世界、大人の社会科見学!

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ウズベキスタン

2017ウズベキスタン16 ブハラ・中央アジア最古のイスラム建築と預言者の泉

2018/03/09

タリパチ門から100m南西に行った市場の裏手には、中央アジアでは最古と言われるイスラム建築がある。イスマーイール・サーマーニー廟(Ismail Samanid Mausoleum)だ。

9世紀ブハラにあったサーマーン朝の王族が眠るこの廟は、892年から943年までの間、およそ50年をかけて建てられた。建立から1000年以上経っているのに土台部分はしっかり残されており、修復も行われていて大変に美しい。煉瓦造りの廟は1辺10mの箱形の建物の上に内径8mのドームが乗せられている。

この廟にはちょっとした物語がある。13世紀ウズベキスタンを襲ったモンゴル帝国の襲来では多くのイスラム建築が破壊されたのだが、この時廟は砂の中に埋もれていて破壊を免れたのだ。カラハン朝の進軍によって999年ブハラが陥落しサーマーン朝が滅んだため廟を守れなかったためなのだが、それが建築物としての生命を長らえた。

廟が再び日の光を浴びたのは1926年、考古学者ビャトキンが発掘した時で、20世紀なのだから「結構最近」といって良い。埋もれること最低でも700年、地上にある時代より砂の中にあった時間の方が長かったのだなぁ。

廟は公園の中にあり外観は自由に見ることができる。内部は4000スムで見学できるとの話だったのだが、私が訪れた時間には戸は閉ざされていた。中に入るとこんな感じらしい。

イスマーイール・サーマーニー廟は煉瓦だけで作られているが、強い砂漠の陽射しを受けて紋様を浮かび上がらせるように巧みに組まれている。この紋様は月の光に照らされたときが一番美しい、とのこと。まぁ私は昼間外から見るだけでも十分に満足できたが。無料だし。

 

イスマーイール・サーマーニー廟から北東に100m程行くと、今度は別の廟が姿を見せる。チャシュマ・アイユブ廟(Chasma Ayub Mausoleum)だ。

 

チャシュマ・アイユブの「アイユブ(アユブ)”AYUB”」は旧約聖書に登場する「預言者ヨブ」のことだ。ブハラには、イスラム教ではクルアーンの預言者として議論されているアユブが、かつて水不足に苦しむブハラを訪れ地面を杖で叩いたところ、そこから泉が湧いたという伝説がある。

小さな古代墓地の中にある廟、中央ドームができたのが14世紀、前方ドームができたのが16世紀と古い温泉旅館のように建て増しされたため、建物のとしての美しさは今一つで、特にイスマーイール・サーマーニー廟を見た直後だと違和感は隠せない。

入場料は1500スムか2500スムか、そんなものだったと思う。今検索してみたところ、かつて1500スムだった入場料が10000スムになったとの情報もある。もし入場料が10000スムでも私はここに入っただろう。チャシュマ・アイユブ廟では実際にヨブの泉の水を飲むことができるのだ。

 

カップをすすいで、預言者の泉を飲んでみる。そんなにおいしいものではないが、由緒ある泉の水、ありがたくいただく。この水は「清純で癒やしの力を持つ」とされているのだ。これを飲まない手はない。

かつてこの水は目の病気に効くと言われ多くの人が押し寄せた。今でも(多分)入場料を払ってまでやってくる。みんな水をペットボトルなどに汲んでいる。

廟の内部には、小規模ではあるけれど、ブハラの水道施設に関する展示もある。廟の入り口には "Museum of the History  of water supply of BUKHARA" ともある。水道に歴史あり、なのだな。砂漠で水を得ることは大変だけれど、確保すれば街は栄える。ふむ、真理だ。ただし展示は極小規模だ。

貴重な預言者の泉、目の病気のない私にはその効能は分からなかったけれど、味はこちらの方が良かったかもしれないな。

CIS名物係員の必要なソーダの「自動」販売機、2000スム(≒25円)。気の利いた店だと使い捨てのコップに入れてくれるけれど、多くはガラスのコップに入れて提供され、多分それは「ものすごく清潔ぴかぴか」にまでは洗われていない。

肝炎なんかが心配な人は、避けた方が良い、のかもしれないな。

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