2015恒例香港参り7 私の定点観測ポイント2 スターフェリー乗り場で法輪功と反対勢力が広報戦争をしている件
2016/07/28
香港に来たらスターフェリーに乗らないわけにはいかない。
これはもう私の中ではお約束になっている。ビクトリアピークに上らないことがあっても、男人街や女人街、廟街に行かないことがあっても、ショッピングモールに行かないことがあっても、スターフェリーに乗らないことはない。例え荃湾のパンダホテルに泊まっていようと、天水圍のハーバープラザに泊まっていようと、香港滞在中は絶対にご挨拶にうかがう。もう業だなとすら思わないでもないけれど、たったHK$2程度で船に乗れてそれが香港を象徴する歴史の深い乗り物なのだ。日本で遊覧船に乗れば2000円くらいはするし、地元の矢切の渡しだってあんなちっちゃな船で片道200円もする。こんな立派な船で香港の摩天楼群を海から眺めることができるんだから、乗らない手はないじゃないか!
で、このスターフェリーの尖沙咀側乗り場では、結構前から法輪功(か支援勢力)の人達が、中国政府の法輪功弾圧に抗議するパネル展示と宣伝紙の配布などを行っている。
法輪功とは中国の気功(あるいは気功集団)であり、中国メインランドでは1997年から禁教とされている。この辺にはお互い言い分があるようなのだが、過去中国政府も推奨していたこの気功集団が禁止とされたのが、1999年に法輪功学習者1万人が中南海に集団陳情を行ったため(中南海事件)、とも言われている。そりゃ大陸中国のお偉いさんも1万人に取り囲まれたらビビる。
しかし「禁止されたから辞める」なんてヤワな人たちが1万人も中国政府の中枢エリアに押しかけるわけがない。当然中国でもお上に逆らって活動を行い、中国政府は当然弾圧した。そして中国政府と法輪功の今に至る対立の図式が出来上がる。中国に返還された香港ではまだ合法のようで、こんな宣伝活動もできている。中にはかなり血なまぐさいパネルもあるのだが、ここにはその画像を載せにくい。
かなりの間、このスターフェリー前のエリアは法輪功側の宣伝だけが行われていたのだが、今年は反法輪功の勢力も宣伝活動を開始していた。もしかしたら私が気がつかなかっただけで、もっと前からあったのかも知れないな。
法輪功が「大陸中国政府の弾圧の酷さ」をアピールすれば、反法輪功側は法輪功の「邪教」ぶりをアピールする。尖沙咀のスターフェリー乗り場前はちょっとしたプロパガンダ戦争の場になっている。
一介の旅行者としては他国の政情に口を挟むことはあまりできないけれど、少なくとも各人が自分の考えを表だって発表できることは、まぁ、健全だとは思う。少なくとも表だっての言論の自由はある、ということだもんな。