世界、大人の社会科見学!

上の「世界、大人の社会科見学!」の題字をクリックすると記事一覧へ移動します。観光の王道から微妙に外れた、ちょっとへそ曲がりな海外・国内旅行記です。

スポンサーリンク

チェコ

2017チェコ2 プラハではまずはユダヤ人居住区ヨゼフォフと錬金術博物館を見学した件

個人的には錬金術と言えば「…君のような勘のいいガキは嫌いだよ」なのだが、16世紀のプラハでは、神聖ローマ皇帝のルドルフ2世が多くの錬金術師を招き、そのパトロンになっていたという。

神聖ローマ帝国と言えば、「西ローマ帝国の後継」を自称し10世紀前後から1806年まで続いたそれなりの歴史と規模を持つ国家だ。その首都をウィーンからプラハに遷都したルドルフ2世は政治的には「無能」とすら呼ばれることもあるが、文化人としては評価されていた。政治的判断は苦手でも教養はあり、学問や芸術を、そして錬金術を保護したらしい。

してその錬金術師の実験室を「再現」した博物館が、プラハ旧市街シナゴークの近くにある。私はこの博物館の存在を知ったとき、妙に行きたくてたまらなくなった。これはもちろん私が荒川弘を愛読しているためだ。4区の住宅地にあるカサブランカアパートメントからシナゴークへは、アパートの正面にあるトラム乗り場から30分弱の距離で乗換はない。

が、トラムのチケットは車内でも買えるのだが、現金が使えない。非接触型のクレジットカードが必要で、私の持っている日本のクレジットカードでは購入できない。

運転手さんに相談すると「1回降りて近所でチケットを買っておいで」ということになり、お咎めはなし。プラハではトラム停留所近くの雑貨屋などでチケットが買えることが多い。

プラハの交通チケットには24コルナ(≒118円)の30分チケット、32コルナの90分チケット、110コルナの1日チケット、310コルナの3日チケットがあるけれど、1日2-4回程度地下鉄やトラム/バスに乗る私の旅行スタイルだと、30分チケットを買うのが一番安上がりだった。移動スタイルによっては24時間チケットを買うのもありかな?

 

トラムをStaromestskaで降り、かつてユダヤ人居住区のあったヨゼフォフ ”Josefov" と呼ばれるエリアを歩く。10世紀には存在したと言われるプラハのユダヤ人居住区は12世紀後半からはこのエリアに形成されるようになった。ちなみに "Josefov" は神聖ローマ皇帝・ボヘミア王ヨーゼフ2世のことだ。

このエリアのシナゴークや博物館などを巡る共通チケットもあるのだけれど330コルナ(≒1629円)もするので、私は街を外観だけを楽しむことにする。関心があった旧ユダヤ人墓地は、柵の外から少しだけ見えた。

 

そして"Speculum Alchemiae Museum" 錬金術博物館 。

シナゴークや旧ユダヤ人墓地にはたくさんの人が並んでいるのに、ここに人が少ないのは、ここが「再現された」施設だから、だろうと思う。建物・店舗は一応錬金術を行う(表向き/一般的には)薬草店だったらしいのだが、内部のインテリアや展示は「再現された」ものだ。まぁ、それでも、私は見たい。

「博物館」はツアーでの見学しかできず、自由に歩き回ることはできない。次のツアーまでチケット売り場兼売店で入場を待つ。店内には惚れ薬など怪しげで胡散臭い土産物がいっぱいだ。

 

私を含め5-6人のグループは、奥の扉からツアーコースに入る。

まずは「錬金術師の部屋」。

ここにある肖像画はもちろんルドルフ2世。16世紀末期から17世紀初期は錬金術が近代科学の前に滅ぶ少し前であり、それを保護したルドルフ2世錬金術師にとって大切な存在だったはずだ。

天井のシャンデリアは、当然火・風・土・水の4大元素をモチーフとしている。錬金術だねぇ。

まぁこの部屋は、公的、と言うか、錬金術師が外部の人とも会う部屋であって、わくわく感の漂う「実験室」は地下にあり、そこに行くには隠し扉を開く必要がある。この隠し扉というのがまたうさんくさくて良い。繰り返しになるが、ここは「再現された」場所なのだ。

隠し扉のスイッチは、もう「ここを動かせば何かが起きますよ!」と力一杯主張する本棚の猫の置物だ。このスイッチ程度が見抜けない人は、柏周辺のドラゴン系珍来でラーメンを食べたときにトイレにも行けない。

この建物は西暦980年に建てられた19世紀の再開発でも撤去されなった数少ない建物で、カタコンベにつながっている通路もあったのだそうだ。カタコンベにつながっているということは、市内のあちこちにいけると言うことで、秘密基地としてはこの上ない。階段も怪しく、錬金術師の仕事場にはもってこいの建物だな。

地下の実験室。再現されたものと分かっていても、なんだかわくわくする。


なんなんだろう、こういう場所にわくわくするのは、鋼の錬金術師の影響だけではなく、かつて本気で賢者の石を作ろうとした人たちがこの街に集まっていたという歴史、そして小中学生男子が好む秘密基地大好き的感覚のためなんだろうな。私の頭の中は中学生時代からあまり変わっていない。

ロバートボイルの登場で4大元素説が否定され、アントワーヌ・ラヴォアジエが質量保存の法則を発表したのが17世紀後半、錬金術師のパトロンだったルドルフ2世が弟マティアスによって失脚する1611年までの数十年は、錬金術が近代科学に変貌する直前の、胡散臭くて怪しい、素敵な時代だったのだ。

ここ錬金術博物館、特に「錬金術師の部屋」は16世紀ルネッサンスのインテリア装飾が施されている。これはただ美しいから、ではない。ルドルフ2世が錬金術師を保護した、その時代の様式だから、なのだな。

インテリアは再現でも、展示されている器具などは結構本物も多い。怪しげな瓶やフラスコがあったら、それはまず本物だ。まぁ考えてみればたかだか4-500年前のモノ、偽物を作る意味はない。



ちなみに入場料は220コルナ(≒1070円)。本物のシナゴークや墓地を見学できるプラハユダヤ人博物館の共通チケットが330コルナ(≒1629円)。約30分間のツアーに220出すかどうかは普通の人なら迷いどころだと思う。

アドセンス関連コンテンツ

応援投票クリックしていただけるとうれしいです! → 海外旅行ランキング

 
関連記事と広告


-チェコ
-,

スポンサーリンク