2016丹東18 路線バスの窓から、黄金秤の陸路中朝国境を見学した件
まずは、丹東市の南端僻地、「振興区」にある丹東港文化体育中心前から、国境添いを東港市まで行く濵海公路を歩き始める。体育館からそう遠くないところには「辺江漁村」という料理屋があるのだが、その入り口には、例の白と緑で書かれた「中朝辺境・温馨提示」の警告看板がある。国境はすぐそばなのだ。
地図によると、この料理店の裏手はもう黄金秤の北朝鮮領らしい。辺江の魚料理を食べるつもりはないが、とりあえず敷地におじゃましてみる。
店の裏手には2本の水路があり、おそらく二つ目の向こうが北朝鮮領の黄金秤だ。でも、これじゃよく見えない。更に詳しく地図を見ると、濵海公路が手前の細い川を跨いで北朝鮮と中国の間に水路がなくなる地点がある。多分今回の見所はここだ。そこまで歩こうじゃないか!
500mも歩かないうち、私はとても疲れた。
考えてみれば、昨日は虎山界隈の国道を数キロ歩き、更には怪しい裏山をトレッキングし、虎山長城のきつい傾斜をよじ登る半登山をしていた。どんなに気持ちが高揚していても、若くはない体は言うことを聞かない。バスに乗りたい。
少し歩くとバス停はあった。888番の丹東駅前から隣接する東港市まで行くバスのようで、ここ濵海公路を走る唯一のバスのようだ。脚と腰にかなりの苦痛を感じていた私は、20分ほど待ってバスに乗り込んだ。もう歩けないんだもん!
バズはありがたい。歩かなくても時速40kmはあろうかという速度で前に進む。私は北朝鮮との国境を探して車窓を眺め続ける。程なくバスの右手に水門のような物が見え、橋を渡る。どうやら今まで中朝を隔てていた川を渡ったようだ。この先、道の左側は即北朝鮮領黄金秤になるはずだ。
間違いない。黄金秤の陸路中朝国境だ。有刺鉄線の柵が中国側と北朝鮮側双方に立てられ、その間に幅1メートル程の緩衝地帯もある。地図によるとこの光景は2km少し続くようなんだけれど、足腰を痛めた私はいったいどこで降りれば良いのだろう?
北の農作業を見学している人がいるここか?
国境地帯への自覚を促す看板も華やかなここか?
多分公的な出入国ポイントのここか?
なんて迷っているうちに、また水路だし。
降りるタイミングを失った私は、結局終点の東港市中心部まで来てしまった。ちなみに運賃は4元だ。
しかたがないので、ごはんを食べて、
目に付いた推掌の治療院で足腰をもんでもらう。
帰路は大丈夫だ。こんどは一度通った道、右手の水路が見えなくなった後出入国施設のあたりでバスを降り、こんどこそゆっくり陸路国境を見学すれば良い。私は気持ちに余裕を持って丹東駅行き888バスに乗り込む。
お?
お?
おおお、お???
なんか来た道と違うし。国境見えないし!
楽しみにしていた国境を見ることなくバスは丹東駅前に着いた。この辺では隣接する2大都市になる丹東と東港の間には、この888番のバスが、シャトルバスのように走っている。私は体育館からこれに乗って、中朝国境を見ながら東港に着いたのだが、
どうやら、いくつかのルートがあるようだった。
私はもうへとへとのがっかりだ。
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