世界、大人の社会科見学!

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イラン、カタール

2016初めてのイラン38 テヘランの旧アメリカ大使館を見に行った件

2016/08/22

 
 イランとアメリカの関係は、まぁ、あまりよろしくない。

19世紀に国交を結んだ両国の関係は長い間良好で、日本語版wikipediaには「イランとアメリカ合衆国は第二次世界大戦後の時代まで政治的・文化的な同盟国であり、この政治的同盟関係は1979年まで維持された」とある。1979年に何があったかというと、もちろんイスラム革命だ。

 イランイスラム革命でシャー(国王)が権力を失い亡命し、その後「癌治療のため」アメリカに入国した。新しく指導者となったホメイニ師は、アメリカを「『大悪魔』、『不信仰者の国』と痛罵した」とされる。日本語版wikipediaより引用

このことに反発したイスラム法学校の学生らがアメリカ大使館に抗議デモを行い、やがて大使館内に侵入、アメリカ人外交官など52人を人質に元国王の身柄引き渡しを要求するに至った。イランアメリカ大使館人質事件だ。その舞台が、ここ旧アメリカ大使館だ。

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もちろんアメリカは人質奪還を試みるが成功せず、人質は1981年まで解放されることはなかった。どこまで事実でどこからフィクションかは分らないが、この事件を題材にした映画に「アルゴ」がある。

その後イランとアメリカの関係はというと、テロ指定国家にしたりされたり、イラン航空機を撃墜したりされたり、経済制裁をしたりされたり、と、そんなによろしくはない。そんな背景もあって、旧アメリカ大使館を囲む塀には、なかなか興味深い絵が描かれている。

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大変に分かりやすい。

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まだまだあるぞ。文字によるメッセージだな。

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"Down with USA"、「アメリカをぶっつぶせ」。
イランとアメリカは、どうやら現在「同盟国」ではないようだ。

ちなみに現在、イランに入国歴のある日本人は、アメリカ入国時にビザ免除プログラムが適応されなくなっている。入国できなくなった訳ではないが、そのためにはビザを申請しなければならない。

詳しく書くと「日本を含むビザ免除プログラム参加国の国籍で2011年3月1日以降にイラン、イラク、スーダンまたはシリアに渡航または滞在したことがある者」が対象で、アメリカ入国時に行列しなくても良いパスポートを持っていた私は、「その決定を2016年の1月にするのもなんだかなぁ」と、思わないでもない。

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それはさておき、ここはいろいろデリケートな場所なのではないかと思うのだが、敷地内には入れないものの、壁の絵や建物を撮影していて特に問題は発生しなかった。が、こういうことは時期や状況にもよるし「撮影を咎められた」的話もないではないので、写真撮影には多少慎重であるべきかもしれない。

ちなみに場所は、市内中心に近い地下鉄ターレガーニ駅を降りてすぐ、アクセスは極めて良い。私の泊まっていた”Iran Central Hotel" こと ”Hotel Markazi”からだと地下鉄で2駅、歩いても19分、1.4kmの距離だ。

古い歴史を持つ遺跡ではないけれど、ここは現代史の重要な舞台だ。こういう場所を見学するのも、海外での社会科見学として、なかなか意義が深いのではないかと思う。

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