2016初めてのイラン4 成田→ドーハ/カタール航空QR807の「五つ星」ビジネスクラス
2016/08/22
私は基本エコノミークラスのユーザで、ビジネスクラスなんか滅多に利用しない。
たかだか3-4時間程度のフライトに割高なビジネスを使う気にもならないし、ビジネスを使いたい長距離路線で高くて私の財力では手が出ない、というのが正直なところで、マイルの特典や海外発券、他には「これはビジネスでもお買い得」と感じた場合しか手を出さない。今回の成田/ドーハ間限定オンラインアップグレードは、他社なら購入しなかったとも思うのだが、「空の五つ星」を自称するカタール航空の長距離路線ビジネスに興味があって、つい手を出してしまったのだ。
その前に両替だ。イランでは経済封鎖のためクレジットカードが使えない。懐かしのトラベラーズチェックは日本では2014年3月に終了しているし、イランでの旅行費用はドルかユーロの現金を用意する必要がある。手持ちのドルが十分ではなかった私は、ドーハでの両替レートが分からなかったので、かなり久しぶりに成田の両替店を利用してみた。
事前に調べた中ではここの「優遇レート」が一番安上がりだったし、カタール航空チェックインカウンターの横にも店舗がある。空港に複数店舗をもつこの両替店は、到着ロビーと出発ロビーでレートや手数料が違う、というような小細工がないのも気に入ったし、メールでネット予約なるものをしてみたら、粗品をくれるというのも気に入った。まぁ、ただのボールペンとビニール袋だったけれど。カタールリヤルもあるけれど、マイナーな通貨が成田で安かったためしがないので、当然スルー。
成田発最終便だったQR807便は、2タミの奥、83番ゲートから出発する。機材は777-200LR。正直羽田発なら787なのになぁ、と思わないでもない。
シートピッチは広い。2メートル近くある。が、斜め向きのヘリンボーンやその進化形である現在主流と化しつつあるスタッガードに比べると、見劣りはしないでもない。なんていうか「一昔前の結構良い目の長距離路線ビジネスクラス」って感じだ。
ちなみにヘリンボーンはこんな感じで、(ニュージーランド航空の777)
スタッガードはこんな感じで、(エティハド航空の330)
他には、床面積効率をかなり無視した、777や380でも横4列の非スタッガード/非ヘリンボーンの無双ビジネスなんてのもある。(シンガポール航空の新仕様777)
カタール航空777-200の座席配列は2-2-2なので、お隣を気にせずトイレに行ったり、お隣のトイレで起こされたりしないためには、中央2列の ”E”,"F" が良い。Seat Guru では、2,3,6列あたりが良いとされている。私は3Fを予約しておいた。
ウェルカムドリンクは「白かロゼ」。いや銘柄知りたいんですけど、と思いつつ日頃口にできないロゼをいただく。いや、最近じゃシャンパンなんで家じゃ飲まないな。飲んでもフルボトル1000円以下のカヴァだ。これを箱買いしているおかげで、シャンパンを店舗で買うという行為そのものに縁がなくなっている。
アメニティはよくあるオーバーナイトキット(アルマーニとか興味ないし使わない)の他にパジャマがある。CAさんがサイズを尋ねてくるので、ちょっと迷ってXLをお願いしてみた。「後方のお手洗いが広めなので、そちらで着替えてリラックスしてくださいね」とのことなのだが、私を含め着替えてる人は誰もいない。でも、このパジャマは旅行中「いざとなったら捨ててきてよいパジャマ」としてなかなか活躍することになった。
私がビジネスクラスのシートに期待することは居住性、もう少しわかりやすく書けば「ゆったり眠れるかどうか」だ。QR807便のビジネスクラスは一世代前のシートだけれども、他社の非スタッガード/ヘリンボーンに比べればかなりゆったりと眠ることができる。リクライニングが深いだけでなく、レッズレストとフットレストがお腹の位置まで上がってくるからだ。
この脚の上がり方が、そのあたりのライフラットとは違う。ちゃんと寝返りも打てるし横向きにもなれる。(貧相なリクライニングではこれはできない)。私はこのシートで結構ぐっすりと眠ることができた。中央列を確保して、トイレに行く隣席のお客さんに足を蹴られなかったのも大きかった。12時間の長距離路線、"B"とか”J”とかの通路側だったら。絶対起こされるか蹴られるに決まってる。
機内で一番大事なシートに関していえば、このオンラインアップグレードは、3万円のJALのプレエコや、8万円のニュージーランド航空のスカイカウチより、ずっと意義のある買い物だった気がする。