2016パリ14 宿に近い13区の中華街があまりにも「高島平」だった件
2017/05/07
私の泊まった1泊5000円台の安ホテルは、パリ13区のビブリオテーク・フランソワ・ミッテラン駅から300m、歩いて5分の場所にあった。
駅周辺やホテルに向かうトルビアック通りの空気は「パリのちょっと都心を離れた場所」なのだが、ホテルを超えてトルビアック通りを5-600m西に進みオリンピアデス駅周辺まで来ると、街の空気が少しずつ変わり始める。この界隈から南西のエリアは、ヨーロッパ最大のチャイナタウンなのだ。
しかもただのチャイナタウンじゃない。他国のそれとは違い、派手な色使いも目立たなければ歩道にせりだした2階もない、なんとも地味でシック、言い換えれば派手さのないチャイナタウンなのだ。第一印象は「パリの高島平」だ。
フランス人は、もう少し味わいのあるな建物を好む。例えばエリアの北東、オリンピアデス駅周辺ではまだまだヨーロッパ感がある町並みなのだが、
エリアの中心地、あるいは南のマセナ通り周辺になるとこうなる。
一見、貧相なことこの上なく、生活感に欠ける。しかしその窓をよく見ると、
うん、生活臭はあった。でもこれはパリの窓ではないな。
13区のそんなに遠くない場所(マセナ通り)には、知る人ぞ知る、ってか普通の人はまず知らない建築家Paul Chemetovの事務所もあるというのに、そのご近所がこんなことでいいのか、でもある。ちなみにポールの事務所はガラス張りで、私はこれも落ち着かない。
話をチャイナタウンに戻そう。このあたりでは、ちょっと魅力的な教会も中国語表記だし、
マクドナルドも、このエリアでは中国風に「麦当労」となる。
チャイナタウンとは言うものの、実際には東南アジアからの移民も多いらしい。中華系レストランの他、ベトナム系レストランも目立つ。インドシナ植民地時代からの縁もあるもんな。
アジア系のスーパーも数件ある。母国の味に飢えた移民であっても食材には困らない。
チャイナタウン名物の「怪しい寿司店」だってあるぞ!
私にとってうれしいのは、持ち帰りができる安めの食堂も少なくなかったことだ。香港で良く利用する燒臘店もあるし、
おかずを自由に選べる店もある。
特に私が気に入ったのが、興隆。チャイナタウンの中心からかなり離れた、店舗の少ない「チャイナタウンとしては」3等地のパテ通りにあるこの店は、ロケーションが良くない分安いし、なによりホテルから近い。
好きな料理を2品、白飯か焼き飯、あるいは焼きそばに、デザートか果物。これで6ユーロなのだから格安と言って良い。米飯への飢えも満たされる。まぁ、帰り道にバゲット買っちゃうんですけど。フランスのバゲットは1本1ユーロ、大抵どこでも半分を50セントで売ってくれるし、焼き立てに遭遇した場合通過するのはかなり難しい。
もちろん店内で食べても良いのだが、私はホテルに持ち帰ることが多かった。
5000円台のホテルで、6ユーロの中華弁当を食べ、一缶1ユーロのビールを飲み、1/2で50セントのバゲットをかじる。私には十分な晩餐だ。このあたりは治安も市内東北部10-11区、19-20区より良い気がする。東洋人が目立たないのも良い。
ただ、多分パリ最安の6ユーロ中華だって、私には「とても安い」と言う程ではない。どの宿でも自炊ができれば最高なのだが、「ホテル」となると自炊できないことがほとんどで、運が悪いと電気ポットすらないことだってある。そこで最近、以前から迷っていたこれをついに購入してしまった。
ヤザワトラベルマルチクッカー。お値段は3000円程でAmazonか楽天かどちらかが最安値であることが多く、私はポイント目当てで楽天で買った。
袋入りのインスタントラーメンを作ることに特化された製品のように見えるけれど、ネットでいろいろ調べると15分程度でごはんも炊けるらしい。まだ実際に使っていないのでなんとも言えないのだが、うまく使えれば外食のお高いエリアには必ず持っていくことになるかもしれない。少し実験してみるかな?