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アゼルバイジャン グルジア ジョージア

2018アゼルバイジャン8/ジョージア1 バクーからトビリシまで国際列車の1等寝台で移動した件

2019/04/27

ヤナルダグやアテシュギャーフ寺院などのバクー郊外を観光した後は、駅に近い1泊215円の安宿に戻り寝台列車での移動に備える。まずは買い出しだ。

宿から5分程歩いた場所には夜の11時まで営業しているスーパーマーケットがあるので、手元に残った300円程度のアゼルバイジャンマナトを水と食料など変える。寝台列車では紅茶程度のサービスはあるけれど、移動中は基本的に食べ物などは手に入らないらしいのだ。


「産油国だから」と警戒していたのだが、アゼルバイジャンの物価はそんなに極端には高くはなかった。宿だって5AZN(≒327円)からいろいろあるし、バスや地下鉄は0.2-0.5AZN、ケバブが1.5-2AZN、ランチだって安めの食堂なら5-6AZNから食べることができる。スーパーでも300円程度で水、パン、果物、そして小さなソーセージくらいは買うことができた。

もっとも今の物価は2015年のアゼルバイジャンマナト暴落後の水準であって、かつてはもう少し物価は、というよりマナトは高かった。2014には最高155円だった1マナトが2015年には一気に暴落、2017年には最安で50円台、実に最高値の1/3にまで落ちている。

アゼルバイジャンマナトはかつて米ドルとの固定相場制度であるドルペック制を取っていたのだが、2015年2月には複数の通貨と連動させる通貨バスケット制となり(この時点で既に110円台に暴落)、2015年12月21日に変動相場制へと移行したところ、70-60円台にまで暴落した。背景には原油安とそれに伴うマナト買い支えの通貨準備高減少があった

(グラフは https://www.xe.com/ja/currencycharts/?from=AZN&to=JPY&view=10Y より)

2014年以前の旅行記には「安宿があまりない」「物価は安くはない」的記述もある。通貨の暴落は国家としては大問題だけれど、2016年以降外国人旅行者には旅行しやすい国になったことも、また事実ではある。もちろんそんなことは帰国後知ったのだけれど。

買い物と休憩を済ませ、バクー中央駅に向かう。

ウェイティングラウンジにはテーブルがあり、コンセントが使える場所もある。ロケーション的には誰にでも開放されているのだけれど、ガードマンが巡回していて、列車の利用者ではなさそうな人を見かけると立ち去させてる。ちょっと厳しい印象も受けるけれど、盗難などを防ぎ治安を守るためには悪くはない。

これは夕方撮った写真だけれど、待合フロアにはSLEEP BOX なるものもあった。本当にただの箱のようだけれど一応ベッドの絵が描かれているし、体を伸ばすことはできるのだろう。ベンチと違って荷物にあまり神経質にならなくて済むのも良いけれど、使われているのかどうかも謎な雰囲気で、利用料金すら分からない。

もっとも荷物を1つ預けて5AZNのバクー駅、人が眠って5AZN以下ということはあり得ないわけで、だったら私は一応シャワーもコンセントもあるMinal Hostelのドミに5マナト払う方が良い。

ホームへは列車出発1時間程前に降りることができる。


売店やカフェだってないではない。しかしその値段は少なくとも街の倍から3倍で、私にはとても手が出ない。こんな値段なら駅のKFCで何か買い込んだ方がまだマシだ。スーパーで買い出しをしておいて良かった、である。

バクー発トビリシ行き38番列車。決して最新型ではない、というより古くさい。去年乗ったカザフスタンの夜行列車を思い出す。どちらも旧ソ連時代からの車両を使っているのではないだろうか。


今回のバクー → トビリシ行き列車ではネットで1等寝台を予約していた。1等の運賃は3728円、4人個室の2等2195円の約1.7倍。開放寝台1498円の約2.5倍だけれど、アゼルバイジャン最後のイベントである13時間を2000円でアップグレードできるのなら悪くはないと考えたのだ。

乗ってみると、コンパートメントは期待した程のものではなかった。広くはないし、もっともらしく取り付けられた液晶テレビは何も映さない。でも2等ならこれが2段ベッドになるわけで、多少は圧迫感が減る。

