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2018ポーランド16 有名な安食堂”ミルクバー Barbakanem”で夕食をいただき、昼と夜のワルシャワ旧市街を歩いた件

2022/10/03

ワルシャワ歴史地区は、以下の登録基準によって1980年に世界遺産に登録された。

・ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
・顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。

第2次世界大戦とワルシャワ蜂起への報復で徹底的に破壊されたワルシャワ、旧市街もその例外ではなかった。破壊された旧市街は当時影響力の大きかったソ連風の街並みに作り直される計画もあったのだけれど、ポーランド人はそれを許さず、瓦礫の煉瓦などを可能な限り利用し、破壊前の姿を再現した。世界遺産登録の理由には、そんなポーランドの人たちの想いに応える部分もあったのだろう。

まずは旧市街南端の聖アンナ教会へ。聖アンナ教会は1454年からの歴史を持つ由緒ある教会であり、1794年のKościuszko蜂起の時には、司教Józef Kossakowskiが「国民の敵」として教会前で処刑されたりもしている。そんな歴史深い教会だがドイツ軍の空襲によって損傷を受け、その後修復されている。観光客にはオルガンのコンサートが行われることでも知られているな。

ワルシャワ王宮。16世紀末クラクフから遷都したジグムント3世の居城として建てられ、1918年には大統領や首相の執務所となったワルシャワ王宮は、戦後しばらくの間廃墟のままだった。ソ連の影響下にあった清家ニョ党のポーランド統一労働者党が、社会主義ではない政権の痕跡としてその復旧を1971年まで差し止めていたのだが、復旧が開始されると国内に隠されていた装飾や美術品が王宮内に戻された。今は博物館として公開されている。

更に北上すると、ワルシャワ聖ヨハネ大聖堂に出る。国王の戴冠式など国家の重要な儀式にも使われたこの大聖堂は14世紀に建築され、1956年に再建された。その敷地は建物の規模に比べて広くはなく左右には別の建物が迫っていたりもして、ちょっと地味な造りにも見える。内部も大聖堂としては決して華美ではなく、それがまた良い。

そして旧市街広場へ。


ソ連風の街並みが残るワルシャワの他のエリアに比べればかなりかわいらしいエリアだ。この街並みは、過去の資料に基づいてかなり正確に「罅1本に至るまで」再現されたとのことで、ポーランド人の思いが伝わってくるようだ。密接した中層建築が、ここが13世紀にできあがった城壁都市であることを思い起こさせる。もちろん城壁も復元されている。


そして旧市街の城壁を北に抜けると、知る人ぞ知るミルクバー"Bar Pod Barbakanem"がある。

私はつい最近まで「ミルクバー」という言葉を知らなかった。

"Mlik Bar" は、イギリス人James Meadow Charlesがインドのバンガロールで ”Lake View Milk Bar” を開いたのがその始まりらしい。20世紀前半の禁酒の風潮から「パブに変わる道徳的なバー」としてそのコンセプトはイギリスやオーストラリア等に広がり、その形態はそれぞれの国で微妙に進化し、その後ファーストフードチェーンの発展などでミルクバーはその姿を消していったようだ。

しかしポーランドのミルクバーは、オーストラリアやイギリスのそれとは少し話が変わってくる。ポーランドの"Bar mleczny (≒ Milk Bar) 、バル・ムレチュニィは、1960年代の親ソ政権が生み出したカフェテリアだ。

まだ物資が今ほど豊富ではない頃、ポーランドのミルクバー・バルムレチュニィでは乳製品やオムレツなどの料理を提供していたが、民間のレストランが増えるにつれその数は減り、今では裕福ではない人のための食堂として、その多くが国や地方自治体から支援を受けて営業している。"Bar Pod Barbakanem"も、そんなミルクバーのひとつだ。

店内に入ると、その日提供可能なメニューが表示されている。ポーランド語が分からないと選ぶのは厳しいけれど、知ってる単語を探したりカウンターの女性と簡単な英語でやりとりをしたりして、なんとか注文にこぎ着ける。

はたしてこれが私の食べたいのものなのか、想像もつかない。まぁ18.50ズウォティ(≒535円)支払ったことは証明されたな。とりあえず他のお客さんの様子を見て、同じように振る舞ってみる。それらしいことを言われたら、料理をカウンターに取りに行けばいいのだな。


ポーランド料理ではスープが重要でかつ充実していると聞いたので、ここはライ麦を発酵させてつくるジュレックというスープと、仔牛のカツレツ、そしてソースをかけたマッシュドポテトを注文してみた。私にとってレストランでスープを注文することは、かなり贅沢と言って良いのだが、これで535円というのは悪くはない。

お味はというと、洗練されているというというよりは家庭的、かな?とてもおいしいぞ。

ポーランドにはおよそ一つの街に1カ所はミルクバーがあるらしい。ネットにはポーランドのミルクバー一覧なんてものもあって、店の写真やコメント、更には☆による評価もあったりしてなかなか油断がならない。ワルシャワでは、Złota KurkaやらSadyやらの評価が高いようだ。

ついさっき知ったのだが、このミルクバーにはダライラマが来た、という話もあった。それが本当かどうかは確認のしようもないけれど、日本ではコンビニのミルクティーを買っていた人だし、高級なレストランよりはこういう場所を好むというのはありそうな話だ。

日も暮れ、イルミネーションが光り始めた旧市街をもう一度歩いてみる。










ライトアップされたヨーロッパの旧市街って、ずるいほどきれいだ。ましてや空気が透明な真冬は尚更、だな。

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