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フランス 西ヨーロッパ

2016パリ6 1日1.7ユーロの貸自転車 "Velib" がただ事ではなく安上がりで便利だった件

2017/03/25

パリは狭い町だ。今回掘り出した13区のホテルは「なんとかパリ市内」という場所にあるけれど、それでもパンテオンまで3km、シテ島のノートルダム寺院までだって3.8kmの近さだ。市内の移動にはZONE1(市内)1区間1.9ユーロの地下鉄やバスを使うのも、あるいは10枚で14.5€の回数券「カルネ」を使うのもいいけれど、私はこれを使った。Velibだ。

Velibは2007年にそのサービスを開始した自転車貸出システムのことで、自転車を意味する ”vélo” と自由を意味する ”liberté” を組み合わせた造語らしい。本来の目的は市内の交通渋滞や車の違法駐車対策であり、「パリ市内300メートルごとに1800のステーションがあり、合計23600台の自転車が利用できる」とある。パリ市民を対象としたサービスなのだが、観光客も利用することができる。

登録料は1年間で29ユーロなのだが、7日間だと8ユーロ、そして1日だけだと1.7ユーロ。まぁ短期間が割高になるのは仕方がないが、それにしても安い。年間パスは公式サイトから申し込むのだが、7日/1日の場合は、スタンドにあるBornetという機械で登録をしそのまま借り出すことも可能だ。地下鉄やバスに1回乗る値段で24時間自転車に乗り放題なのだから、私のような貧乏旅行者にはありがたい。

まずは、スマホにVelibの公式アプリをインストール。これは市内でステーションを探すためにも絶対必要だ。私はandroidユーザなのでここ、iPhoneユーザはここからダウンロードできる。アカウントの状態から、近隣のステーションの位置が良くわかる。アプリなしで借り出すことも可能だけれど、後に述べる理由で「借り出したら30分以内に返却する」ことがとても重要になるので、ちょっとお勧めできない。

 

Velibで街中を走るときスマホを使うにはSIMが必要になる。今回私が使ったのはヨーロッパ33か国15日間1GBまで使える香港SIM。容量的には多少心もとないのだが、15日間EU圏内を移動するにはきわめて便利なSIMだ。メールやSNS、ちょっとした検索や地図の閲覧くらいなら、容量はたっぷりだと言える。動画やラジオはWifi環境下で鑑賞すればいい。ちなみにこの会社のSIMは中国本土でも金盾を飛び越しgoogleやLine、facebookをVPNなしで使えるので、かなり便利だ。

 

さて、VelibのBornetで1日レンタルの手続きをしてみよう。スマホアプリでも可能なのだけど、Bornetで行った方が時間の無駄がないし、困ったときには音声でも対応してくれる。

ありがたいことに、メニューには日本語もある。

 

自転車を借り出すには、ICチップと暗証番号つきのクレジットカードが必須だ。今日日のカードは大抵ICチップがついているとは思うけれど、一応確認しておいた方が良い。カードを認証する際に150ユーロのデポジットが要求されるが、これはちゃんと自転車を返せば課金されることはない。盗難対策だな。

 

自転車を借り出すことが可能になったら、まずステーションにある自転車の中からコンディションのよさそう物を選ぶ。中には空気が十分でないものや、ハンドルががたつくものもあるのだ。借り出す自転車を決定してから手続きをした方がよい。

サドルの高さは下の大きなレバーで自由に調節できる。もし、サドルが逆方向を向いていたら、それは故障のサインだ。万一故障した自転車を借り出してしまったら、サドルの向きを逆にしてそのまま返却してしまおう。

 

パリの街を自転車で走る。日本ではバイクにばっかり乗っているけれど、なかなか快適だ。日本と違い「絶対に」車道を走る必要があること、自転車専用の信号や標識があること、一緒に車道を走る車の運転が荒いことには十分注意をしたいが、それを考慮してもこれはいい。気分爽快だ。かごもあって小さな鞄くらい入れることができる。ハンドルにひっかけてるのはひったくり防止のためだ。

 

ただ、このVelib、乗り出してから30分を過ぎると1ユーロ、90分で3ユーロ、2時間で7ユーロ、5時間では31ユーロと、とても割高な延滞料が発生する。盗難防止のためなのだが、30分を超えただけで1ユーロなのは、年間29ユーロ、24時間1.7ユーロの登録料に比べめちゃくちゃに高い。借り出すときには、目的地を明確にし、そこのステーションの位置を確認しておくべきで、そのためにもスマホアプリは必須なのだ。

そして、運が悪いと、自転車を返却しようにもスタンドがいっぱい、ということもある。

この場合、一応救済措置はある。満車のステーションのBorneにIDを入れると返却期限が15分延長され近隣のステーションが紹介されるのだが、これが大変にわかりにくい。できれば、近隣のステーションの位置をスマホで確認する余裕を持った方が良い。ちなみに今まで「ステーション」と書いてきたが、フランス語では「スタシオン(Station)」だな。

レンタルと課金の状況も、いつでもBorneで確認できる。

面白いのは "bunos+" のシステムで、標高が60メートル以上のスタシオンに返却すると15分の追加時間がもらえる。これは「高いところまでよく自転車を持ってきてくれたね」的意味合いのボーナスだ。高いところから駆け下がる道は楽で楽しいけれど、登坂はきついもんな。

 

私はこの日、何回Velibを借り出したのだろう。24時間の間に多分10回以上借りている。延滞料金の1ユーロが嫌でチキンの私は、だいたい20分程度で自転車を返していたようだ。目的地に着きそうにない時には、途中見かけたスタシオンに一回返却し、また借り出す、なんてこともしたもんな。

このレンタル自転車システムは、レミゼラブルの舞台を探すことにとても役立った。物語に登場する場所は必ずしもバス停や地下鉄の駅から近くもなく、結局歩かなくてはならないことも多い。しかし、自転車ならかなり気楽に街の中に入り込むことができる。

ちなみに、現在パリまで最安だと思われるベトナム航空のアオザイプラス22000円は、ロンドン、パリ、フランクフルトとモスクワに飛ぶだけじゃなく、名古屋、関空、福岡からも利用可能らしい。

わざわざ教えてくださった方がいるのだが、私は基本成田使用者なので、正直成田発以外の運賃はあまりチェックしてない…。申し訳ないのだけれど、そんなもんだと思ってお付き合いいただきたい。日程によっては成田発は、ハノイとフランクフルト経由のパリ行き、などと2回乗り継ぎになるのだけれど、他の航空発だとどうなんだろう。まぁ、「乗り継ぎでベトナムも観光できる」くらいの気持ちがないと、こういう遠回り安チケットには手は出せないとも思うけれど。


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