2017カザフスタン2 シムケントからアルマトゥイまでの寝台列車とその内部
午前3時、ホテルティアラをチェックアウトし、目の前にあるシムケント駅に向かう。
まだ暗いホームには結構多くの乗客が列車の到着を待っている。アルマトゥイまで15時間もかかるのに、それでもシムケントは始発駅ではない。カザフスタンには所要時間50時間などといううんざりするような長時間移動の列車もあるようで、15時間程度の乗客は深夜/早朝の乗車になっても仕方がないのだな、きっと。
やってきた車両は、「これ、ソ連時代から使ってるだろう?」と思われる旧型車両だった。この路線には、wifiもつながる新型車両もあるという話も聞いていたのだが、なんとまぁ旅情をかきたてる車両だこと。
乗り込んだら自分の寝台を探し、暗い中シーツを敷き枕カバーをとりつけ、よじ登って眠る。写真なんか撮っている余裕もないし、フラッシュなんか光らせられる環境じゃない。ホテルであまりたっぷり眠らなかったせいもあり、また、暗い寝台だと寝るしかすることがないという事情もあり、体を横にすると意外とすんなり眠れてしまった。
翌朝、明るくなった車内を探検する。
この乱れきったのが私の寝台で、
下のお兄さんは、まだ眠っていますな。
車内には一応電源もあるけれど、数が少ないので早い者勝ちであり、
中には自分の寝台まで電源を引っ張ってきて、複数のデバイスを充電している猛者もいる。
少し経って周りを見回すとみんな毛布を畳んでいるので、真似をする。畳んでシートを使うのは下段だけなので、上段はマナー、なのかな。
長時間の移動だと、食事の問題も発生する。この列車にも食堂車はあったのかもしれないけれど、カザフスタンの食堂車はえらく割高だと聞いていた。食べ物や飲み物も売られていて、カップ入りのインスタントコーヒーが200テンゲ(≒66円)、カップ麺が300テンゲ(≒100円)程。
車内には一応給湯器もある。私はホテル前の雑貨やで買い込んでいたカップ麺と紅茶で、朝食兼昼食にする。飲み物や食べ物は持ち込むのが良い。
車窓を眺める。
私は結構車窓風景を楽しめる方だとは思うのだが、寝ている時間を含んでいるとは言え15時間は結構退屈だ。考えようによっては、これだけ乗せていただいて2000円しないのだから、コストパフォーマンスは高い。
列車がアルマトゥイ2駅に着いたのは、もう夕方だった。日の長い時期だったから明るいけれど、冬なら結構暗くなっているはずだ。
シムケントからアルマトゥイまでの列車には、夕方に出発するものもあるようだった。これに乗れば余計なシムケントのホテル代もかからなかったし、アルマトゥイ到着も朝と、何かと都合が良かったのだろうな、と思う。切符が取れていればなぁ…