2018那覇松山千歳⑦ キリン千歳工場見学で3種類1リットルのビールを試飲し大変幸福になった件
2022/10/03
空港かJR千歳駅近くのホテルエリアワン千歳までの移動を急いだのは、キリンビール千歳工場見学ツアーに参加するためだった。
季節や曜日にもよるけれど、1日5回から11回程行われる見学ツアーの最終スタート時間は午後3時台なので、車のない私はスタートに間に合う時間の送迎バスを逃すことができないのだ。
送迎バスは千歳駅前にあるJRイン千歳前の「鉄北通」バス停から出発する。エリアワン千歳からは駅を挟んだ反対側だ。工場までは路線バスもあるしJR長都駅から歩くこともできるけれど、せっかくの送迎バスを逃す手はない。
やって来たのはKIRINのロゴの入った千歳相互バス。千歳市内のコミュニティパスや観光バスを運行したいる会社のようだ。バスくらい維持できる大企業でありながら地元企業にシャトルバスの運行を委託するあたり、キリンはなかなか賢いと思う。
車体にこそキリンのロゴがいっぱい描かれているけれど、乗ってしまえば普通の中は路線バスだ。そうだよなぁ、運行しない日もあるシャトルバス、路線バスに使えたほうが何かと効率は良い。
バスは15分ほどでキリン千歳工場に到着する。
ロビーの展示を見学しながら、ツアーの開始を待つ。ここの展示もそれなりに充実していて面白く、ついつい見入ってしまう。
なんとも趣のある昔のビール瓶。こんな瓶から飲めばなんでも美味しくなると思うぞ。
ロビーから工場までは、別のバスに乗り換える。距離も多少はあるけれど、訪問者が敷地を好き勝手に歩かれてはゲストの安全上も工場の保安上もあまりよろしくはないのだろうな。
この日の見学者は定員の30人には満たない10数名、中にはタイからやってきた人もいた。工場でバスを降り、ここからは歩きになる。
まずはビールの原材料である麦とホップの紹介。ホップがビールの主要な原料であることは誰でも知っているけれど、実際にそれを手に取る機会はそうない。どれどれ、匂いを嗅ごうじゃないか。
これが乾燥させたホップ。なるほど予想通りといって良い匂いだ。和名を「セイヨウカラハナソウ」というホップは、ビールに苦味などのフレーバーを加えるだけではなく、日持ちの良さにも大きく影響する。もともとはビールを腐りにくく長持ちさせるために使われていたらしい。
ホップの香りを体験した後は製造ラインへ。
途中ウリである「一番搾り」の麦汁を試飲するコーナーもある。麦汁なんて普通に暮らしていては飲む機会などない。確かに一番絞りの麦汁は二番絞りより味も香りも濃い。コーヒーで言うファーストリップみたいなものだな。
生まれて初めて飲む麦汁。そんなにおいしいものでもないけれど、良い経験だ。
3連休まっだだ中だけあって、飲料工場の華とも言えるボトリングのラインは停止中。ちょっと残念。
ボトリングといえば、一見何の変化もなさそうなビール便も実は地味に進化している。素材を丈夫に作ることで薄く軽くし、かちて1ケース12.1kgだったビールが、今では9.5kgになったのだそうだ。実に20%以上の軽量化、これって結構すごいことだと思う。
そして一番搾りトンネルの先にあるラインとディスプレイ。
壁一面の一番搾り。
キリン千歳工場は徹底的なほど一番搾り押しだ。この工場では他の製品もいろいろ作っているのだけれど、見学ツアーでは製品に関してはほぼ一番搾りにしか触れない。こうなると二番絞り麦汁の行方や他の製品が僻まないかなどが心配になってくる。
工場見学の後は「お待ちかねの」試飲だ。日本の飲食品工場見学では、試食や試飲の前には必ず「お待ちかねの」をつける。いつ頃からかこれが気になって注意するようになっているのだけれど、今の所例外はない。
我が国では試食、試飲は必ず「お待ちかね」でなければならないようだ。
キリン千歳工場の見学と試飲では、豪勢なことに3種類の一番絞りが振る舞われる。
左から一番絞り、一番絞り黒生、そして右端が一番絞りプレミアム。カウンターできいてみたところ3杯あわせるとおおよそ1リットルにもなるそうだ。当然無料。
いや、当然じゃないな。この年に行ってみたアルメニアの老舗コニャック工場試飲は有料だったし、店舗レベルだとその場での購入を期待した試飲も多い。でも、ここはそんなことはない。
キリン、太っ腹!
私はビールを飲む習慣はあるけれど、基本350~500ccが上限でこんなに多くを飲むことはない。しかし同席したタイからの旅行者と情報交換などをしているうちにいいきになりはじめ、つい全て飲み干してしまった。日頃安い発泡酒や第3のビールばかり飲んでいる私にとって、これはごちそうだ。
いつもの倍か3倍のビールを飲みすっかり幸せになった私は、タイ人グループと大変盛り上がる。試飲だからあまり大声を出しちゃいけないね。
この後は売店で記念品を買うこともできる。
試飲会場でアンケートに応えた私は、記念品をいただいた。ビールケース型の小さなコンテナで、売店では200円で売っている。こういう小さなプレゼントもうれしい。
ちなみにキリンには日本に9カ所のビール工場があり、どこでも工場見学をやっているようだ。スタッフの女性は「関東でしたら取手にも工場がありますので行ってみて下さいね」とおっしゃってくれるが、そういう場所はバイクか車で行く場所であり、それでは飲めないじゃないか、だ。
そして少し前に気がついたのだが、ふるさと納税の返礼品にも一番絞りはある。でも返戻金を出す市町村にキリンのビール工場はない。
どうして佐賀や山形、そして福岡の工場のない市町村の返礼品なのかはかなり謎だが、ふるさと納税なんてそんなものかもしれない。15000円寄付すると1ケース24本が最安、つまり約1/3の還元率になるので、泉佐野が消えた後にはこの選択肢もありかもしれない。
通販サイトのポイントも含めてふるさと納税をするのも一つの選択だと思う。私は結構そうしている。