世界、大人の社会科見学!

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youtube動画 グルジア コーカサス ジョージア

2018ジョージア10 クタイシ北北西50kmの場所にあるOKATSE CANYONで、深さ100mの谷に突き出す展望台から谷底を眺めた件

2022/10/03

個人的にジョージア・クタイシの名所と言えばメディコ&スリコであって、私はここで1泊したらそのままトビリシに向かうつもりだった。

しかしこの日メディコ&スリコに泊まっていた旅行者さんから「良かったら渓谷と修道院に行く車をシェアしないか」との誘いを受けた。車1台をチャーターすると100ラリ(≒3950円)なのだと言う。3人ならひとり1316円かぁ。

クタイシと周辺の観光情報など何も調べていなかった私にとっては、聞いたこともない渓谷と聞いたこともない修道院だったのだけれど、まぁこういうことはご縁だし、車を手配してくれたのがスリコさんかメディコさんなのだから間違いはないはずだ。今日中にトビリシの宿に着けばいいやと、同伴させてもらうことにする。

よく分からない渓谷は、どうも”OKATSE CANYON” と言うらしい。いやぁ、聞いたことないなぁ。「オカツェ渓谷」と読むんだろうか。

ここがどういう場所なのか、これから何をするのかすらよく分からないまま、ビジターセンターで入場券を買う。外国人は15ラリ(≒590円)となかなか結構なお値段だ。周辺の他の観光地とのコンボチケットもあるけれど、チャーターした車で夕方には観光終えトビリシに向かう私にはあまり関係はないな。

と、そのビジターセンターで私はこれから何が起きるのかを理解した。私はどうやらとても近い将来、ここの模型にあるような渓谷の崖沿いに作られた遊歩道を歩くらしい。しかもその最奥部には空中に突き出した遊歩道、というか展望台がある。

結構スリリングで楽しそうなハイキング、の予感がする。

渓谷の木道まではしばらく森の中を歩く。天候さえ良ければなかなか楽しいハイキングになりそうな道なのだけれど、降り出した雨が次第に強くなってきて、地味に辛い。

更には平坦だった道も次第に傾き始め、「もしかしたらこれ帰りは上り坂?」的悪い予感もする。予感が間違っていないことを証明するかのように、すれ違う人々の表情はきつそうだ。

この先どれくらい歩くのかを尋ねると「チェックポイントまで20分くらいかな」などとなかなか辛そうなことを言う。私はもう20分程、平地上り下りのある坂道を歩いた。「チェックポイント」が何のことか分からないけれど、ビジターセンターから途中の通過地点まで行くだけでも40分は歩く、ということらしい。

しかも彼らは「雨が強くなるとチェックポイントが閉まるから、少し急いだ方が良いかもしれない」と私の息の切れ方をあまり考慮しない発言までする。上り下りの坂道をあと20分歩くのも辛いけれど、「チェックポイント」なる場所で追い返されるのはもっと辛い。

きつい体にむち打って雨中ハイキングを強行すると、なるほど、チェックポイントに到着した。

木道の入口で、スタッフがビジターセンターで買ったチケットをチェックしている。これ、何も知らないでチケットを買わずにここまで歩いてきた人はかなりの確率で絶望するだろうなぁ。雨の日ならなおさら、だ。

木道に入ってしまえば、あとは楽しいウォーキング、にはならない。下り坂だってそれなりにきついし、基本的には下りとは言えそれでも登りもある。雨の中息が切れる。

景色はというと、まぁきれいだと言えばきれいだけれど、正直「雨の中こんなにきつい思いまでしては見なくてもいいや」程度のレベルでもある。Okatse Canyon、こんなもんですかねぇ…

と思ったら、前方に怪しい光景が見えた。目的地の、谷に突き出した展望台だ。

なるほど、これはなかなか魅力的だ。渓谷だけならわざわざ来ない観光客だって、この展望台のためなら山道を歩く。やる気を回復した私は、ほぼ平坦になってきた遊歩道を少し元気になって歩く。

気持ちに余裕ができて後ろを振り返ると、遊歩道が結構力業の工事で作られたことが分かる、一応鉄のロープで吊られてもいるけれど、やっぱりここは旧ソ連、多くの人には知られていないジョージアはクタイシ郊外の谷、100%安心とも思えないし、万一落ちても「ものすごく大きなニュース」にはならないんだろうなぁ、などとも考えてしまう。

だいたい、岩肌だかコンクリート壁だか知らないけれど、ここに直接ボルトを打つ工法ってありなのか?しかも1ヶ所にボルト4本だけだし。私ならあと20本は打つぞ?

テンションを上げたり下げたりしながら、展望台に到着。


確かにこれはスリリングな光景だ。

オカッセ渓谷”Okatse Canyon”については帰国後に調べてもあまり多くの情報はなかったけれど、ジョージア語の ”ოკაცეს კანიონი” で検索すると、多少の情報は出てきた。川の長さは14km、渓谷の幅は3-6km、そして高さは20mから100m程らしい。わざわざ展望台を作るからには、ここはきっとそれなりに高さのあるところ、多分100m地点に近いのだろうと思う。

 

展望台からの光景を見終えると、再び登り坂との戦いが始まる。登り坂も往路とは違いただの帰り道だと思うと、ますますきつい。

遊歩道を上りきると往路に似た光景の平坦な場所に出る。ここからビジターセンターまでどう歩くかは、だいたい分かる。さっき降りてきた道を登るのだ。

それはとっても嫌だ。

と思っていたら、少し広くなった場所に何台かの車が止まっていて、ビジターセンターまで乗せてくれると言う。言い値は30ラリ。をいふざけるな坂はきついとはいえこんな僅かな距離が1180円かよ、クタイシからトビリシまでのマルシュだって10ラリだっていうのに1台とは言えほんの数分で30ラリ?え、じゃ25ラリだって?1000円とかなんだよお前円換算して話してるのか、めちゃ高いわい。

乗るけど。

乗ってみて分かったのだけれど、ただの砂利道を思った道路は「ぎりぎり車が走ることができることができる」レベルの山道で、4WDの車ではないとスタックして当たり前の道だった。天候のせいもあったのかもしれないけれど、頻繁にここを通っているであろうドライバーですら、スタックしかかったレベル。なるほど、これじゃ「30ラリが定価」というのもまんざら嘘じゃなさそうだ。

Okatse Canyonは、ビジターセンターから展望台までおおよそ1時間、私は車に乗ってしまったけれど、帰路も歩いたとしたら往復2時間から下手したら3時間はかかりそうな気もする。正直きつい。

しかしこの木道はどこでも経験できるようなものじゃないし、展望台からの光景だって捨てがたい。もしクタイシに来たのなら、そして複数で車をシェアできるのなら、来る価値はあると思う。そしてそれが雨の日でなければ、きっと私の何倍も楽しめるだろうな、とも思う。

しかし晴れだろうがなんだろうが、私は復路を歩くのは嫌だ。次に来たとしても絶対に復路は車に乗る。あるいは、休み休みの半日がかりで来る。少なくとも2時間で往復なんて荒技は、私にはできない。

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