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国内旅行

2017バニラで行く函館24時間4 北方民俗資料館で愛想はないけれどそれなりに興味深い資料展示を見る

2017/06/24

旧金森洋品店から大通りを西に130m歩くと、基坂通の交差点に古い建物が見える。函館市北方民族資料館だ。

6.函館市北方民族資料館で貴重なコレクションを見る

ここは1926年に建てられてから1980年までの54年間、日銀の函館支店だった。素人目には比較的味気ない建物にも見えるのだが、玄人の視点からはなかなか重要な建物らしく、1983年札幌郊外にオープンした北海道開拓の村がこの建物を譲り受けようと狙っていた、という話もある。

この話はかなりの確率で事実のようで、北海道開拓の村内、旧小樽新聞社と旧開拓使工業局庁舎の間には、旧日銀函館支店がどんぴしゃで入る空き地が今も残っている。しかし函館市が譲らずこの建物を「函館市北方民族・石川啄木資料館」としてオープンしてしまい、開拓の村の空き地は埋まらなかった。

更に開拓の村は2002年に廃止された小樽の旧日銀支店にも目をつけたのだけれど、こちらは日銀本体が金融資料館に使ってしまい、再度移転に失敗したとも言われる。開拓の村は日銀支店に目がないようだが、メインストリートには今も空き地にぴゅうぴゅぅ風が吹いている。

 

北海道には北方民族に関する展示を行う博物館が複数あるが、紛らわしいのが「北方民族博物館」と「北方民俗資料館」だ。

網走にある「北方民俗博物館」は北海道立の博物館であるのに対し、「北方民俗資料館」は函館市立であり、「馬場コレクション」と「児玉コレクション」を展示する資料館的な性質が強い。今風の「見せる博物館」風味が少し薄めだ。

もともと北方民族資料館には石川啄木に関する資料も展示されている「函館市北方民族・石川啄木資料館」だったのだが、1995年に「北方民族資料館」としてリニューアルされた。

啄木の資料などは、すぐそばの「函館市文学館」に移管され、見学者は2枚の入場券を買うことになったわけだ。市も多少はもし分けないと思ったのか、この2館には共通入場券もありそれぞれを買うより100円だけ安い。

ちなみに函館市文学館の建物は大正10年建築の第一銀行函館支店で、旧日本銀行函館支店より、数倍見栄えが良い。

 

そして見栄えのよろしくない旧日銀の内部。

メインのホールに置かれている平沢屏山の「蝦夷風俗12ヶ月屏風(アイヌ風俗12ヶ月屏風)」は複製だが、函館のみならず北海道の北方民俗資料館ではその複製をあちこちで見かけるもので、原本は函館市立博物館本館と花巻、天理に保管されている。北海道で生活する「北方民族」の生活を描いた秀作で人気が高いのだ。

 

北方民族という言い方をする場合、「北方民族は日本・北海道のみならずオホーツクやカムチャツカ、果てはベーリング海沿岸の北方地域に住む全ての民族を言う」的なニュアンスが漂うけれど、ここ函館市北方民族資料館は北海道、樺太、千島、カムチャツカエリアに関する展示が主となる。

売りは北方民族資料を精力的に調査・収集した、馬場脩氏と児玉作左衛門氏の貴重なコレクションだ。研究者のコレクションだけあって、観光客の好奇心を満たすより学術資料としての意味が深いものが多い気がする。ちなみに展示資料には、馬場コレクション、児玉コレクション、どちらでもないものが人目で分かるように、色別のシールが貼ってある。ちなみに素人には結構どうでも良い。

 

ここはミシュラン・グリーンガイド・ジャポンに掲載されたため、地味な割に人気があると聞いていたのだが、私が言った時間帯にはがらがらといって良い状態だった。しかし、夏季は夜7時前オープンしているため、午後の飛行機でやってきて街をぶらぶらしてからでも見学ができることは大きい。すぐそばの函館市文学館も夜7時まで開いている。

こういう素晴らしい点は、他の公共の博物館も見習って欲しい。アカデミックに「展示をどう見せるか」を研究するのも良いけれど、まずは営業時間の検討だろうと、今まで何度思ったことか。「5時までしかやってない博物館、美術館は結構やる気がない説」も、まんざらでたらめでないかもしれないぞ?

 

ストゥ(制裁棒) 集落内部で事件(盗難、不倫)などがあったとき使われた。これを見たとき、船戸与一の「蝦夷地別件」を思い出したのは、私だけではあるまい。北方民族は倭人より性的に厳格だったのだな。

 

アイヌを北方民族と考えることに否定的な意見もないではないようではあるけれど、「北方民族」という言葉にまだ学術的な定義はないという説もあり、要は場合によっては差別的に使われた「アイヌ」という言葉を避けた、的空気も感じないではない。特にお役所がらみの施設は敏感そうだもんな。

資料館は2階建てで、2階は「いかにも旧日銀」といった空気の展示室が並ぶ。多少味気なくて面白味に欠ける、一昔前の官庁が好む作りだ。

ちなみに今の日銀函館支店は、函館駅からそう遠くない東雲町にあり、その広さは4倍以上、外見もなんとなくホールや美術館を思わせるもので、ここも内部を見学できる。ただ予約が必要なようなので、面倒な私はバーチャル店内見学で満足した。


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