないで市場の前で止まった。ここで全員降りる。

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ここは Pritil Public Market という100年以上の歴史を持つ市場なのだそうだ。ふむふむ、と建物の写真を撮っていたらテスがにこりと笑って言う。

「じゃぁこの先はそのカメラを出さないでね

も、もうですか!

と、この後私たちは市場の中を見学し、その後市場周辺の「街」と「スラム」を見学し、その後トライシクルに乗り換え、ツアーの目玉とも言える Barangay 105 の "Aroma Temporary Housing" に入る。ここに入る前には近くの事務所に寄り、オレンジ色のポロシャツを着た「ローカルの警備員」が二人同行する。ここの中は警察もすぐには着てくれないため、ツアー客の安全を確保するために必要なのだそうだ。この辺りの様子は、Smokey Tours が動画をアップしているので、それを見るのが一番分かりやすいだろう。

マニラ・トンドの Barangay 105 にある "Tempo" と呼ばれる Aroma Temporary Housing は、スモーキーマウンテンの閉鎖後行き場所がなかった人たちを収容した「仮設」住宅で、1500世帯以上がここにある34の建物の中で暮らしている。私たち6人の外国人は、ガイドのテスと二人のガードマンに守られながらこの中を歩く。テスは顔見知りが多いらしくいろんな人に声をかけていて、ツアーに参加して歩く分には全く危険を感じないが、いかにも貴重品が入っていそうな鞄を持って一人で歩こうものなら、30%くらいの確率でひったくりに遭いそうな気がする。

ツアーは2時間30分程で費用は700ペソ。Smokey Toursでは収益の一部をLEDランプの貸し出しやトイレの整備などAromaの生活環境改善事業に使っている。700ペソは今回のフィリピン旅行ではホテル代を除いて最大の出費となったが、個人的にその価値はあったと思う。

特にBarangay 105 の "Aroma Temporary Housing"内部を見学できたことの価値は大きい。Pritil Public Market周辺ならば明るい時間帯に一人で歩くことも不可能ではないが、Aromaの中に入ることは昼間だって不可能だ。この国では個人が拳銃を持つこともできる。英語とタガログ語のガイドしかいない会社だが、利用価値は大きい。1回に5-6人しか参加できないツアーなので、関心のある人は早めに予約しておくのが良いだろう。一応見学ルートを地図で示しておくけれど、どうしてもAromaを個人で見たい人は、昼間乗り物に乗って大通りからちらりと眺める程度にするのが無難だと思う。

さて、1994年にスモーキーマウンテンが閉鎖されあとマニラのゴミがきれいに処分されるようになったのかというと、そんなことはない。ただゴミの行き場所が変わっただけだ。そのことをテスに尋ねると「それはケソンにあるパヤタスね」とすぐに答が返ってきた。そしてそのパヤタスへは、実に簡単に個人で行くことができる。

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