世界、大人の社会科見学!

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国内旅行

2018日高/室蘭24時間1 千歳から車で1時間の二風谷アイヌ文化博物館で、ゴールデンカムイの世界を見てきた件

千歳行きのバーゲンチケットをゲットした。

私には「安い」というだけでチケットを買ってしまう性癖がある。おかげで函館MP5000遊びと連続3ヶ月の北海道旅行となったけれど、使う予算は極めて少ないのでここは「たまにはこんなこともある」と自分で自分に言い聞かせる。

今回の北海道滞在はおよそ27時間。これは最安のバーゲンチケットがこの時間だったためなのだが、「レンタカーは24時間だけ借りれば良い」ことも購入に踏み切る理由となった。せっかくの北海道、もっと長く滞在してもという考えもないではないけれど、安さは正義だ。

なにはともあれ、朝7:05発のGK103で千歳へ向かう。バーゲンチケットが殊更安かったのはこの時間のためでもあった。電車では厳しい時間だけれど、車で行けば空港駐車場の深夜・早朝割引が受けられる。2タミに隣接するP2なら48時間以内で2060円、その隣にある屋外のP3なら1540円と半額になるので、今回はこれを利用した。

らくてレンタカーは24時間で2000円と最安価格だったクイックレンタカー。車は北海道とは言え20万kmを超える傷もある超中古車だけれど、個人的にはピカピカの新車で小傷をもらわないかと神経をすり減らすより気楽で良い。

そして今回の千歳ではまずどこに向かったか言うと、平取町立二風谷アイヌ文化博物館だった。

北方民族「アイヌ」についての博物館は北海道にいくつかあるけれどここ平取の博物館は未訪問であったし、千歳空港から日高自動車道の無料区間を使えばなんと1時間で到着してしまうという事実も、訪問の理由になった。日高・平取、近いんだねぇ!

GK103便は定刻に千歳に到着し、レンタカーは9:30頃にチェックアウト、11時頃には平取町立二風谷アイヌ文化博物館到着だ。

数あるアイヌ文化博物館の中でも、ここ二風谷のそれは、なんというか、濃い。それは多分、ここ二風谷が「北海道で一番アイヌ人の比率が高い地域」であることも無関係ではないと思う。wikipediaの記述によると「2010年に395人」だった「人口の過半数をアイヌ人が占める」とあるが、現地で私は「およそ75%」とも聞いた。

21世紀のアイヌ文化発信地が、ここ二風谷、なのだな。

アイヌ文化の博物館に展示される物は、結構似通ってくる印象がある。ここも展示品の種類にだけ限定して言えば、他の博物館で見てきた物も少なくない。

しかしここ平取町立二風谷アイヌ文化博物館では、運が良ければ、あるいは予約をすれば、学芸員の方の極めて興味深い解説を聞くことができる。

その方は二風谷で子ども達にアイヌ語を教える活動もしている、現代のアイヌ文化の継承者なのだ。この方の話は極めて興味深いし、こちらの質問にも深く答えてくれる。この話を聞くためだけに成田から飛行機に乗る価値はある。

「北海道にも様々な地域にアイヌ民族はいたが、どうしてここ二風谷だけに未だに過半数(あるいは約75%)のアイヌ民族が残っているのか?」と誰しもが思うところだが、「漁業ができる海岸沿いや広大な面積での工作ができる平野部とは違い、和人が入ってきても大きな産業で利益を得にくい土地だったことが、二風谷に和人があまり増えなかった理由のひとつ」と、学芸員の方は教えてくださった。もちろん過疎の問題は他の地域同様にあるとのこと。なるほどなぁ。

信仰や生活文化についての解説も大変に興味深い。他所の家を訪問する際の作法、アイヌの人たちのカムイについての考え、かつて行われていたイヨマンテのこと、こんな話そうそう聞けないというものが山ほどあってどこまでも好奇心が刺激される。

ちなみに北海道で最後にイヨマンテが行われたのが40年ほど前、結構最近まで行われていたのだ。現地の方には大切な儀式だけれど、やはり大事に育てた小熊が亡くなることや、更には「引き寄せられる」、つまりイヨマンテの後には死者が出る、という話(実際にそういうこともあったらしい)等、必ずしも地域の全ての人が喜んで行ったではなかった、という、絶対によそでは聞けない話も伺うことができた。

本当にこんな話、よそではなかなか聞けませんから!

最近人気のマンガ「ゴールデンカムイ」には、アイヌ文化についての様々な記述があり、これがなかなか興味深く、スリリングでちょっとエキセントリックな絵とストーリーに華を添える。

そして私が学芸員の方から伺った話の多くは、実はこのゴールデンカムイにも描かれていた。

実は2018年の2月、二風谷アイヌ文化博物館では「『ゴールデンカムイ』とアイヌ民具の世界」が行われていた。僅か2週間の企画展だったようだけれど、やっぱり無縁じゃなかったのだ。多分ゴールデンカムイの作者は、ここにも取材に来ているのだろう。優れた作品は取材が命だもんなぁ。

と、思ったらやっぱりあった。

館内にはもちろんアイヌの民族衣装も展示されているけれど、

バックヤード、ではないな、一応見学可能な裏側にも、まだまだ多くのアットゥシ等が保存されている。展示だけを行うのではなく、地域の文化遺産を保存する意図が感じられる。

日高は遠いし平取は更に遠い、と思っていたけれど、実は千歳空港から1時間、平取町立二風谷アイヌ文化博物館はアイヌ文化に興味のある人にとっては、とても興味深い場所だ。北海道の北方民族系博物館の中でも、解説の話を聞くことができれば、トップクラスの場所だと思う。

そして、博物館のみなさんには、ガイドツアーを1日に何回か行っていただけたら、と思うのだ。

せっかくの貴重な資料も、知識を持たずに見ればただの樹皮の服であったり椀であったりする。背景にある物語を知ってこそ、展示は輝く。この博物館にはそれができるのだから、やらないのは大変にもったいない。なんとなく展示を眺めて素通りする観光客を減らすためにも、アイヌ文化を伝承するためにも、ガイドツアーは有効だと思うのだけれどなぁ。

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