2018那覇松山千歳③ 午後1時までの那覇での滞在を、県立博物館と”とらや”の沖縄そばで楽しんだ件
2019/03/28
ユナイテッド/マイレッジプラス5000マイルの特典旅行で那覇を経由する場合、その滞在時間は短ければ数時間、長くても15時間程度だ。15時間と言っても1泊しての15時間だから、観光に費やすことのできる時間は限られている。
夜更かしが苦手な私は、初日は前夜のように那覇で食事と散歩をすると終わってしまうので、観光というとどうしても2日目の午前中が勝負になる。前回は朝イチで首里城に行き結構楽しめたのだけれど、さすがに今回もという気分にはなれず、県立博物館に行くことにしてみた。
沖縄県立博物館のオープンは朝の9:00、新恵荘からは約1.5kmと歩くことも可能な距離なのだけれど、昨夜買った一日乗車券があるのでゆいレールを使う。歩きでもゆいレールでも所要時間は20分程度だ。
沖縄県立博物館・美術館は博物館法のしがらみもあり「博物館・美術館」という一つの施設なのだけれど、その入場料は「博物館常設展」「美術館コレクション展」それぞれが410円/300円という抜け目のないシステムだ。しかも2019年4月からは530円/400円に値上げになるらしい。
私は美術品にはあまり感心がないので、ここは博物館をじっくり見ることにする。ゆいレールの一日乗車券を見せると400円が団体料金の320円になるのも大変によろしい。
9時のオープンまだまだ少しあったので、まずは館外の野外展示を眺める。ここには沖縄の典型的な民家が復元展示されている。そうそう、この塀の内側に目隠しがあるのは、沖縄の古民家ならでは、だ。
苔むしたシーサーも長い歴史を感じさせる…、と思ったら、これは沖縄海洋博の住友館に展示されていたもので、やまとんちゅー彫刻家の作品だった。博物館的にはどうかと思うけれど、美術館でもあるこの施設だと「だまされたぁ」とも言いにくい。
施設の規模はなかなか大きく、博物館部分だけでも1万平米以上、常設展示エリアだけでも2500平米を超える。常設展示はプロローグ/エピローグ以外に時系列に沿った7つの展示室に分かれていて、駆け足でも1時間、少ししっかり見学すると2時間はかかる。
地理、歴史、文化等など複数の視点からの展示は、その質も高い。
沖縄ならではの展示として、近代/戦後の展示は特に興味深い。
これは米軍による軍用地使用量の領収証。借用証じゃなく地主の書いた領収証なのがちょっとおもしろい。もちろん個人名には付箋紙が貼られていて読むことはできない。
「この施設は琉球政府の生成基準に適合している」と書かれた許可施設の証書。良く聞く「Aサイン」以外にこんなものもあったのだと知る。Aサインをもらうには、まずこの1級認定を受けなければならなかったのだそうだ。
中でも面白かったのが、日本復帰時車の右側通行が左側通行に切り替わったときの記録だ。内部は撮影禁止のためこの写真しかないけれど、通行方法切り替えに向けた準備や当日の様子などが、動画などを含む資料で詳しく解説されている。
沖縄県立博物館、素晴らしい。これがあの那覇市立歴史館よりとゆいレール割引で40円、割引なしでも60円しか違わないのだから、那覇市立歴史館は少し危機感を持って良い気がする。
博物館をじっくり見学したあとはゆいレールに乗り小禄駅へ。ここには最近の那覇でのお楽しみとして定着した場所がある。
木灰そばのとらやだ。
ここの沖縄そばは旨い。大変に旨い。
今日日木の灰などを使って自家製麺するだけの気合が入った店、旨くない訳がないのだけれど、それにしても旨い。前回はあまりの感動に大盛りの太麺と中細麺の両方を食べるという暴挙に出たが、今回は太麺と未食のヒラヤーチにチャレンジだ。
本ソーキの太麺大盛り。ここのソーキそばは肉が別皿で出てくる。ソーキもとても旨い。
ちなみにお店的には「おすすめは中細麺、食べやすいです」とあるのだが、個人的には太麺が美味しいと思う。木灰を使った自家製麺のおいしさがより実感できるのが太麺、という気がするのだ。まぁ好みの問題だけど。
更に言えば、ここは漬物もとてもおいしい。ガラスの瓶に詰めて冷やされた漬物は結構な量なのだけれど、私は全て食べつくしてしまう。
そしてヒラヤーチ。
1枚ずつしか作れず15分かかるヒラヤーチがわずか100円。
これが100円というのは申し訳なさすぎる、と思っていたら、さすがに210円になったのだそうだ。それでも十分に安いと思うけれど、それを言ったらあのクオリティの沖縄そばがおいしい漬物付きで小450円からと言うのも安い。
沖縄に来たら沖縄そばを食べなければ気がすまない私にとって、帰路空港に向かうときに立ち寄れるこの店は極めてありがたい存在だ。しかもその味は他の名店に全く負けないクオリティ。
この店を知るまでは出発直前の沖縄そばは空港の食堂で食べていたのだけれど、とらやの存在はその習慣も破壊した。ゆいレールの1日乗車券チケットを持っていれば交通費だって負担にならない。
ちなみに私が昨夜泊まった美栄橋徒歩4分の那覇最低価格の個室宿新恵荘は1泊2000円、とらやのそばは450円から、こうなるとゆいレール1日乗車券の800円がかなりの金額に思えてしわないこともない。