1等を選んだ理由の一つには「2人部屋ならもしかしたら個室を独占できるのではないか」という期待もあったのだけれど、そこは8月の旅行シーズン、個室の独占利用は無理できなかった。

同室したのはジョージアで夏の休暇を過ごすというアゼルバイジャンの青年で、家族が別室にいるらしい。一家揃って飛行機が嫌いで、モスクワやキエフに列車で往復したこともあるのだそうだ。ちなみにバクーからモスクワまでは50時間、キエフまでは59時間、2泊3日以上の長旅になる。

旧ソ連らしくやる気を全く感じない女性車掌が「紅茶はいるか?」と聞いてくる。1等だから無料のサービスかと思ったら有料でがっかりしたのだけれど、その料金がどうやら2-3マナトごまかされているようだと知ったときにはもっとがっかりした。

更にがっかりしたのは、その車掌が「そのパンと果物を寄越せ」と言ったときだ。私は生まれて初めて列車の車掌にパンをねだられた。中国あたりではこの列車以上にやる気のない乗務員はいるけれど、それでも彼らは乗客の食料を狙ったりはしない。アゼルバイジャンは貧富の差が激しいとは聞いていたけれど、この国の列車の車掌は一定の品位を保てる経済的な余裕がなかったのかもしれない。

そして1等と言えども、寝具のセッティングはセルフサービスだ。シーツや枕カバーは日本の0系新幹線が劣化したような列車の描かれた袋で配られる。こんな列車がこの国の鉄道にあるとは思えず、これはこれでちょっと恥ずかしい。

車内には給湯器があり一応機能している。カップ麺を買うという選択肢もありだったな。

なんだかんだいっても、これから13時間、私はここで過ごす。電気が来たり止まったりするけれど一応コンセントもあるしたっぷりデータ量の残ったSIMもあるので、ガラポンTVで日本のTVを眺める。今写真を見るとコンセントにはankerのpower core fusion 5000が刺さっている。この頃から使っていたんだなぁ、だ。

モバイルバッテリー兼USB急速充電器であるこのスグレモノは、MicroUSBでスマホやデジカメを充電している私にはなくてはならない。USB-Cに対応したfusion 1000が急遽発売中止なった今、旅行者にはマストアイテムだという気がする。

ちなみにこのガラポンTVの最新型機は公式サイトでしか入手できなくなっている。中国のキワモノネットTVがはびこるこのご時世、ガラポンもいろいろ厳しいのかもしれない。

バクーを離れるとやがてネットの信号が届かなくなり、スマホに入れた音楽や動画しか見聞きするものがなくなり、いつしか眠ってしまう。同室のアゼルバイジャン青年が良い人であったこともあり、車内ではぐっすりと眠ることができた。

なんだかんだいって鉄道は楽しいし楽だ。車掌が紅茶代をごまかしたり乗客の食料を強請って驚いたけれど、それでも楽だ。しかし本当にこの列車、寄越せと言われた食べ物を買うチャンスは全くなかったなぁ。

アゼルバイジャン出国手続きもジョージア入国手続きも、車内で行う。車掌があんまりだったのでイミグレの職員にも多少心配したけれど、彼らは極めて真っ当だった。そういえば中国でも鉄道の職員はやる気がなさそうなことも多いけれど、イミグレの職員はしっかりしていた。比べてどうする、だけれど。

入国審査を終えてしばらくすると、車窓にジョージアの街並みが広がる。もうすぐトビリシに到着だ。

本音を言うと、私はアゼルバイジャンにそんなに興味はなかった。

しかし航空券がバクーin/エレバンoutで発券できたこと、親日国で日本人だけビザが無料だったこと、「ジョージアのついでにでも行っておかないと一生行かないだろう」と思ったことから、1-2泊程度ならと立ち寄ったのは正解だった。

小さな産油国だからか「第2のドバイ」などと言われているのは大変なデタラメだとは思ったけれど、拝火教の生まれた背景を体感できたり実は聞いたこともなかったシルヴァン王朝の城壁都市も見られたし、それなりに興味深い土地ではあったと思う。

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