世界、大人の社会科見学!

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中国

2017中国新疆7 伊寧からウルムチまで日中の6時間を、寝台列車でだらしなく過ごした件

伊寧からウルムチまでは約700km、それなりの距離だ。

700kmあれば当然航空便もあり1日10便以上とそれなりに充実しているが、お値段もそれなりに高い。バスは安いけれど12時間かかる。そこで、多くの旅行者はバスよりは多少お高くなるけれど6時間程度で到着し居住性も高い列車で移動をすることになる。私もそうした。

列車の本数も少なくなく1日にZ/T/K/Yの9便がウルムチに向かうのだが、調べているうち面白いことに気がついた。この区間、朝に出発する列車でも寝台が売られている。朝の9時半に出発し午後2時半に到着する列車に寝台が必要な訳はないのだけれど、編成上の理由なのだろう、寝台の座席は多い。

お値段も硬座(普通席)が71元(≒1225円)、日本のグリーン車にあたる軟座が118元(≒2036円)であるのに対し、日本のB寝台にあたる硬臥が144元(≒2485円)、約1260円の差額で硬いシートがフルフラットの寝台になるのだから、これに乗らない手はない。当然私は寝台のチケットを買った。朝から寝台なんて、自堕落で良いじゃないか。

出発の日、宿近くのバス停から17番バスで街の中心部から8km程離れた駅に向かう。

イーニンの駅前には、本当に何もない。駐車場の先に建築中のビルは多いけれど、住居や店舗が入っているものはまだ少なく、とりあえず街と言えるエリアに出るには1km程歩くことになる。ここまで来ると一応宿もあるけれど、「駅前」ホテルじゃないしわざわざ泊まるような場所じゃない。

例によって出発直前まで開かない改札を通り、T5916列車へ。この列車は朝の9:30に伊寧を出発、ウルムチを経由し翌朝の11時にカシュガルに到着する。25時間半走る列車、寝台車がメインの編成になって当然だ。

この長距離列車が走る25時間半のうち、最初の6時間だけ、寝台を借りる。もちろんベッドは私の好きな3段寝台の最上段。一番安い席だけれど、眠りたい時にいつでも眠れるというメリットがある。中段や下段では雰囲気的にベッドを使いにくかったり騒がしさで目が覚めることもあるけれど、天井に近い最上段なら昼間でも安眠できる。

日本のグリーン車にあたる軟座がどんなにゆったりしていても、フルフラットにはならない。決して広い寝台ではないけれど、体が水平になるとよく眠れる。

朝の9時半から寝台車で寝ているだらしないな自分がとても愛おしい。

少しうとうとしてから、通路窓際にある座席へ移動、車窓風景を眺める。乾燥した中央アジアの大地が続く。

この日はついうっかり食べ物を持たずに列車に乗ってしまっていた。小腹が空いてきたので車内販売をチェックするのだけれど、お高い割にはぱっとしたものがない。

 

そこで食堂車に行ってみると、メニューは20数元の水餃子しかないという。水餃子にしてはかなり良い値段だけれどそこは長距離列車の食堂車、仕方ないかなとついうっかり注文する。

冷凍食品だった。中国鉄道の食堂車は何回か利用したけれど、内容、価格とも史上最低と言って間違いない代物だ。ついでに、服務員の態度も史上最低で、食堂車は事実上列車スタッフの休憩所になっていたこともあわせて報告しておきたい。

食堂車に行くついでに硬座ものぞく。そんなに酷い座席じゃないし6時間くらい全く苦にはならないだろうけれど、この1座席とベッド1台の差額が1260円なのだから、やっぱり硬臥は良い。同じ6時間の成田・バンコク間をフルフラットにしようとしたら、10万以上の価格差だ。比べるほうがおかしいけれど。

水餃子を食べ、寝台に戻り、再び寝台にもぐり込む。

俺ってダメなやつだなぁ。自堕落でとても楽しいぞ。

帰国後友人にこの話をしたら「どうして夜に寝台を使わなかったんだ?」と大変ごもっともな質問をされ、「一度朝から寝台車でごろごろしてみたかった」と答えたのだが、あまり共感は得られなかった。友人のほうが真っ当であると気がついたのは最近になってからだが、私の旅行はいつもこんな感じだ。

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