2017香港25 佐敦の麦文記で34HK$の雲呑麺を食べ、スターフェリーで無料のナイトクルーズを楽しんだ件
本当は四季煲仔飯に未練たらたらなのに値段が気に入らないと意地を張り、更に油麻地から南下を続ける。となるとどうしても廟街 -Temple Street-を歩くことになる。「男人街」とも呼ばれる香港を代表するナイトマーケットだ。
初めて香港に来たとき、私はこのナイトマーケットに心を奪われた。ビクトリアピークからの夜景もTST側から眺める香港島の夜景にも感動したけれど、廟街は別格だった。怪しげで魅力的な露天が連なり安くておいしい食堂があふれるこの通りは、私を一瞬で魅了した。
今考えれば廟街のナイトマーケットはどちらかというと観光客相手で売っている物も高い。でも、そんなことを知らなかった私は4泊5日の間取り憑かれたように毎晩ここを歩いた。もちろん今だって嫌いじゃない。
そして廟街には有名な雲呑麺屋がある。麥文記だ。”Mak Man Kee”と発音する。時々「来文記」と書かれた紹介も見かけるけれど、日本語の漢字だと「麦文記」になるのだと思う。
これも昔話になってしまうのだが、私にこの店を教えてくれたのは、今はなきラッキーハウスのご主人だった。宿から5分も歩かない場所にあるのに、「ここおいしいみたいですよ」とまるで入ったことのない店のように教えてくれたここの雲呑麺は、廟街同様瞬時に私を虜にした。
麥文記(麦文記)の麺の固さは、多分香港でもトップクラスなんじゃないかと思う。なるほど、これが麦の味か。
画像には麺しか写っていないけれど、この下には大ぶりのエビ雲呑があり、これもとてもおいしい。カレイなどで取った(だったと思う)スープもおいしい。香港には雲呑麺の名店がいろいろあるけれど、個人的には麺の固さだけじゃなく香港でもトップクラスの雲呑麺じゃないかとも思う。なにしろラッキーのご主人のお勧めだ。
ただしここ麥文記も、まぁ、お値段は安くはない。北角の裏町あたりなら17HK$で食べられる雲呑麺が、ここでは34HK$(≒472円)。あちこちの店が雲呑麺を10HK$で出していた10数年前の「油麻地雲呑麺戦争」(私が勝手に言っているんじゃない、その頃香港の新聞にそういう記事があったのだ) を経験した私には、「30HK$を超えるのか」という思いもないではない。
さっき、四季煲仔飯でも昔の安値を思い出しては悲しむ自分がいたけれど、それでも麥文記には入ることができるのは、10年間の値上げ幅が四季のように3倍という酷さじゃ無いこと、それになにより価格が50HK$を超えないことも大きいと思う。私にとって50HK$を超える食事はかなりの贅沢品だ。
雲呑麺で元気を取り戻し、更に九龍を南下する。ここまで歩いたら、香港島の夜景を見ない手はない。
お?
なんだかよく分からないけれど、どうも尖沙咀と中環を結ぶフェリーが、今日に限っては無料らしい。何かの記念日なのだろうか?
尖沙咀から中環までの運賃は2.7HK$(≒37円)と出費を嫌う私ですらさほど気にしない金額なのだけれど、「免費」のサインボードを見て通り過ぎることなんて、私には出来ない。
スターフェリー、最高!何回乗っても、最高!!無料の往復なんてもっと最高、って最高に「もっと」はなしか?
調べてみると、この日は特に何かの記念日などだったのではなく、中国の「天猫」というショッピングサイトによる、中国では「独身の日」である11月11日に行うセールの宣伝だったらしい。さすが中国、やることが派手だねぇ。
私には深水埗から尖沙咀までの5kmをがんばって歩いた私への、「ケチの神様」からの贈り物のようにも思えた。