旅のリアルタイムメモ 爆弾テロから10日後のバンコク・エラワン廟を見に行った件
2016/07/28
17日にバンコクで起きた爆弾テロは、容疑者が拘束されたようだ。
バンコクポストなどによると、最初に捕まったトルコのパスポートを持つ男性はバンコク東北郊外のノーンチョークの4階建てアパート、次に捕まったタイ人女性はミンブリのマイムナガーデンホームというアパートに潜伏していたらしい。それぞれの潜伏先とテロ現場を結ぶと、こんな感じになる。
こういうご時世だからなかなか本当のことはわからないけれど、この容疑者が20人の死者を出したテロの犯人ならば、ひとまず安心でもあり、報復合戦が少し心配、でもある。ともあれ、南の島からバンコクに戻ってきた私は、事件から20日経ったエラワン廟の様子を見に行った。
周囲にはたくさんの警官がいるが、特に立ち入りが禁止されているわけでもなく、荷物を調べられるわけでもない。ただ出入りする人の挙動にだけ注意を払っているという感じだ。中ではいつものように踊り子がブラフマンに踊りを捧げている。
ただご本尊のフラフマン(梵天)はと言うと、これが布で覆われていて姿を拝むことができない。爆風による傷がまだ補修されていないのかもしれない。ちなみにこの廟は2006年3月に異教徒によって破壊されるとう事件も起きている。この事件がタクシン失脚の引き金にもなっており、いろいろ因果が深い場所なのだ。
ここは仏教の寺ではない。仏教国のタイで仏様のいないヒンドゥー教の祠を拝むようになったのは土地神信仰によるもので、廟を管理しているのは土地のホテル経営者が設立した基金だ。基金を設立した理由が「ご寄進が集まりすぎるから」だというのも、ある意味すごい。廟の中には、今回の事件による犠牲者を悼むメッセージが掲げられている。
「四面仏(梵天・ブラフマン)管理委員会は、8月17日の爆弾事件による犠牲者・被害者とそのご家族に深い哀悼の意を表明します。委員会は彫像や周辺の復元し士気を高めたいと考えます。みなさんのご協力に感謝します」
タイではかなり有名なこのエラワン廟は、爆破事件の2日後、19日の午前中に再公開された。この種の事件としては異例の速さだ。廟のスタッフに「どこで爆発が起こったのですか?」と尋ねてみたところ「そこそこ、そこのベンチのところだよ!」と教えてくれる。この辺の感覚がいかにもタイらしい。
この場所は交差点の筋向いに伊勢丹もつながっているZENという巨大ショッピングモールがある。ここでは28日から「タイ・ジャパンエキスポ」が行われ、AKB48の無料ライブなども計画されていたのだが、すべて延期となった。エラワン廟には自由に入れるけれど、いつもなら人がたくさんいるZENの前は立ち入り禁止となっていて、中に入るのには荷物チェックがある。この時期ZENのみならずMKBなどの人気ショッピングモールでは荷物検査をするところが多かった。
私が現場を見ているうちに、誰かが事件の現場に花と蝋燭を供えていた。
人の苦しみや痛み、悲しみを思いやる心は、テロとは対極にある。
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