2015 アメリカ西海岸と国立公園ドライブ8 アンテロープキャニオンでガイドに言われるまま写真を撮りまくった件
2016/07/28
アンテロープキャニオンは、モニュメントバレーから約190km、車で2時間余りの距離にある。朝早い時間にホテルを出た私たちは午前中にはツアーの発着所に着いた。「アンテロープキャニオン、こうなったら今日中に見ておこう」という気持ちになる。もちろん「通好み」のロウワーではなく、アッパーアンテロープキャニオンだ。
今や絶景撮影ポイントとして人気が高いアンテロープキャニオンだが、ここに多くの人が訪れるようになったのは意外と最近で1990年代だ。もともとハイウェイから少し離れたナバホの土地にあるこの場所には、鉄砲水の危険もある水無川を通っていくため、現地のツアーに参加しなけれれば行くことができない。そのツアーが始まったのが1990年代ということなのだな。
空席のあったツアーまで2時間程あったので、宿に顔を出してランチを取ってからツアー出発ポイントに戻る。ここからは4WDのSUVなどに乗り換えることになるのだが、モニュメントバレーと違ってこの「道」はどう考えても旅行者が走れる場所じゃない。ま、入れないんですけど。この水無川は何十キロも上流に雨が降ると鉄砲水が襲うのだそうで、実際1997年には11人の観光客が亡くなっている。
SUVで10-15分ほど走ると、アッパーアンテロープキャニオンの入り口だ。
入り口でガイドが言う。
「カメラの設定についてアドバイスがある。ホワイトバランスを1あげておこう」
そう、ここは「自分の目にその光景を焼き付ける場所」というよりは、「めったやたらにきれいで迫力のある風景写真を撮ることができるポイント」なのだ。1990年代から観光客が増えたのも納得だ。素人でもフィルム代を気にしないで済むデジタルカメラが一般に普及したのが1990年代だもんな。
最近「風景の一部をカメラで切り取って、それをどぎついフィルターにかけたらやたら迫力が出た観光スポット」が妙に人気な気がするが、もしかしたらここはそのはしりなのかもしれない。ただここアンテロープキャニオンは、おかしなフィルタでどぎつい補正をしなくとも、ホワイトバランスを一つ上げただけでなんとも幻想的な写真を撮ることができる。写真撮影型格好スポットとしてはかなり良心的なほうだ。なんとなく釈然としなかった私は、ホワイトバランスをそのままにしたけれど。
とりあえず洞窟に入ってすぐの撮影ポイント。ガイドが「上を撮ってみろ」という。
まいった、確かにこれはすごい。
ツアーにはガイドツアーとガイドフォトツアーがある。何が違うのかというと現地滞在時間が1.5時間か2.5時間かの違いであって、どちらに参加しても写真撮影ができないということはない。あとはこの洞窟内部を知り尽くしたガイドの指示に従ってシャッターを切ればよい。
ホワイトバランスをあげていなくても、ガイドの指さす方向にシャッターを切るとこれだ。できるだけ中を歩く人物を一緒に撮ろうとしていたのは、私がみんなと同じ光と影の幻想空間写真を撮ることに少し抵抗があったからなのかもしれない。途中デジカメのバッテリーが切れたので、スマホに切り替えた。
こっちの写真も無考えにスマホで撮った割にはなかなか美しい。てか、さっきの写真だって1万円しないコンパクトデジカメで撮ったんだけれどね。
ただここアンテロープキャニオンの光景は「写真で見ると美しい」のであって、現地では写真ほどは美しさを感じなかったことも事実だ。
例えばグランドキャニオンやモニュメントバレーは、肉眼で眺めてもその美しさに息を飲みいつまでも見ていたいと思ったが、ここでそういう気持ちになることはなかった。
みんな肉眼で見る光景にはあまり反応せず、撮影したばかりの画像をモニタで見た時に歓声を上げている。ちょっと考えると不思議な光景だ。そして帰路の待合ポイントでスマホを手にfacebookやインスタグラムに今撮ったばかりの写真を投稿している。なんともネット時代を反映する観光地の光景だなぁ。
ま、私も投稿したんですけどね。
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