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韓国

2018大邱6 日本人がほとんど知らない漆谷護国平和記念館で、その充実した”洛東江の戦い”に関する展示に驚いた件

朝鮮戦争時、大邱の西を流れる洛東江は南進する北朝鮮軍に対する連合軍の最終防衛ラインとなり、激しい攻防戦が行われた。その洛東江でも最大の激戦地であった漆谷に、漆谷護国平和記念館はある。最寄り駅は倭館という韓国では珍しい名前の駅で、東大邱からは頻繁にでるムグンファ号が(停車駅数で)2~3駅で約30分と便利だ。

日本に微妙な感情を抱く韓国で「倭」の文字を持つ駅は他にない。「倭館」は日本人居留地を意味し李氏朝鮮時代各地に作られ、漆谷地域の倭館はここに作られたのだ。駅は日本統治時代の1905年に「倭館駅」の名前で作られ、その後当然のように改名運動などもあったようなのだが、なんだかんだで現在まで変わっていない。その理由の一つが、ここで行われた激しい攻防戦でもある。

「倭館駅」から漆谷護国平和記念館までは、駅前通りを左(か右)に歩いて10番か10-1番、110番、9番のバスに乗れば良いらしいのだけれど、今ひとつ分かりにくくついタクシーに乗ってしまう。バスで行ける場所までタクシーに乗るなど私としては例外的なことなのだけれど、まぁそういうこともある。タクシー代は5000ウォン程度だったかな?

「お客さん、ここではね、北と南の軍が川を挟んで55日間えしたんだよ」。タクシーのおじさんも対岸を指さしながら英語で教えてくれる。

私が漆谷護国平和記念館の存在を知ったのはかなりの偶然だった。ガイドブックはもちろんネットでも日本語情報のほとんどないここの存在は、地図で洛東江の戦跡を検索している時にたまたま見つけたのだ。場所も辺鄙だし、2015年の10月にオープンしたばかりなのも、日本であまり知られていない理由の一つかもしれない。

「どれどれ」と内容を調べると、韓国各地にある戦跡の記念館としては破格の規模で、しかも展示内容がかなり充実している。見学が有料なのもうなずける規模だ。

入場料は3000ウォン。ありがたいことに無料の日本語オーディオガイドもある。これを借りない手はない。

館内は、朝鮮戦争の概略などを解説する「愛国」(Patriot) 展示、戦闘体験展示、そして4Dシアターと子どもの遊び場などがある。

中でも興味深かったのは、当時の市街戦を再現したこの展示だ。壊れかけた家屋で銃を構える兵士の姿(真下の写真)や、宣伝活動やスパイ勧誘などに対する警告チラシなど、極めて興味深い。

もちろんここでも洛東江が以下に重要な防衛拠点だったかが詳しく解説されている。

ここで行われた戦闘の様子やその装備、そして(多分復元された)遺品や遺骨なども展示されている。この地域では戦争が終わってからも、山で遊んでいる子どもが人骨を見つけることは珍しくなかったらしい。もしかしたら、これも本物、なのかな?

北朝鮮軍の侵入を防ぐために米軍によって破壊された倭館鉄橋の模型と解説や、

北朝鮮軍によって行われたとされる303高地の虐殺の解説など

このエリアで起きた戦闘や事件などについても解説されている。多分ここは洛東江の戦いについて世界で一番詳しい展示がなされている場所だ。

4Dシアターでは当時の戦闘の様子を体験できる。

更に館内には、射撃のシミュレーターやボールプールなどもあり、解説的な展示にすぐ飽きそうな子どもが楽しめそうな施設もある。

2017年のニュースによると、開業から2年でここ漆谷護国平和記念館への訪問者は30万人を超えたらしい。まぁこれだけの規模の施設、近隣の人は「今度の休みに一度見に行こうか」と思わないわけがない。

朝鮮戦争でも激しい戦闘の続いた洛東江の戦いを題材にした映画もある。「春香伝」や「太白山脈」を撮ったイム・グォンテクの1975年の作品「洛東江大決戦」(酷い邦題…)だ。この監督は「ソウル奪還大作戦」という国策映画(?)も撮っていて、まぁ、そのなんだ、なのだけれど、洛東江の方はなかなか興味深い。漆谷や倭館に行く人は、事前に見ておくと、かなり現地の印象が変わると思う。

そして洛東江の戦闘に関心がわいたら、ぜひここ漆谷護国平和記念館を訪れるべきだ。アプサン公園の洛東江戦勝記念館なんかで満足していては、実にもったいない。

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