2016ソウルDMZ10, 都羅山安保ツアー③、都羅展望台
食事の後は、メインイベントが続く。まずは都羅展望台だ。
ここ都羅展望台は展望台の真下に非武装地帯の南端がある。なので北側がよく見えるが、カメラを使ってはいけない場所もあるなど、ルールも厳しい。この日は屋内の展望室は閉鎖されていて、左側の屋外展望台からの見学だ。というより、建物からは「最近は解放してないんでんすよ」的空気が濃く漂う。そんなに長い間いるわけじゃないし、寒い冬でもないし、ガラスがない方がよく見えていいんだけれどね。ということで、野外展望台へ。
ここには韓国軍の兵士が常駐していて、禁止エリアで写真を撮っていないかなどをチェックするのと同時に、訪問客に前方に広がる光景の説明もしてくれる。ガイド役の兵士は英語もうまい。
ここから北朝鮮・開城の工業地帯までは約7km。googlemapによると、歩くと1時間26分なのだそうだ。いや、歩けませんから。
7km先の工業地帯は、天気が良ければかなりよく見えるらしいのだが、あいにくこの日は雨が繰り返し降る悪天候で、北の様子はあまり見えない。北の国旗掲揚塔どころか、韓国側のそれすらかすれて見えたり見えなかったりする程だ。無念だ。
それでも雲の薄いときには、北の陣地や建物がちらりと見える。怪しく勇ましい音楽が流れてくるので、南北どちらのものか形態さんに尋ねてみたところ、やはり北の宣伝放送だった。こんな時代遅れなこと北しかやらないよなぁ、と思っていたのだが、実は南も休み休みだけれどやっていたらしい。放送中断は南北の合意に基づくらしいので、要は「どっちかがやっているときは、もう一方もやってる、でも休みもするけれど」くらいが正解らしい。
昔聞いたジョークにこんなのがあった。
「我が軍は、米半分、麦半分の食事を腹一杯食べてるぞ-!」
「いや、我が軍は、米7割、麦3割の飯を腹一杯食べてるぞ-!」
「なんだと!実は我が軍は、米10割の飯を腹一杯食べてるぞ-!」
「嘘をつけーー!!!!」
まだ米飯が割高だった時代のジョークだが、ものすごく昔のことではない。
ちなみに望遠鏡は1回500ウォンだ。晴れていたら数千ウォンくらいつぎ込んでしまいそうだ。
駐車場には売店があって、土産物を売っている。
統一村よりは「土産物」感が濃厚な物を多く売っている。そんな中、こんなのがあった。
「世界で一つしかないDMZ豆チョコレート、ここで買える」
「(英文)DMZでしか買えないチョコレート」
展望台に聞こえる北の宣伝放送と目の前に広がる軍事境界線、そして世界に一つしかないDMZチョコレート。往路の列車のちょっとちゃらい内装ともども、「安保『観光』ツアー」の微妙なバランス感覚を伝えてくれる。
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