2015 マニラ社会科見学10 国鉄Nichols駅からフィリピン空軍博物館まで歩いてみた件
Nichols駅から南西に1.3km歩くと、そこにはフィリピン空軍博物館がある。
ここは良くある空軍と航空機の博物館だ。エアコンがあまり聞かない館内には、フィリピン空軍の歴史に関する展示と航空機が展示してあり、野外にはなぜか日本から販売された中古のYS-11などあるのだが、ものすごく飛行機が好きなマニアさん以外には特別な場所ではない。
ただ、ここには終戦後も29年間に渡ってフィリピン・ルバング島でゲリラ戦を続けていた小野田寛郎さんに関する小さな展示コーナーがあり、日本人にはそれなりに興味深い場所でもある。
終戦後も日本に帰国しなかった旧日本兵は結構いる。現地での生活を選んだ人やその土地の独立運動に参加した人もいれば、ジャングルなどに潜伏していた日本兵もいて、有名なのがこの小野田さんと1972年までグアム島に潜伏していた横井庄一さんだろう。
下士官(軍曹)だった横井さんとは違い、小野田さんは予備士官学校や陸軍中野学校二俣分校出身のばりばりの情報将校であり、終戦後もフィリピンで30名以上の軍人などを殺傷している。ずっと「戦闘」行為を継続していたわけだ。この辺りにはいろいろな話があり、一介の旅行者としては大変コメントしにくい。
そしてここにはその小野田さん直筆のフィリピン政府宛の手紙も展示してあり、手紙には「帰国在留中は 自己の判断の謝りに依って 三十年の長きにわたり 多大のご迷惑をお掛けしまして お詫びの申し上げようも御座いません。閣下のお赦しをお願ひ致す次第であります」の一文もある。
ここは日曜日や祝日は休館となる。土曜日も午後はやっていないらしい。野外の展示も含め30分もあれば全てを見られてしまう小さな博物館だが、もし開館日に近くを通るのなら、ちらっと眺めておいても損はないかもしれない。ちなみにここはあのレミントンホテルの筋向かい、リゾートワールドマニラから200m程の場所だ。タイミングさえあえばマニラのトランジットの時に訪問することも出来る。