世界、大人の社会科見学!

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フィリピン

2015 マニラ社会科見学8 マニラ・トンドにあるフィリピン国鉄のターミナル、トゥトゥバン駅に行った件

 
マニラ・トンドと言えば世界有数の人口密集地帯であり、あのwikipediaにすら「貧困地域として世界的に有名であり、市内のスラムの多くがこの地区に存在する」と書かれてしまっている、あまり印象のよろしくないエリアだ。先に書いた Smokey Tours のスラムツアーでBarangay 105 の "Aroma Temporary Housing" に入ったときには、確かにここは旅行者が好奇心だけで立ち入ることができない場所だと肌で感じた。しかしいくらトンドと言えど「どこもかしこもものすごく危険」というわけでもない。旅行者として普通の警戒心と節度をもって行動すれば、明るい時間帯の一人歩きにさほど問題はないエリアだっていっぱいある。今回はそんなトンドにある国鉄のターミナル、トゥトゥバン駅からコミューターラインと呼ばれるフィリピン国鉄の近郊路線に乗ってみることにした。最寄り駅はLRT(MRT)1号線のバンバン駅で距離は1.2km、徒歩にして15分程度だ。

正確に書けばトンド区はバンバン駅から150m程西に歩いたあたりからということになる。表通りばかり歩いていても面白くないので少しジグザグに歩いてみたのだが、マニラの他の地域に比べ「極端に治安が良くない」という印象は受けない。

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(周辺住居のガスメーター)

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(タバコはばら売り、1本3ペソ≒8円)

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(ネット屋さん、10分5-6ペソが相場らしい)

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なんというか、やたら細い路地にでも入り込まない限りこの辺りは「東南アジアのよくある街」という感じだ。トンドと言ってもこの辺りは都心寄りの落ち着いたエリアなのかもしれない。実際あのスモーキーマウンテンはトンド区の北西端にあるし、バングレイ105は海よりの西端だ。のんびり散歩をしていると、トゥトゥバン駅が姿を見せる。(グーグルマップでは「タットゥバン駅」と表示される)

tutuban station 01.gif

その筋向かいにはトゥトゥバンセンターというショッピングモールがある。規模はさほど大きくはなくSMあたりとは売っている物や価格帯が全く違うが、それなりに小綺麗なところだ。中にはOrion Hotel なるホテルも入っていて1500ペソ位で泊まれるようだけれど、もし,私がマニラ市内に泊まるとしたらもっと安くて安心感の大きいエルミタのチューンホテルだな。

tutuban station 02.gif

個人的な印象なのだが、あまり治安が良くない街の安ホテルで室内のセーフティーボックスに貴重品を安心して入れておけるのはチューンホテル以外なかなか思いつかない。少し前にも書いたが、基本エアコンやテレビ、タオル等が別料金のチューンホテルも、マニラエリアでは、日本の予約サイトを通して予約すると全て込みの料金になっていてしかも公式サイトより安い、という現象が発生している。今見たらケソンシティのチューンホテルに至っては2000円台だ。いつまで続くかは分かないが、これを利用しない手はない。

ちなみに今回、私はセーフティーボックスの鍵を閉めないまま外出するという大失敗をやらかしたのだが、オルティガスのチューンホテルでは、ハウスキーピングが気を遣ってくれたのかルームメイクをしない状態のままで貴重品は全て無事だった。これでは私の中のチューンホテルズ信仰がより一層強い物になってしまうのは仕方がない。と、話がずれてしまったので、フィリピン国鉄のトゥトゥバン駅に話を戻そう。

tutuban station 023.gif

トゥトゥバン駅はフィリピン国鉄のマニラ中央駅だ。鉄道はここから南北に出発しているのだが、北線は1991年のピナツボ火山噴火で北部のほとんどが壊滅し、南線も2013年の台風でビコル半島の運行が停止という、大変お気の毒な状況と化している。はっきり言ってしまえば「近郊列車しか走っていない」に近い。そんな近郊列車に乗ってどこに行くのかと言えば、私には、① 5分だけ乗ってBlumentritt駅でLRTに乗り換える、② PNRのEDSA駅まで乗ってMRT LINE3のMagallanes駅に乗り換える(ホテルのあるオルティガスに帰りやすい上、始発でLINE1の乗り換え駅であるTaft Avenueの様に長時間並ばなくて済む) ③ 空港に近い Nichols駅まで行く、位の選択肢しか思いつかなかった。第2次世界大戦後に日本人捕虜収容所であったモンテンルパにも列車は走ってないではないのだが、早朝を除きほとんどの列車が手前の SUCAT駅までしか走っていない。空軍の博物館やカジノのある空港辺りにでも行ってみようかなぁ…。

tutuban station 04.gif

フィリピン国鉄のマニラ中央駅であるにも関わらず、切符売り場は1カ所、しかも窓口が二人だけという、かなり侘びしい状況ではあるが、その分スタッフは親切だ。空港に行きたいと言ったら「一番近いのはニコルス駅ですね」と教えてくれる。料金は15ペソ。電車はラッシュ時で30分毎、他の時間帯は1時間に1本くらいの頻度で走っている。少ないと言えば少ないが、切符もあまり並ばずに買えるしMRTと違って間違いなく乗れるメリットもある。

しかもフィリピン国鉄の電車や線路は老朽化が激しく、「レールの継ぎ目が肉眼でよく見える」、「枕木が埋もれてしまって役に立っていない」、「そのせいか、頻繁に脱線している」、「敷地には不法占拠者の住居が建てられている」、「その人達がバンブートロリーという人力のトロッコを勝手に走らせている」 などの愉快な話がたくさんある。

こんな面白い鉄道、乗らなきゃ損だ。


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