2016初めてのイラン24 ゾロアスター教徒の鳥葬場「沈黙の塔」に登った件
2017/04/09
バス停から沈黙の塔下までは約500m、舗装道路の横を歩く。
ここには二つの塔がある。一つは男性用、もう一つは女性と子ども用なのだそうだ。現在は使われていないのならいつまで使われていたのかと思うのは自然だが、日本語版wikipediaのゾロアスター教の項目には、「ダフメ(daχmah いわゆる「沈黙の塔」)による鳥葬は、1930年代にパフラヴィー朝のレザー・シャーにより禁止され、以後はイスラム教等と同様に土葬となった」とある。もう80年以上使われていないのだな。まずは、進行方向に向かって左側の、高い方の塔に上ろうじゃないか。
そんなに高い塔じゃなく、小さなお子さんも歩いて登っていく。有名ガイドブックには「高さ50mほど」とあったけれど、そんなに違和感はない。だらしない私の体でも10分程で登ることができる。頂上には門があり、その中に「直径10メートルぐらいの円形の壁で囲まれたシンプルなスペース(有名ガイドブック)」がある。遺骨を集める中央の穴にも触れなさいよ、だな。今は石しか見えないけれど。
ゾロアスター教徒の葬儀は、鳥葬か風葬が基本になるらしい。清浄な遺体が不浄にさらされないために、ということのようだ。ちなみに近世以前のゾロアスター教は、ここイラン(ササーン朝ペルシャ)で国教であった他、インド、パキスタンあたりに信徒が多かったようで、インド・ムンバイの沈黙の塔は現役で稼働している。
ただし、最近では遺体をついばむ猛禽類が減少したため遺体が長期間骨にならず、腐臭や伝染病の懸念などが広がるようになったため、オゾン発生装置や太陽光反射器を使うようになり、更にはリンや石灰も使うのだそうだ。ガンガでの木による火葬同様、裕福じゃなきゃできない葬送だな。
沈黙の塔は内部も興味深いけれど、ここからの眺めもなかなか良い。隣の塔はやや低いので斜め上方から見ることができるし、意外と近隣にまで広がる市街地にに映る塔の陰もなかなかよろしい。塔の下には当時の葬送施設なども残されている。
なかなかの絶景だと思う。
もしタクシーをチャーターして30分だけ待っていてもらったとしたら、高い方の塔に駆け足で上り、一息ついたら降りて「沈黙の塔、さようなら」ということになる。個人的な感想だけれど、これはあまりにもったいない。まだ帰りたくなかった私は、塔の上でゆっくり時間を過ごした後、隣の塔や周辺を歩き回ることにした。
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