世界、大人の社会科見学!

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アゼルバイジャン

2018アゼルバイジャン6 バクー郊外のゾロアスター教(拝火教)寺院 ”アテシュギャーフ(Atəşgah)”は、事実上拝火教博物館だった件

2019/04/25

ヤナルダグで燃える丘「ヤナルダグ」を見届けてから、バスを乗り継ぎ、このような自然の炎が生み出した拝火教(ゾロアスター教)の寺院、アテシュギャーフ/Atəşgah に向かう。

まず乗り込むのはヤナルダグから東南に走る217番バス。


往路の147番バス同様、217番バスからも荒れ地に点在する石油掘削機が見える。掘削機が近くて多い分こちらの光景の方がより石油発掘地っぽい。荒れ地ではあるけれど住宅地に隣接している場所もあったりして、アゼルバイジャンが古くからの産油国であることを改めて認識する。

もしかしたら稼働中の石油掘削機を見たのは、これが初めてかもしれない。頭の中にはもう少し大きくて近代的な機械があったのだけれど、ここバクー郊外で動いているものは、タワーも含め「じゃじゃ馬億万長者」より昔なんじゃないか、とすら思う。


バクーの産油の歴史は古く、その掘削は1830年代、19世紀の帝政ロシア時代にさかのぼる。

1922年には赤軍がバクーに侵攻し1991年の独立までソ連政権下にあったことを考えると、タワーや掘削機が古くさいのもなんとなく納得が行く。もしかしたらソ連時代から使っているものもあるかもしれないし、現役で使えるのならばわざわざお高い最新型に買い替える必要はない。

乗り換え地点近くにチキンをローストしていたケバブ屋があったので、ちょっと遅めのランチにする。1羽分買い込んで、半分は店で食べ半分はお持ち帰り。コーカサスから中東エリアではローストチキンは結構間違いのない選択肢のように思う。


更にバスを乗り継ぎ、アテシュギャーフ寺院へ。ランチがなければ1時間少しで到着していたと思う。ちなみにヤナルダグからアテシュギャーフに乗り継いたバスにもバクーカードの読み取り機はなく現金払いだった。運賃は30ケビック=0.3マナトで、もちろんバクーカードの特典のひとつでもある乗り継ぎ割引などない。運転席横にはお釣り用の硬貨が並べられている。


アテシュギャーフ寺院到着。妙に小ぎれいな門だ。

門をくぐって最初に目に入るのは、広い駐車場とレストランや土産物屋が連なるこれまたまだ新しめの建物だった。観光地の匂いがぷんぷん漂う。

まぁ土産物屋などどこにでもあるし、そんなものが最近作った風であっても寺院には何の関係もない。入場料2マナトを支払いアテシュギャーフ寺院に入る。


なーんかこっちも妙に小ぎれいだなぁ、である。

もともとここアテシュギャーフ寺院はインドのゾロアスター教であるパールシー教徒によって18世紀に建てられた。ゾロアスター教は紀元前からの宗教だけれどこの寺院は結構新しく、しかも結構改修されてるっぽい。しかも19世紀後半にはもう寺院としての機能は停止して観光地と化していたという。

なるほど、ではその観光地と化したもと拝火教寺院を見てやろう。まずは「寺院」の中央にある建物で燃える炎を拝もうじゃないか。

ガスですから。これは明らかに管で引かれてきたガスが燃えてますから。

別に工事されたガスコンロだから炎が尊くないとは言わない。オリンピックの聖火だってガスで燃やされている。でも頭の中に「自然発生する炎を崇めた紀元前からの古い宗教の寺院」という思いがあった身としては、「結構最近作ったんじゃないか」的想いが湧いたことも事実ではある。

日本にだって1200年燃え続ける不滅の法灯なんてものがあるけれど、こちらは僧侶が燃料の菜種油を朝夕継ぎ足して炎を守っている。日本人的にはこの類の聖火をガスで維持することには、若干の違和感がないでもない。まぁ19世紀からの「観光地」ならそれでもいいのか。

炎を取り囲む建物は、バクーとゾロアスター教に関するちょっとした博物館となっている。


自噴した炎がやがて寺院となった経緯とか、


アテシュギャーフ寺院周辺の歴史や文化、発掘物や、




炎を利用していた地域の生活の様子などなど。

まるで寺院が観光施設となって宗教的な意味合いが薄くなった分、博物館の展示を充実させているようでもある。ことさら充実した展示だとは言わないけれど、それでもヤナルダグと同じ2マナトの入場料の割りにはそれなりに見応えはある。




ゾロアスター教(拝火教)「寺院」のアテシュギャーフ寺院を「ただの観光施設だ」と切り捨てるは少し酷だ。

この地のソロアスター教はイスラム教広がる度同時に衰退し、現在ではその信者数はインドに7万5000人、イランに6万人、パキスタンに数千人、北米に約1万人、そしてアゼルバイジャンには日本やドイツ、シンガポール同様の「若干名」と言われている。信者が「若干名」の宗教じゃ、寺院も観光地となっても無理はない。アテシュギャーフ寺院だって建てたのはインド人だしなぁ。

 

寺院のすぐそばには、鉄道のSurakhani駅がある。


もしかしてバクー中央駅まで行く列車があるのではとも思ったのだが、駅舎にいた人によると「旅客の乗れる列車は来ないから駅前からバスでどうぞ」とのこと。せっかく電化されているのにもったいないなぁなのだが、そこは素直に駅前にいた184番バスに乗り込む。



バクー中心部からアテシュギャーフ寺院まで直行する場合には、あるいはその逆ルートも、地下鉄とこの184番バスを乗り継ぐのが一番便利だ。

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