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ポーランド

2018ポーランド15 パヴィアク刑務所跡と2013年に出来たポーランドユダヤ人歴史博物館で、ワルシャワの悲しい歴史についてもう少し学んだ件

前回 ”よおし、じゃぁその「復元された」旧市街に行ってみようじゃないか" などと書いてしまったが、ワルシャワの悲しい歴史を伝える博物館があと2館あった。パヴィアク刑務所ポーランドユダヤ人歴史博物館だ。

復元された旧市街に行くのは良いけれど、破壊された経緯についての知識が少しでも多くあれば、その意義も深くなる。

まずはパヴィアク刑務所博物館。19世紀前半に作られたこの刑務所はかつて1月蜂起などポーランド国内の政治犯を収容するのに使われたが、1939年にドイツ軍が侵攻てからの4年間には、12万の市民が捕らえられ、そのうち3万7千人が処刑され6万人が強制収容所に送られた。

この刑務所はワルシャワ蜂起後の1944年爆破されたので、刑務所本体はもう存在せず、残されたのは僅かの壁と樹木だけだ。まだ残っていた収監者はその前に全員射殺されたという。そしてそこには刑務所の歴史を伝える資料館になっている。

人気がない。しかも入口の格子戸が閉じている…


「油圧装置のドラブルにより、パヴィアク刑務所博物館は12月16日より次のご案内まで閉館いたします。ご不便をおかけすることをお詫びします。」

うん、とっても残念だ。見たかったよ。

 

気を取り直して、ポーランドユダヤ人歴史博物館へ。ここはパヴィアク刑務所博物館のすぐ裏にある、2013年にオープンしたばかりのまだ新しい博物館だ。

第二次世界大戦中、ドイツが侵攻した東欧各国の都市では、ユダヤ人はゲットーに隔離された。そして1942年ナチスドイツによるラインハルト作戦が始まってから、ゲットーの住人は強制収容所に送られることになる。

そんな中ワルシャワ蜂起の前年である1943年の4月から5月にかけて起きたのが、ワルシャワ・ゲットー蜂起だった。

ドイツ侵攻当初、ユダヤ人レジスタンスはドイツ軍とは戦わない方針でいたのだが、これは強制収容所が労働キャンプだと考えられていたためで、1942年頃強制収容所への追放が死を意味することが知られるようになると、ゲットーの住民はドイツ軍を戦うことを決めた。これがワルシャワ・ゲットー蜂起だ。

ポーランドユダヤ人歴史博物館はかつてゲットーであった場所にあるようで、敷地には”Pomnik Bohaterów Getta w Warszawie(ゲットーの英雄を記念する碑)”がある。

オープンして5年の広くて明るい館内には、ナチスによるユダヤ人迫害の記録だけではなく、1000年に及ぶポーランドのユダヤ人とその生活文化についても解説されている。新しいだけあって館内の至る所でマルチメディアやIT技術を駆使した、見やすく分かりやすい展示が広がる。





17世紀のシナゴークを再現した部屋。ユダヤ教に関する展示のハイライト、だな。

ワルシャワのゲットー跡地にありながら、ユダヤ人の迫害と蜂起のみならずユダヤ文化についても大きなスペースを取ったことは、ある意味勇気が必要な判断だったかもしれない。しかしそれは正しい判断だったと思う。1000年に渡るポーランドでのユダヤ人の生活を知ることで、私たちはその文化を良く知ることが出来、また蜂起の悲惨さ背景についてもより深く知ることができる。

第2次世界大戦では多くの命が失われた。日本でもアジアでも多くの犠牲者が出た。しかし、人口の10%以上が犠牲になった国はそう多くはなく、その中でもポーランドは約400万から580万人が犠牲になったと言われている。

ナチス侵攻前の人口が3480万人だったと言われているので、実に総人口の11~16%が命を失っている。統計方法にもよるだろうけれどこれは日本の3-4倍だ。あのポルポト政権下のカンボジアでも4人に1人、つまり25%であることを考えると、この数字の大きさはあたらめて衝撃的に感じる

ちなみに第2次世界大戦での人口に対する犠牲者の比率が10%を超えた国は、(これももちろん統計方法にもよるのだろうけれど)、ラトビア(11.78%) 、リトアニア(14.33%)、旧オーストラリア領ナウル(14.7%)、旧ポルトガル領ティモール(9-14%)くらいのようだ。(出典はこちら)。ナチス政権下にあったドイツでは7.9-10%とある。

全ての国民の11-16%が第2次世界大戦で犠牲になったことを知ると、ワルシャワで世界遺産の旧市街だとかショパンの家やら心臓だとか、そんな面だけしか知らないとしたら、それはとても残念な気がする。

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