2017カザフスタン4 アルマトゥイからジャルケント、そしてコルガス(ホルゴス/霍尔果斯)へとバスで移動した件
アルマトゥイの安宿に一泊し、朝、バスターミナルに向かう。
バスターミナル敷地内の軽食店でピロシキと紅茶の朝食を取る。正確な値段は忘れてしまったけれど、紅茶が1000テンゲ前後、ピロシキが数百テンゲ前後だったと思う。
朝9時、ジャルケント行きのバスは定時に出発した。バスは4列シートのまったくもって普通のバス。これからジャルケントまで4時間半の移動だ。
お金持ちの産油国にしては多少質素な感はあるけれど、それでもカザフスタンの道は悪くない。バスは片側2車線の舗装道路を軽快に走る。たまに道路を渡る牛がバスを止めるのが中央アジア的でなかなかよろしい。
途中ガソリンスタンドで給油。乗客は買い物とトイレ。トイレは水洗ではなく昔ながらのぽっとんタイプ。国にお金がある割には地方のインフラはイマイチなのがカザフスタン、なのかな。
4時間30分を過ぎた頃、ジャルケントの街に入っていく。
地元の人に聞いたところ、ジャルケントから中国の国境の町コルガス(ホルゴス・霍尔果斯)に行く「中国のバス」は、決まった時刻表のようなものはなく、人が集まり次第、あるいは、それぞれのバスが各自決めたスケジュールで走っているらしい。
まずはバスターミナルのチケット売り場をのぞいてみる。
「すみません、中国に行きたいんですけれど」
「ああ、それだったら、そこに停まっているバスに聞いてみて」
こ、これですか?
「すみません、中国行きたいんですけれど」の気持ちを込めて「チャイナ?チャイナ?」と言うと、「お、もう出るぞ、乗れ乗れ!」とばかりにドアを指さす。
これは結構幸運なことだったようだ。後に聞いたところ、ジャルケントからコルガス(ホルゴス)に向かうバスは午前中の出発が多く、午後の便は少ないらしい。
アルマトゥイのバスターミナルで見た時刻表に夜10時、11時発の夜行便があったのは、午前中にジャルケントを出るバスに間に合うため、だったのだな。バスに乗れなかった時には、何もないこの街、というより村の宿に1泊することになる。
行き先だけを確かめてバスに乗り込む。運賃は70元(70≒1190円)。アルマトゥイからジャルケントまでの運賃が2000テンゲだったのに、国境バスは割高だが、国境の緩衝地帯はバスでしか通過できないので他に手はない。
なにより、ウズベキスタン、カザフとやってきた私が人民元なんか…、あ、持ってたわ。なかったら(多分割高な)テンゲ払いだったのかな?
ジャルケントからコルガス(ホルゴス)までは約40km、たいした距離ではないのだけれどバスはガソリンスタンドに立ち寄る。カザフスタンのガソリン価格は中国の約半分、給油するならカザフ側なのはごもっともだ。ちなみに日本と中国のガソリン価格はそれ程変わらない。
約30分後、バスはカザフスタンと中国の国境を抜ける。国境を通過する人数はこのバス1台分だけなので、あまり効率の良くないイミグレもそれほど長い時間はかからない。カザフスタンを出国して中国に入るまで、およそ1時間弱くらいだった。もちろんカザフ、中国ともにイミグレは撮影禁止だ。
カザフスタン・ホルゴス側から見る中国のコルガス(霍尔果斯)は、都会に見える。少なくともホルゴス、いや、ジャルケントにも5階建て以上の建物はない。
イミグレを抜け、中国に入る。バスがアルマトゥイを出発して8時間。約330kmの移動にしては時間がかかった。到着時、カザフスタン時間だと夕方5時半、北京時間(中国時間)だと夜の7時半になる。夏の新疆は北京との距離もあって大変に日が長い。
今回は運良く1日でアルマトィからコルガスまで移動できたけれど、ジャルケントで1泊したくなければ、アルマトゥイを夜に出るバスに乗る方が良い。もちろん私のように夜行バスが嫌いなら、最悪ジャルケントで1泊するかもしれないと腹をくくる手もある。
あの街に泊まるのも、なかなか面白い経験かもしれない。