2017重慶10 国民党政府の刑務所であった白公館から、ここでの出来事を展示する紅岩魂陳列館まで歩いた件
松林坡から山の遊歩道を900m、20分程歩くと、そこには白公館がある。
教科書にも載っていて中国人なら誰でも知っているという「白公館」とは、いったいどういうものなのか、まずは解説を読んでみる。
うーむ、これを読むとどうやら、白公館はかつての四川軍の建物を「軍統局重慶看守場」とし、その後米軍人の住む「中美合作所第三招待所」とし、第2次世界大戦が終結しアメリカが重慶から撤退した後再び刑務所となったようだ。渣滓洞同様重慶の国民党軍が人民軍などの捕虜や政治犯などを収容したのだな。
私にでも分かりそうなマンガ本もあるけれど、残念ながらセリフは中国語だ。
幼くして松林坡で殺害された「小萝卜头」こと宋振中などもここに収容されていたようで、室内は渣滓洞よりは多少マシだ。窓には鉄格子は入っているけれど。
しかしそこは牢獄、日の差さない地下房もあれば、拷問道具の展示された元防空壕もある。
重刑・歌楽山北部の渣滓洞、松林坡、そして白公館は、全て基本的に重慶にあった国民党政府の管理下にあった刑務所と関連施設であり、一部の人たちはここや近隣で殺害された。ここはそういう場所だ。
そしてここから更に18分、山を下るように歩くと、紅岩魂陳列館がある。
ここには、今まで見てきた歌楽山の施設で何が行われてきたかを、パネル展示でまとめて見ることができる。歌楽山見学の総仕上げ、という感じだな。
紅岩魂陳列館には中国の国旗を飾った大きな階段と広場があった。広場ではお年よりや子ども達がコマを回して遊んでいる。
いろいろ血なまぐさい出来事があった歌楽山だけれど、今では国家森林公園として、そして社会見学の場所として、たくさんの中国人が訪れている。あまり多くの外国人が来ている様子はなかったけれど、せっかくの重慶、こういう場所を訪れるのもなかなか興味深いのではないか、とも思う。
そして訪問の際には見学を渣滓洞からスタートすべきだ。逆方向からの見学だと、結構な山登りになる。